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87話

みじかいです

 ニナとユカが暇潰しで始めたスゴロクパーティーゲーム。その7ターン目。


「あぁ~~っははははははは!はぁぁっ!はぁっ……!はぁっ……」


 ロボットにくすぐられていたマナが解放される。そして少し息を整えた後にサイコロを振って5を出してギフトマスに止まる。

 ギフトマスで一回だけサイコロを2個振れるアイテムを入手してマナのターンが終わる。


「ふひひっ!ひゃぁっはははははははは!はぁっ……!はぁぁっ……!はひっ……!」


 ルリのターンになり、ルリを襲っていた毒のくすぐったさから解放される。そしてアイテム「呪いの耳当て」を手に入れる。


「ふひゃっ……!はっ……やぁっ……!んっ……!ふふっ……!」


 ルリの頭に耳当てが付けられ、途端にルリはくすぐったそうにする。


「あれは、どういうアイテム……。ニナもくすぐられていたわね……」


 ニナはくすぐられていてユカの疑問に答えられない。

 ルリはくすぐったそうにしながらもサイコロを振り3を出してアスレチックマスに止まる。

 ルリが転送されたアスレチックステージは、目の前に谷があり、反対側まで幅2メートルほどの柵の無い橋が架かっている。そして谷底には大量の触手が蠢いている。


「随分と幅があるけど、これって落ちるの?」


 ユカの疑問はすぐに解消される事になる。ルリが橋を渡り始めると、すぐに転びそうになる。よく見ると、地面が何らかの液体で濡れておりテカテカしている。おそらく、滑りやすい油の類だろう。

 ルリの背後からは非常にゆっくりと、水色の丸い塊が迫って来ている。それが何なのかは分からないが、追いつかれるとどうなるかは試してみなくても分かるだろう。


「んんぅっ……!んっふふ!ふっ……!ひっ……!すべるぅっ……!くすぐったいっ……!」


 滑る床と耳を襲うくすぐったさに翻弄されつつも、ゆっくりとゴールまで進んでいくルリ。半分ほどまで進むと、幅が一気に半分以下まで狭くなり難易度が上がる。


「もうちょっと、もうちょっとぉっ……!」


 4分の3まで進んだところで、謎の原理で宙に浮く筆がルリの首筋を優しく撫でるようにくすぐるが、なんとか耐え切って渡り切る。そして750Pを入手する。


「あはっ!はぁっ!はぁっ……!はぁっ……!わ、私のターンか……」


 ニナのターンになり、マジックハンドのくすぐりから解放される。


「ルリちゃん、呪いのアイテム引いたんだ。耳当てなら当たりだね」


「あのアイテムは何?」


「呪いシリーズっていう強力なアイテムの一つ。ずっと耳を筆とか梵天でくすぐられる感触に襲われるけど、得られるポイントが1.5倍になる」


 解説もほどほどにサイコロを振るニナ。4を出してバトルマスに止まる。そのまま難易度を決めるサイコロを振って6を出す。


「高いの引いたなぁ……」


 ニナはそのまま戦闘エリアに転送される。

 転送されたニナの向かいには5メートル程の大きさの人型のごついロボットが立っていた。右手は手の部分がガトリングガンになっており、左手は手首から先が無く、断面からコードが出て触手の様に蠢いている。


「こいつは勝てる気しないなぁ」


 ニナはスタンブレードを構えて突撃する。それと同時にロボットのガトリングから水色の弾を連射する。


「やっばぁっ!」


 ニナはいつもの癖で横に大きく跳んで避けようとするが、ここは別のゲームなので少ししか跳べず、一発が脇腹に掠ってしまう。


「動きが違うと感覚狂うなぁ……ふひゃぃっ!」


 ガトリングから発射された水色の弾は小さなスライムで、ニナの脇腹に引っ付いたスライムはプルプルと振動してくすぐったい刺激を与える。


「攻撃しなきゃっ……。だけどさぁ……。無理でしょ、こいつ……」


 ロボット本体の周囲は左手のコードが守るように漂っており、無暗に攻撃すれば絡め捕られて敗北するのが目に見えている。かといって攻めあぐねていれば、回避の難しいガトリングのスライム連射で次第に追い詰められていく難敵である。


「いや、これは無理だわ」


 連射されるスライム弾の回避に集中していたが、ついにお腹に直撃を一発貰う。


「ふひゃっ!あっ……!あはっ……!くすぐったぃっ……!やぁんっ!ぁっはは!」


 腹部全体を襲うくすぐったさに動けずにいるニナに、トドメとばかりにスライム弾を連射され、全身スライムまみれになる。


「あぁっはははははははははは!はぁっ!はぁっ!はぁぁっははははははは!やぁぁっ!あはっ!はっ!あっはははは!」


 スライム弾は普通のスライムと違い、ただ振動するだけで服の中に潜り込んだり流動したりはしないが、それでも相当のくすぐったさを与える。


「あっははははははははは!きつっ!ぃっひひひ!ひゃぁっははははははは!」


 仰向けに倒れるニナ。ロボットは勝利を確信したか、それ以上スライム弾を打つことも無く、ただ立ちすくんでいる。


「ふひゅっひひひひひっ!ひゃぁっ!あっはははははははははは!はぁっ!はぁぁっ!はぁっははははははははは!」


 やがてニナの敗北が決定し、ユカにターンが回る。


「あれ勝てる相手なのかな。まぁいっか。それっ!」


 ユカがサイコロを振って3を出してアスレチックマスに止まる。

 ユカが転送されたステージは、これまでと同じように目の前に谷があり、谷底にはやはり触手が蠢いていた。

 そして向こう岸にあるゴールへ辿り着く手段は、合計5つある空中を漂う円形状の足場をジャンプで渡っていくだけである。そしてユカの背後からは6つの手がふよふよと漂い、ゆっくりと迫って来る。


「足を踏み外しそうで怖いなぁ……。縮地が使えたら楽なのに」


 そんなことを呟きながらもジャンプして足場に跳び乗っていくユカ。

 ただ普段から忍者で機敏な動きをしているからか、危なげも無く足場から足場へと跳んで行く。最後の足場は油で濡れており滑りやすくなっていたが、これも平気で乗り越えて反対岸のゴールまで辿り着く。

 そして無事500Pを入手する。


「……あんまりくすぐられてないなぁ。私」


【7ターン目終了:マナ250P/ルリ1200P/ニナ950P/ユカ1100P】

昨日までワクチン3回目の副反応でダウンしていました。

バ〇ァリンは偉大でした。

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