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番外編 ミコ3

遅くなりました。

その上、短いです。

本編はもう少々おまちください。

ネタが浮かばないぃぃ。

 ある日の休日のミコ。

 珍しく一人時間を持て余したミコは、パートナーのアヤカと共に街をふらついていた。


「何か、やる事無いなぁー……」


 モモとニナは、今日のログインは難しいと事前に聞いていた。ユカは数時間後にはログインできるかも、といった感じだった。


「なら、新しい種、もといスキルを探しに行っては?」


 アヤカがミコに提案する。


「そうね……、現状、攻撃系のスキルが少ないから、そこを補いたいなぁ。……なんかいいの、ない?」


「なら、あいつはどう?……倒すのにちょっと苦労するかもしれないけど」


 そのままミコはアヤカに進められるまま、街の東に広がる広大な森の、最深部の一角に足を踏み入れていく。


「今更だけど、森の最深部ってソロで戦える場所なの?」


「マスターなら大丈夫じゃない?」


 アヤカに案内されながら森の中の道なき道を進んでいくと、2人の前に黒紫色のトレントが現れる。


「アヤちゃんこいつはー?」


「『イビルトレント』よ。物理に対して耐性を持ってるから、気を付けて」


「そっか、なら……」


 ミコはイビルトレントの足元に数発撃ちこむ。


【豊穣:トンヴァイン】


 着弾地点から茨の蔓が急成長し、イビルトレントに絡み付く。


「よし、動きは封じた!」


 ミコは大量に生えている手に捕まらない様に気を付けながら、剣鉈を何度も叩きつけて倒す。剣鉈は元々の用途が木材の伐採だからか、植物系に対してダメージが増幅する効果がある。

 それでも、トレント系は他の植物よりダメージの通りが悪い為、動きを封じないと危険だが。


「1体だけで出てきてくれたから助かったね。3体以上だとヤバかった」


 気を取り直して進む2人。

 運よく道中の敵は1体か2体でしか出現せず、アヤカと2人で撃破して先へと進んでいく。

 

「いたわ、あいつが目的の魔物よ」


 アヤカに案内され辿り着いた場所に居たのは、茎から鎌のような葉を何本も生やした、巨大な黄色い花。花の中心からは、先端に綿毛のようなものが生えた蔓が何本も顔を覗かせている。


「……あれは?」


「『エッジプラント』。あの鎌みたいな葉っぱは鉄すら斬れるほどよ。……私達に対して使ってくることは無いけど。あいつを倒せれば、あいつを生み出すことが出来るようになるわ」


 2人が会話していると、待ちきれなかったのか、エッジプラントが花の中心から生やしている、くすぐる用の蔓を2人に向けて伸ばしてくる。


「うぉぉ、思ったより早い」


 ミコは蔓のスピードに驚きつつも躱して剣鉈を構える。アヤカは無言で回避する。


(取り巻きを呼び出してこないって事は、レイドやハーフレイド級ではないっぽいね)


 しつこく迫って来る蔓を躱して剣鉈を振り回しつつ、相手を観察する。


「攻撃に移りたいけど、アヤちゃん何とかできない?」


「こっちも手一杯よ。それにこいつ、植物生やしても葉っぱで斬ってくるから、私達と相性悪いのよねぇ」


「それ行く前に言おうよ!?」


 アヤカにツッコミをいれた隙を突かれ、ミコの右手に蔓が絡まる。


「やばっ!」


 咄嗟に剣鉈を左手に持ち替えて切り捨てようとするが、それより早く左手に蔓が絡み付く。


「アヤちゃんたっけて!」


 テンパって言葉が変になるミコ。


「助けられる程の余裕があるように見える?」


 あっさり見捨てるアヤカ。

 ミコの体に次々と蔓が絡み付き、そのまま花の中まで連れて行かれる。


「うーわぁー……」


 花の中には無数の蔓が獲物を待って蠢いていた。


「最早これ、花じゃないよね?花の中に蔓ってどう考えてもおかしいし」


 現実逃避か、どうでもいい事を考え始めるミコ。

 そんなミコの体に次々と蔓が殺到し、スカートの裾や袖から服の中へ侵入し、素肌を綿毛で撫でてくすぐる。


「ふひぃっ!くっ……!んっ……!ふふっ!ふっ……!はひっ!はっ……!はぁっ!」


 全身から襲ってくる優しい刺激に体を強張らせて、口から僅かに笑い声が漏れる。


「んくっ……!ふふっ!はぁっ……!あはっ!はっ!やっ!もうむりぃっひひひひひ!ひゃぁっはははははははは!」


 一つ一つは耐えられるくすぐったさだが、数十と集まれば耐えられるものではない。


「あはっ!はぁ!はっ!はぁぁ~~~っははははははは!はひっ!ひっ!ひぁっはははははははは!」


 ミコは送られてくる刺激に反応して笑い声をあげる。


「たすけっ!てひっ!ひはっ!はっ!あっはははははははは!ははっ!はぁ!やぁっはっはっはははははは!」


「助けに行ける余裕ないのよね。倒す余裕も無いし」


 アヤカは尚も迫って来る蔓を回避しながらチャンスを伺うが、中々隙が生まれない。


「あはっ!はぁ!あぁっはははははははは!やぁっ!やぁぁっはははははははは!」


 尚、ミコがダウンした場合、アヤカはミコの自室に強制帰還させられる仕様になっている。


「はぁっ!はひっ!ひっひっひっ!ひぁっはははははははは!あはっ!はぁ!あっははははははははは!」


【忍術:火遁・業火】


 ミコの残りHPが4分の1を切ったタイミングで、エッジプラントがミコごと火に包まれる。


「はべっ!なにが……」


「みこ。一人で何してるの……?」


 ミコの前にはいつもの忍者服を着たユカが立っていた。


「ゆかちー?なんでここに?」


「ログインしたらみこが森の方に行ってたから、合流しに来たのよ。そしたらみこがくすぐられてたから。……助けない方が良かった?」


 このゲームでは戦闘中は赤の他人に見られない様に戦闘エリアが形成されるが、フレンド登録したうえで個別にエリア越しでも視認出来るように設定する事が可能となっており、ユカ達4人はそれを互いにONにしておいた。


「ぁー、丁度今、用事は終わったねぇ……」


「今のやつ?……みことは相性の悪い相手だったけど、よく1人でやろうと思ったね」


「しらなかったんですぅ」


 そのまま3人は街まで一緒に戻って行った。

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