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84話

短いです


 ユカとニナが暇潰しに始めたパーティーゲーム。その3ターン目


「んっ……!くひっ……!はっ……!あはっ!はぁっ……!はっ……!」


 ユカはトラップ付きの宝箱を引いて次のターンまで2つの手にくすぐられている。

 NPCのマナがサイコロを振って4を出す。4マス先はVSの文字が描かれた赤いマスだった。


「ありゃ。あれは……」


 ニナは何処か期待した顔でその様子を見守っている。

 そのマスは任意で選んだ相手1人と簡単なミニゲームでポイントを掛けて対戦するマスになっている。そしてマナが選んだ相手は、一番ポイントを持っているユカ。尚、選ばれた場合は勿論拒否する事はできない。


「んんっ……!んふっ!ふふっ……!あはっ!はぁっ……!はぇ……?なにっ……?」


 ユカはくすぐられたままミニゲーム会場に転移される。


「ユカちゃーん?そのミニゲームで負けたらポイント取られるから頑張ってねー」


「んふぇっ……!?なにっ……?ふひっ!はぁっ!くすぐられたままやるのぉっ!?」


 ユカが困惑している内にゲームは進行する。2人が転移させられた場所は、祭りなどで見かける射的会場。そして2人の手に射的でよくみられるコルク銃が現れる。ここまでくれば何をすればいいのかは言わなくても分かるだろうと、ゲームスタートの文字が2人の前に現れる。


「あはっ!はぁぁっ!はぁっ……!このっ!」


 ユカはくすぐったさに耐えながら、何とか銃を構える。

 的は3段に分かれた回転する円形状の棚に乗っかっており、動物のぬいぐるみの形をしている。上の段ほどぬいぐるみが小さく段の回転速度も早いのでかなり狙いにくいが、その分ポイントが高い。制限時間以内に5発の弾を使いポイントが高い方が勝利となっている。


「んぅっふふふふ!やっ!狙いが……!はぁっ……!あはっ!」


 ユカの初弾は、下の段の大きなぬいぐるみの横を外れていった。


「いやぁっはははは!これ、むりでしょぉっ!ふひゃっ!んくぅっふふふふ!」


 ユカはくすぐられているせいで、まともに照準が合わない。

 更にユカをくすぐっている手も、ユカが銃を構えてガラ空きになっている腋を集中狙いして的確に妨害してくる。


「ふひっ……!はぁぁっ!やっ!あはっ!一旦、とまってぇっへへへへ!」


 続けて連射するが、5発中4発が外れ、ユカは惨敗して100ポイントをとられる。


「くすぐられている最中にVS挑まれたら、まぁ勝てないよねぇ。私だって無理」


「はぁっ!まだ、続くのっ……!あはっ!はぁっ!はぁっははははは!」


 ユカは元の場所に戻った後も当然の様にくすぐられている。

 何事も無かったように、NPCのルリがサイコロを振って3を出し、青マスに止まって50ポイントを受け取る。


「私のターンっと、それ!」


 ニナはサイコロを振って5を出し、赤色の何も描かれていないマスに止まる。


「げぇ……」


 そのマスは、止まったプレイヤーのポイントを50減らすマスで、ニナの数少ないポイントがさらに減る。


「ぶっちぎりで最下位じゃん、私……。まぁ、いっか。NPC最強設定にして勝てた方が珍しいし」


 そしてようやくユカのターンになり、くすぐりから解放される。


「はぁっ……!やけに、長く感じた1ターンだったわ……」


「ユカちゃーん。このゲーム、3分以上放置すると遅延行為に見做されて、1ターン休みにされたうえできつめにくすぐられるから気を付けてー」


「それ早く言いなさいよっ!」


 ユカは急いでサイコロを投げて5を出し、ルリと同じ青マスに止まる。


「止まるマスがさっきからしょぼいなぁ……」


【3ターン目終了:マナ200P/ルリ550P/ニナ50P/ユカ500P】


 4ターン目が始まり、マナがサイコロを振って2を出し、青マスに止まって50Pを取得する。


「思ったよりくすぐり少ないのね」


「まぁ、まだスタート地点付近だからね。スタート地点から遠い程、くすぐりが発生するマスの割合が増えていくよ。まぁ、NPC最強にすると滅多にくすぐられないけど」


 ルリが続けてサイコロを投げて5を出して宝箱マスに止まり、トラップも無く100Pを取得する


「……NPCがすごい順調ね」


「まー、設定最強だし。っと、私の番か」


 ニナがサイコロを振って、2を出し、棒人間がジャンプしているポーズが描かれた緑色のマスに着く。


「アスレチックマスかぁ、余裕あればわざと失敗するんだけど……。今最下位だからなぁ」


 ニナは別の場所へ転移される。


「ユカちゃーん。聞こえるー?あのマスは見ての通り、アスレチックをクリアすればポイントを沢山貰えるけど、失敗したらめっちゃくすぐられる」


「とても分かりやすい説明をどうも……」


 ユカは苦笑いで答える。

 ニナが転送された場所は、長方形の細長い部屋だった。ニナの目の前には崖になっており、100メートル先の反対岸まで幅20センチ程度の棒が橋代わりに架かっていた。そして崖下には数え切れない量の触手が獲物を待って蠢いていた。

 ここまでくれば、よほど鈍感でもない限りルールを理解できるだろう。


「この手のゲームでよくあるやつね」


 そこまで言い切った瞬間に、ニナの後ろからガコンッという音がする。ニナが後ろを振り向くと、後ろの壁から大量のマジックハンドが生えて壁自体がゆっくりと迫ってきている。


「この構図、ピラミッドで見たことあるなぁ」


 ニナは早足に棒の元まで行き、両手を左右に広げてバランスをとりつつ落ちない様に進んで行く。


「まぁ、何も無ければ楽勝よね。何も無ければ……」


 ニナが順調に進み、半分を進み切った瞬間に左右の壁からクジャクの羽が現れ、宙に浮かびながらニナに近づいてくる。


「まぁ、そうなるよねぇ。お決まりの展開だもん」


 そして羽はニナの首や太ももなど、肌の露出している部分を狙って優しくくすぐり始める。


「ふにゅっ……!ひっ……!んふっ……!やっ、これ、実際にやられると、思ったよりきついぃっ……!」


 今のニナは僅かなくすぐったさでも危険であり、その状況がよりくすぐったさを増幅させている。


「やっ……!ばっ……!あしっ……、止まっちゃってる……」


 ふと後ろを見ると、迫って来ている壁との距離が縮まっていた。


「焦るとぉ……っ!おちそっ……!んひぃっ……!はっ……!あはっ!はぁ~~っ……!」


 普段日常のようにくすぐられに行っているからか、くすぐられながらもバランスはあまり崩さず進み続けられている。


「はぁっ!あはっ!はひぃっ……!渡り切ったぁ……」


 最下位は避けたいという意地でニナは反対側まで渡り切り、500Pを取得する。


「さて、次は私の番ね」


 ニナが元の場所に戻り、ユカがサイコロを投げる。

 出た目は4で、ニナがさっきまでいた赤マスに止まり50P減らされる。


「……また減った」


【4ターン目終了:マナ250P/ルリ650P/ニナ550P/ユカ450P】

軽い気持ちで書き始めたら、自分でも書いててこんがらがりそうになっているので図を描きながら書いています。なのでめっちゃ書くのが遅くなっています。


来週は多分上がらないと思います。

再来週にはなんとか・・・

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