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92話

 ニナとユカが暇潰しで始めたスゴロクパーティーゲーム。その14ターン目。

 NPCのマナがサイコロを振って4を出し、青マスに止まって50Pを獲得する。

 NPCのルリにターンが回り、サイコロを振って1を出してニナと同じイベントマスに止まる。


【人違いで女性拷問官からくすぐり拷問を受ける。次のターンまでくすぐられる】


 メッセージウィンドウが表示されると同時に、ルリは十字の拘束台に両手首を拘束される。そして周囲にショートカットの髪に眼鏡をかけた女性拷問官が2人現れ、早速とばかりにルリの体を両手でくすぐり始める。


「んんっ……!くっ……!ふふっ……!やっ……!あはっ……!はぁっ!んっふふふ……!」


 拷問官の手は無防備な腋と両手で集中的にくすぐる。


「んくっ!っふふふふふ!あはっ……!はぁっ……!はぁぁっ……!あはっ!やっ!あっはははは!」


 最初は何とか笑いを堪えていたルリだが、片側10本、両方を合わせて計20本の指による集中攻撃に耐え切れなくなり、次第に笑い声が漏れてくる。


「やっ……!あはっ!むっ……!りぃっひひひひひ!ひゃぁっ!っはははははははは!」


 そして遂に耐え切れなくなり、大きな笑い声を上げる。


「あはっ!はぁぁっ!あぁっははははははははははは!やっ!くすぐったぃっ!っひひひひひひひ!ひゃぁっはははははははは!」


 ルリはくすぐったさから逃れようと体をくねらせるが、拷問官の指は吸い付くように腋から一時も離れない。


「やぁぁっはははははははは!あはっ!あぁ~~っははははははは!はぁっ!はぁっ!はぁぁっはははははははは!」


 くすぐったさを表すように、十字の拘束台とルリの両手を繋ぐ拘束具が激しい金属音を鳴らす。


「あぁーーっははははははははは!はぁっ!やぁっ!はぁっははははははは!やめぇっへへへへへへへ!」


 拷問官は不敵に笑いながら、ルリの体をくすぐる指の動きを緩めない。


「んやぁっははははははははは!はひっ!ひっ!ふっ!はぁっ!ふゃぁっはははははははははは!」


 緩めないどころか、指の動きを不規則に変化させてくすぐったさに慣らさせない。


「あぁぁーーっははははははははは!あはっ!はぁっ!はぁぁっはははははは!もっ!やぁっははははははは!」


 程々のところでニナにターンが回る。


「ふぁぁっはははははははは!あはっ!はぁっ!あはっ……!はぁっ……」


 前のターンのイベントマスの効果によるくすぐりから解放されたニナは、30秒ほどかけて息を整える。


「はぁっ……、ルリちゃんもくすぐりイベント引いたんだ。あれは中々羨ましいなぁ……。あっちのゲームだと眼鏡っ子って少ないんだよねぇ。眼鏡かけてる魔物娘がほぼいないから……」


 そんなことを言いながらサイコロを振って1を出し、青マスに止まって50Pを獲得する。


「うーん、しょっぼぃ!出目も!マスも!」


 ハイテンションで叫ぶ。

 続いてユカにターンが回り、サイコロを振って4を出してギフトマスに止まる。そしてサイコロを2個振れるアイテムを手に入れる。


「次でラストターンなのに、今更これを貰ってもなぁ……」


【14ターン目終了:マナ750P/ルリ1650P/ニナ1100P/ユカ1050P】


「これでラストターンだね」


 NPCのマナがサイコロを振って3を出し、アスレチックマスに止まる。


「ぁー、また簡単なステージだなぁ……。これはクリアされるかぁ」


 ニナの予想通り、マナはアスレチックをクリアして500Pを獲得する。これでマナのポイントは1250P。


「ルリちゃんの1位はほぼ確定として、私とユカちゃんの最下位争いかなぁ」


 暫定1位のルリにターンが回る。


「あぁぁっはははははははは!はぁぁっ!はぁっ!はぁっ……!はぁぁっ……」


 拷問官からのくすぐりから解放され、すこし時間を使い息を整える。そしてサイコロを振って1を出し、青マスに止まって50Pを獲得する。


「あれは1位確定だね。私達はどうやってもこっから1位は奪えないし」


 ニナがサイコロを振って6を出し、宝箱マスに止まる。


「ま、トラップ引いてもユカちゃんのターン終わったら解放されるし、ポイントが一番だけど何でもいいや」


 ニナは宝箱を空けて100Pを獲得する。


「他に使い道ないし、このアイテム使ってみますか」


 ユカは前のターンで手に入れたサイコロを2個振れるアイテムを使う。

 そして出た目は1と1。


「……なんで?」


「ユカちゃん、逆に運いいよ、それ」


 2マス進んだ先は赤マス。50Pを失い、ゲームが終了する。

 4人はスタートマスに強制転移させられ、中空に結果が表示される。


【全ターン終了:マナ1250P/ルリ1700P/ニナ1200P/ユカ1000P】


「最初勝ってたのになぁ……」


「まぁ、スゴロクってそんなもんだよ」


 1位のルリが目の前に表示されているウィンドウを操作している。


「あれは、何をしているの?」


「ユカちゃんをどうやってくすぐるか決めてるんだよ」


「……え?」


「1位は、最下位のプレイヤーを好みの状態で10分くすぐることができるの。今は、どんな部屋でどんな拘束をして何人がかりでくすぐるかを決めてるの」


 ニナがそこまで説明し終えるとほぼ同時に、ユカとルリが別の部屋へ転移させられる。


「マナちゃん残ってるから、1対1になったかな。……私は一足先に落ちよっかな。そろそろご飯の時間だし」


 ニナはそう言ってログアウトしていった。

 その頃のユカ。小さな部屋に置いてあるふかふかのベッドにゴム製の拘束具で仰向けに大の字で拘束されていた。

 そしてユカの腰の上にルリが馬乗りになって乗っている。


「……こうなるのね」


 ユカは試しに腕を動かしてみたが、少し動かせる程度で腋を閉じることはできない。

 そしてルリは傍に置いてある羽箒を右手に取り、ユカの首筋を優しく撫でる。


「んぅっ……!くっ……!んっふふ!はぁっ……!ふひっ……!」


 そして空いてる左手でユカの脇腹を指で突っつくようにくすぐる。


「ふひゃぃっ!んっくふふふふ!やっ……!あはっ!はぁっ……!はひっ……!」


 間隔をあけて反応を楽しむようにくすぐるルリ。


「んんっ……!ふぅっ……!あはっ!はぁっ……!やぁっ!はぁぁっ……!」


 それを1分ほど続けた後、ルリは羽箒を置いて両手で脇腹を突っつき始める。


「あっ!んっ!くひゅっ!ふゅっ!ふひっ!やっ!あはっ!はっ!はぁっ!」


 笑顔を浮かべながらそれを1分ほど続けると、ルリは一度くすぐる手を止める。


「はぁっ……、はぁっ……、はぁっ……」


 ユカが息を整えつつルリの方を見上げると、ルリは見せつけるように両手をワキワキと蠢かせている。

 そしてユカに覆い被さるように抱き付き、両手で両腋を思いっきりくすぐり始める。


「んやぁっ!あっはははははははははは!やっ!くすぐったぃっ!っひひひ!ひゃぁっはははははははは!」


 強いくすぐったさに耐えることも出来ず、笑い悶えるユカ。


「やぁぁぁっははははははははは!あはっ!はぁっ!あぁっははははははは!」


 ルリはくすぐる手を緩めず、耳元に顔を近付けて、「こちょこちょこちょこちょ~」と囁く。


「やぁぁっ!んっふふふふ!ふゃぁっはははははははは!あはっ!あっ!はぁっ!はっ!はぁっははははははははは!」


 囁きながらくすぐり続け、時折息を吹きかけて。腋を襲うくすぐったさとは違うくすぐったさを与える。


「あっ!あはっ!はぁっ!んっ!んぁっはははははははははは!はっ!あははっ!」


 ユカはそのまま10分が経過するまでくすぐられ続け、解放された後はそのまま夕食の為にログアウトしていった。

スゴロク編終わりッ!


次話から本編戻ります。

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