86話
みじかいです
ニナとユカが暇潰しで始めたスゴロクパーティーゲーム。その6ターン目。
「あっはははははははは!はぁっ……!はぁっ……、あはっ……!はぁっ……!」
6人の女の子達にくすぐられていたNPCのマナのターンになり、くすぐりから解放される。
10秒ほど息を整えた後にサイコロを振って3を出し剣と盾が描かれたバトルマスに辿り着く。そして難易度を決めるサイコロを振って3を出す。
「3かぁ……半々ってところかなぁ」
ニナが呟く。
「難易度6の時も半々って言ってなかった?3も6も大差無いの?」
「いや、NPCの個性に『くすぐったがり』っていうのを追加しててね。これがあると、くすぐられた次のターンは余韻で弱体化するのよ。それでも設定最強だから、3でも半々って感じかな」
「やってることが変態っぽいわよ」
「自覚はある」
そんな会話を交わしている間に、マナは戦闘エリアに転送されて向かい側に敵が出現する。
現れた敵は、150センチほどの宙に浮いた円盤型のロボットで、側面から計6本のマジックハンドが伸びている。それが3体現れる。
「これで難易度3?6のスライムより強く見えるんだけど」
「ロボット系は3回ぐらい殴ればいいから、そこそこ?スライムは10回以上殴らないとダメだから、そんなもんじゃない」
マナとロボットの戦闘が始まり、マナは手足を掴もうとしてくるマジックハンドを避けて棒を叩きつける。だが、ニナの設定した個性の影響か、やや動きが鈍く見える。
「あ、捕まった。あれは無理だね」
ロボットを1体撃破したところで、右手を掴まれ、そのまま左手と両足も掴まれて拘束される。
「やっ……!離してっ……!ふひっ!んくぅっ!んっふふふふ!」
マジックハンドは身動きがとれなくなったマナの体に殺到し、容赦なくくすぐり始める。
「んっふふひひ!あはっ!やめてぇっ……!あっははははははは!はぁっ!はぁっ!はひゃぁっ!っははははははは!」
ガラ空きになった両腋に、服の袖から侵入した4つのマジックハンドが20本の指を蠢かして激しいくすぐったさを与える。
「あっははははははは!はぁっ!やめぇっへへへへへへへ!あはっ!はぁっははははは!」
あばらから脇腹までを2つのマジックハンドが掴んで揉んだり、指を蠢かしたりして服の上からくすぐる。腋ほどでは無いが、強いくすぐったさを与える。
「あぁっ!あはっ!くすぐったぃっ!んぅっふふふふ!あはっ!はっ!はっ!はぁっ!はぁぁっ!あぁ~~っははははははは!」
残る2つは草履を脱がし、右足の裏は土踏まずを指を立てて集中攻撃して、左足の裏は指の付け根やその下らへんを指の腹で優しく撫で回す。
「あはははははははぁっ!あっ!あはっ!はぁっ!やめてぇっ!んふっ!んふぅっ!あしはぁっ!だめぇっへへへへへへへへ!はぁっ!ぁっはははははははは!」
ニナはマナの最もくすぐったく感じる弱点を足の裏に設定してあるため、最も激しく動こうとしている。
因みにルリの弱点はお腹と脇腹だったりする。
「あぁ~~っ!あはっ!あぁっはははははははははは!やめっ!やめてぇっへへへへへへ!はぁっ!はっ!はぁっ!あはっ!はっ!あぁっはははははははは!」
マナがくすぐられ始めたあたりでNPCのルリのターンになり、ルリは盗賊たちのくすぐりから解放される。
「あはぁっ……、はぁっ……、はぁぁっ……」
10秒ほどかけて息を整えた後、サイコロを振り5を出してイベントマスに辿り着く。
ルリは目の前に出てきたルーレットを速攻で止める。
【任務で異星生物と戦闘になり倒すことはできたが、くすぐり毒を受けてしまう。次のターンまでくすぐったさを感じるが、アイテムを手に入れる】
「んぅっ……!?んふっ!んふぅっ!くすぐっ!たぁっははははははははは!」
そんなことが書かれた画面が現れた瞬間、ルリは全身を襲うくすぐったさに悶え始める。
「良いの引いたねぇ。アイテム貰えるからまぁまぁかな」
「このゲーム、あっちと違っていきなり激しくするの多くない?」
「まぁ、その分1ターンにかかる時間が少ないから」
2人がそんな雑談を交わしている間も、ルリは全身を襲うくすぐったさに大きな笑い声を出す。
「はぁっ!はぁぁっ!あはっ!あぁっはははははははははは!くすぐったぃぃっ!やぁっ!あっ!はぁっ!はっ!あっははははははは!」
毒によるくすぐったさは防ぐことも逃れることもできず、ただ笑い悶えるしかない。
「やぁぁっはははははははは!やらっ!あはっ!はっ!はぁっ!あっはははははははははは!」
「毒って、どんな感じのくすぐったさなの?」
「例えるなら、何百匹ものナメクジに全身を這い回られているようなくすぐったさ。正直結構きつい」
「あぁ~~っははははははは!はぁっ!はぁっ!はぁぁっ!あはっ!やっ!あぁっははははははははは!」
ついに地面に倒れ込み、それでも体を捩らせて悶える姿は強いくすぐったさを物語っている。
「やぁっ!あはっ!やぁっはははははははははは!はぁっ!はっ!はぁっ!あぁっはははははははははは!」
「私の番か、それぇっと」
ニナがサイコロを振って2を出して宝箱マスに止まる。
「空けないという選択肢があるだろうか。いや、ない」
ニナは迷うこと無く宝箱を空ける。
【宝箱の中身はあったが、トラップが仕掛けられていた。次のターンまでくすぐられる】
画面が表示された瞬間、宝箱の中から4つのマジックハンドが現れ、ニナに襲い掛かる。
「トラップ引いたかー。まぁポイント貰えるし、アリかな」
ニナは抵抗せず、マジックハンドに身を委ねる。2つのマジックハンドがニナの腋を10の指でくすぐり始める。
「んぅっ!んふっ!ふふっ……!んっふふふふふ!くすぐったいけど……。まだよわぃっひひひひひ!」
ニナは反射的に腋を閉じるが、マジックハンドの指はお構いなしに蠢いている。残った2つのマジックハンドはお腹、あばら、脇腹を中心に指を蠢かしたり、揉んだり、撫で回したりしてくすぐる。
「んひゅぅっふふふふふふふ!ふひゃっ!はぁっ!あはっ!はぁぁ~~~っははははははは!」
ニナは段々と強くなってくるくすぐったさに、地面に仰向けで倒れる。
「あっははははははははは!はぁっ!はぁっ!はぁっはははははははは!あはっ!はぁぁっ!」
「そこら中から笑い声が聞こえてくるわね……」
ユカは自分以外の3人がくすぐられている現状に苦笑いを浮かべながら、サイコロを振って3を出して青マスに止まる。
「これはこれで寂しいわね……」
【6ターン目終了:マナ250P/ルリ450P/ニナ950P/ユカ600P】
 




