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番外編 ネア2

 最上級ダンジョンの一つ、『ティクリス研究所跡』

 強力な機械系やキメラ系が数多く徘徊し、最下層には巨大な機械で出来た、腕が6本あり背中から大量のマジックハンドが獲物を求めてウネウネと動いている人型のレイドボスが出現する。この場に、アイリスの団長、幹部4人、その他にも十分に通用する実力を持った者が12人。計17人がレイドボスを相手に戦っていた。


「もうちょっとなのに……しぶとい奴なの」


【技師技能:次元倉庫】


 機械技師の技能の一つ、次元倉庫。要するに様々な物質を一瞬で取り出すアイテムボックスである。機械技師は基本的に生み出したアイテムや兵器をアイテムボックスに入れる事が出来ない。その為この次元倉庫は機械技師の必須スキルの一つとして有名であった。

 ネアの次元倉庫から呼び出された、3メートルはある巨大な大砲からレーザービームが発射され、ボスの腕の一本を破壊する。


「追撃、行きます」


【陰陽術:水龍斬】


 エルザが錫杖を構え術を発動すると、錫杖に水が集まり大きな刀の様に形作られていく。エルザはその勢いのまま、複数のマジックハンドごと腕を一本切り落とす。


『遥かな空を彩る光よ、私に力を与え給え。天より注げ、全てを破壊する極光よ』

「これでトドメ!魔法少女の一撃、受けてみよー!」


【魔術:崩壊の極光】


 イリーナのへんてこな決めセリフとは裏腹に、高い破壊力を秘めたオーロラが降り注ぎ、その一撃を受けてボスは完全に停止する。

 そして全員の目の前に画面が現れドロップアイテムが表示される。


「終わったねー。お疲れ様ー」


 リリィがそう締め括り、全員が一気に脱力する。


「どう、ネアちゃん。お目当ての物は出たかな?」


 イリーナがそう言いながらネアに近寄っていく。ネアはグッドサインで答える。


「ばっちりなの。これでDEMが作れる筈なの」


 ネアは数週間前、この研究所でいつものように機械を作る為の素材を集めていると、隠し扉を発見。その先の研究室にあった研究書を漁っているとDEMという存在の作り方が書かれていた。更にこの場にあった本やレポートや研究書を詳しく調べていくと、DEMとはアンドロイドの様な存在で、極めて高い戦闘能力と人間と殆ど変わらない知能と感情をもっている事が判明した。

 機械技師の技能でアンドロイドを生み出す事は可能であったが、感情は無く戦闘能力もあまり高くなかった。その為、ネアはこの存在を作りたいという強い衝動に駆られるが、その材料に問題があった。

 要求される素材は、『エーテルライト結晶』『高伝動ケーブル』『機械母体のコア』『ミスリル装甲板』『高性能CPU』『永久機関動力体』『魔導ゴム』『魔導シリコン』『高反応センサー』『人工皮膚』と数が多く、その殆どが上位の敵やボスのドロップ品である。

 ネアは今回のドロップ品によって、全ての材料を揃える事が出来た。ワープクリスタルを使い、急ぎ足でギルドハウスの研究室に向かったネアは、早速の様に作成を始める。

 生産スキルを駆使し、作り続ける事2時間。遂にネアはDEMを完成させる。


「これがDEM……外見はアンドロイドと違って人とさほど変わらないの」


 ネアは目の前の椅子に座っている銀髪の少女を見つめながら第一印象を口にする。

 髪型はセミロングで紫色のボディスーツを身に着けた少女は一見するとただの少女であり、人工で作られた存在とは思えない。


「しかも触った瞬間、アンドロイドと違うってわかります」


 リオは少女をプニプニ触りながら観察していく。

 リオの言う通り、アンドロイドは人工皮膚が使われてない為、肌が固いのである。


「さて、完成したら説明画面が出てきたの」


 ネアは出てきた画面を食い入るように見て、DEMがどういうものかを頭に叩き込む。

 まずDEMはアンドロイドと違い、初期の戦闘能力はかなり低い。アンドロイドは決められた一定の戦闘能力を持っており、良くも悪くも完成後は変わる事がない。一方DEMは戦闘を繰り返す事によって経験値を戦闘データとして蓄積していき、データを消費する事によってステータスを上昇させたりスキルを習得する事が可能である。

 また、DEMは普通のプレイヤーの様に装備を身に着ける事が可能であるため、育てていけばかなり強力な戦力になる事が伺える。

 全て読み終えて画面を消したあたりでDEMが目を覚ます。


「おはよー!ますたー!」


 目覚めて早速、元気良く挨拶するDEM。


「なんか、思ったキャラと違うの」


 無感情みたいなキャラを想像してたネアは少し呆気にとられる。


「まぁいいの。貴女の名前は『クレア』なの」


「意外と普通の名前つけるんですね。てっきりアンドロイドっぽい名前付けると思ってました」


「わかりました、ますたー」


 アンドロイドっぽい名前って何だと思いながらも突っ込まない事にしたネア。そして早速のようにクレアの脇腹を触り始める。


「ひゃんっ!ま、ますたー……くすぐったいよぉ……」


 高反応センサーが使われているからか、結構敏感の様である。


「感度良好なの」


 笑みを浮かべながらクレアの脇腹を撫で回す姿は、何も知らない人が見たら通報されそうな場面である。

 すると背中に背負っていたバッグから大量のマジックハンドが出現する。


「あ、あのー、ますたー?」


 クレアが戸惑っている間にマジックハンドは四肢を掴んで拘束してくる。


「実験開始、なの」


 ネアの一言と同時にマジックハンドが一斉にクレアの体に群がり始める。


「あひゃっ!?や、やめひぇぇぇぇぇええええええ!!」


 何も抵抗できずくすぐられるクレア。


「普通にくすぐったいと感じるの。というか結構敏感なの」


 脇腹を撫で回すような動きから揉むような動きに変えながらクレアの反応を確かめるネア。尚、リオはクレアが拘束されたあたりで団長にくすぐられに行っていた。


「あっははははははははははは!っはははははははははは!!やっやめへへへへへへへへ!!」


「NPCと殆ど変わらない反応なの」


「くすぐったいからぁぁぁぁぁぁぁああっははははははははは!!……はぁっはぁっ」


 突如動きを止めるマジックハンドとネア。休めると思った瞬間、全ての指が突っつくような動きに変わる。


「ひゃぁんっ!やめっ、ひんっ!ふひひっ!ひはっ!くひっ!」


 脇、脇腹、背中、太もも、体中のあらゆる場所を突っつかれるクレア。一斉に突っついたり連続して突っついたり、動きを時折変えて反応を楽しむネア。


「ひひっ!ひゃんっ!やめへっ!やんっ!やめてっ!きゃんっ!」


「じゃあこれで最後にするの」


 そう言うと全てのマジックハンドが指をくねらせ、更に指先に仕込まれた振動機能が起動する。


「きゃっははっはははははっははははははは!!やっやめ、やめへへへへへへへへえええええええ!!」


 さっきよりも激しい反応を見せるクレア。


「それっ、くすぐったいですうううううう!あっははははははははははは!」


 その後5分程くすぐられた後、ようやく解放されたクレア。


「今日は取り敢えず、ボス戦で疲れたから休むの。明日から経験値稼ぎをするの」


「は、はひ……わかりました、ますたー……」


 かなりくすぐられ、疲弊しながらも返事をするクレア。ゲーム史上初のDEMがここに生まれた。

気付いたら二週間ぐらいたってました。

仕事が忙しくて時間が取れないのもありましたがアトリエDXボックスを購入して遊んでいたので更新がかなり遅れた上に短めですがご容赦ください。

トトミミ良いよね。

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