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79話

短め


 ニナが「絆の屋敷」で敗北を喫した翌日。数日振りに揃った4人で、海底洞窟へリベンジに行く。


「これが水中戦用の銃……。銃って使ったこと無いのだけど、大丈夫?」


 モモはニナから渡された、ミコと同じ水中戦用の銃を手にやや不安そうに呟く。


「銃弾に関しては、そこまで緻密に作られて無くて真っ直ぐ飛ぶから、ちゃんと狙えば当たる筈だよ」


 ニナは楽観的に答える。


「そう言えば、ニナは昨日絆の屋敷に行ってきたのよね?どうだった?」


「ノーマルのボスがめっちゃ強くて負けたけど、今朝SNSでお知らせが出てた。今ノーマルとハードのボスが入れ替わってるって。今度の定期メンテナンスで修正されるらしいよ」


 移動中、雑談を交わす一行。


「パートナーと言えば、ゆかちー、サンタ娘全く使ってないよね」


「あぁ、そのこと……。あの子の能力が私の戦い方と相性があまりよく無いのよね……」


 雑談を交わしている内に海底洞窟まで辿り着く。


「今日こそローレライまで到達したいなー。この調子だと多分勝てないけど」


「勝てないのに行きたいの?」


「可愛い人魚にくすぐられるなら最高じゃない?」


「ニナはブレないね……」


「ユカさん以外の女は可愛いと思わないわ」


「聞いてないし、ももっちもブレないね」


 何度か挑んだこともあり、道中は大分安定してきた4人は、そのまま前回敗北したジェネラルマーメイドの元まで辿り着く。


「前回はお喋りしてたから魚が散ってしまったのが敗因だから、今回は再召喚される度にすぐ叩き潰すわ」


「取り敢えず遮蔽作るねー」


【豊穣:プラントウォール】


 ミコが前回と同じ様に植物の壁を作り出す。

 それとほぼ同時にジェネラルマーメイドが取り巻きを召喚し、ユカが縮地で急接近する。


【忍術:雷遁・轟雷】


 そして雷の忍術を叩き込み、全てを一撃で倒してすぐに縮地で離脱する。


【笛術:安らぎの新緑】


 そしてモモが一番後ろで壁に隠れながら曲を奏で始める。その効果は、状態異常への耐性付与と強化。これで万が一毒の攻撃を食らってしまったとしても、毒にならない可能性が生まれる。


「入れ替わりで行くよー!」


【死神技法:冥府の炎】


 ユカと入れ替わるようにニナがジェネラルマーメイドに接近し、高威力の術を直撃させ、そのまま後ろへ下がる。


【魔術:アクアゲージ】


 ジェネラルマーメイドは最も近いニナに水の拘束魔法を放つが、届く前にモモの魔人が防ぐ。

 ユカがボスごと取り巻きを全て一撃で倒し、ニナがボスに大ダメージを与え、ミコとモモがサポートする。およそ30分間、これを続け、ジェネラルマーメイドをノーダメージで撃破する。


「この調子で行ってみよー」


 4人は少し休憩を挟んでから先へと進む。

 一度水中に入り、途中襲って来たタコ型の魔物を4人で難なく倒し、再び陸上に上がる。


「この銃いいね、結構戦える」


 ミコが銃を眺めながら呟く。


「作ってくれたネアさんに感謝ねー。後買って来た私にも」


「感謝してるよー」


 ミコが銃を上に掲げながら先頭を歩いていると、唐突に3人の視界から消える。そして何か大きなものが水に落ちた音がする。


「あ、落とし穴に落ちた」


 ニナがミコの居た場所を見つめて、ミコが消えた原因を言い当てる。


「ちゃんと前みないから……」


 ユカがミコの落ちた穴を覗き込むと、そこは水が溜まっており、中にいる巨大なイソギンチャクがミコの体をしっかりと捕まえて、たくさんの触手で体をくすぐり始めていた。


「いやぁぁっははははははははは!なにっ!?なにぃぃっひひひひひひひ!」


 大量の触手は最初から強く早く、ミコの体をくすぐる。


「ひぁぁっはははははははは!あはっ!あぁっははははははははは!たすけてぇっ!っへへへへへへへ!」


 ミコは穴の上から様子を伺っている3人に助けを求める。


「実際、どうしようか。ここからイソギンチャクを倒そうとしたら、確実にミコを巻き込むし」


「はぁっはははははははは!やっ!やぁっはははははははははは!きつぃっ!っひひ!あはっ!ひぁっははははははははは!」


 太い触手がミコの四肢に巻き付き、身動きできなくさせた上で両脇を無防備にする。


「私とユカちゃんなら触手だけ切るのは出来そうだけど、引き上げるのは無理だよね」


「ふひひひひひひぃっ!あはっ!はっ!はぁ!やっ!やぁっはははははははははは!」


 細い触手は耳や首筋、腋や足の裏に、服の中に潜り込んで素肌を直接くすぐる。一本一本は細く刺激も弱いが、数十と集れば強いくすぐったさを生む。


「拘束用の鎖ならあるけど、これで引き上げられる自信は無いわね」


「はやっ!やっ!あはっ!あっ!はぁ~~っははははははは!やはっ!はぁっははははははははは!」


 太い触手は脇腹や太ももに巻き付き、ぐにぐにと揉む様な動きをして違ったくすぐったさを与える。


「モモさんの魔人で引き上げる事って、出来る?」


「んひぃっひひひひひひ!ひゃはっ!ひゃぁっははははははははははは!はぁ!はぁっ!」


 触手が動き、這い回る度にミコの体がくすぐったさで跳ね上がる。


「試したことがないから分からないわ。でも、結構力持ちだし、出来るかもしれないわね」


「はぁっはははははははは!なんでもっ!いいからぁっははははははははははは!はやっ!はやくぅっふふふふふふふ!」


 話が纏ったところで3人が動き出す。

 ユカが手裏剣を取り出して、ミコを拘束する触手を切り裂き、その瞬間にモモの呼び出した魔人がミコを少し乱暴に引き上げる。


【忍術:雷遁・稲妻】


 そしてユカがイソギンチャクに向けて忍術を放ち念の為に倒しておく。


「はひっ、はぁっ……!はぁっ……」


 ミコが回復するまで少し休憩し、再び先へ進む4人。その後はミコが同じような失態をしないよう注意して歩いたこともあり、何事も無く最深部へと到達する。

後2話ぐらいで海底洞窟終わるかも

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