94話
天を貫く巨塔へ挑むユカ達4人は、中ボスが待つ15階へ到達する。
「あれが中ボス?思ったよりボス感ないなぁ」
「スライム・レディだよ。人型だけど、くすぐりが効かないんだよねぇ……」
ニナが残念そうに呟く。
ユカ達の正面には、女性の形をしたスライムが居座っていた。
ニナのいう通り、女性の形をしたスライムというだけで魔物娘ではないので、くすぐりは効かない。
スライム・レディは自身の周囲に水溜まりのようなスライムを4体召喚する。
「あれは?」
「スライミーハンド。足元に近づいて来て、手が何本も生えてきて掴んでくすぐってくるよ」
「背が低いから攻撃を当てにくそうね……」
4人はいつも通りの陣形に展開する。
「スライムだから物理耐性高いし、めんどくさそう」
ニナは鎌を構えつつ術の発動準備をする。
「スライムなら雷かなぁ。バラける前にいくらか削っておかないと」
ユカはそう言って縮地を使い、敵がまだ一ヵ所にかたまっている内に纏めて倒そうとする。
【忍術:雷遁・天雷】
ユカが術を発動すると、大きな音と共に雷が落ち、レディとハンドに大きなダメージを与える。
「よっし追撃」
【死神技法:滅却の焔】
そのまま縮地で離脱するユカと入れ替わるようにニナが敵に突っ込み、蒼い炎でボス達を攻撃する。
「全員残ったか。まぁ、倒しちゃっても再召喚されるし、適度に減らした状態で残しておくのが良いかな」
残ったスライミーハンドは4体全員バラバラに動き、4人の死角へ回ろうとする。
「あれはめんどくさそうね。スライムのくせに動きだ早いし」
「ちゃっちゃとボス本体を倒しちゃお」
ニナがそう言ってレディに突っ込んでいく。
【死神技法:贖罪の火】
ニナが術を放ち、レディにダメージを与える。
「追撃するよ」
【忍術:雷遁・稲妻】
そのままニナは後ろに飛び退き、ユカが縮地で入れ替わるようにレディに突っ込んで忍術を叩き込む。
「あ、ニナっち、足元……」
「ひゃんっ!」
それとほぼ同時にユカの後ろからミコの遅すぎる忠告とニナの声が響く。
何となく何が起こったかを察してはいたが、一応確認のため後ろを振り返ってみると、予想通りニナがスライミーハンドに足首を掴まれて仰向けに転んでいた。そしてそのまま羽交い絞めのように拘束されている。
(……あの目は放って置いて欲しい時の目だ)
後ろを振り返ったユカと地面に倒れて拘束されているニナの目が合い、ユカはニナがそのままにして欲しそうだなと判断し、放置してレディに集中する。
「うわぁ、いっぱい手が生えてきたぁ」
ニナはどこか期待した目で自身の周囲に生えてきたスライムの手を見ている。そしてスライミーハンドはニナの期待に応えるように、ニナの体をくすぐり始める。
「んぅっ!くっふふふふ!やっ……!いきなりぃっ……!はげしっ!あはっ!」
4つの腕がニナの両脇を20の指でかき回すようにくすぐる。
「んぃっひひひひひ!ひゃはっ!ひゃぁぁっははははははははは!やっ!あはっ!はぁっ!はっ!んふふふふっ!」
ニナの体の横に生えた2つの腕はあばらの辺りをカリカリとくすぐり。
「くひゅっふふふふふふふ!あはっ!あぁっはははははははは!あはっ!はぁっ!んんっ!ふふっ!」
2つの腕がニナの脇腹を掴み、揉むようにくすぐり。
「ふぁっははははははは!ははっ!はぁっ!はぁっ!はぁぁっはははははははは!」
2つの腕が他の腕よりも長く伸びておへその周りを10本の指を蠢かしてくすぐる。
「あはっ!はぁっ!あぁっははははははははは!はっ!はぁっ!やぁ~~~っははははははははは!」
4つの腕がニナの太ももをガッチリと掴み、そのまま指を蠢かして撫でるようなくすぐったさを与える。
「はひっ!はぁっ!あぁっはははははははは!ははっ!やぁぁっ!っははははははははは!」
足元に生えた2つの腕がニナの靴と靴下を脱がし、そのまま露になった素足を容赦なくくすぐる。
「んやぁぁっははははははははははは!あはっ!はっ!はぁっ!やっ!あぁっはっはっははははははははは!」
ニナはそのままユカがレディと他のスライミーハンドを倒すまで続き、HPを半分程まで減らした。
ニナが回復するまで5分程休憩し、4人は16階へと進む。