第7話:力の代償は後々追いつく
まだまだ盛り上がりに欠けますが、もう少し日常をお楽しみください。
私は今・・・とても息苦しい・・・それも全て、あのトーナメントでの戦闘が原因なのであって、私の自業自得何だけど。
「それでは、今年度の小等部、生徒会長はアース・オキューリアで賛成の人は拍手をお願いします。」
あぁ・・・、どうやら決まったらしい・・・
生徒会長なんて柄じゃない、そう思っているのはどうやら私だけの様で、黄色と若干のピンクを含んだ声と共に拍手が巻き起こっている。
「私の計画が・・・。」
小声でボヤいていると、同じく副会長に選ばれた、少年がこっちを見て会釈している。
私も会釈すると、微笑みで返された。
彼の名前は、アルダリオン・フーバー、アルと呼ばれている、髪は赤毛で目も赤い。成績はトップレベルらしい、それとイイトコのお坊ちゃんというヤツらしい。
まぁ、それだけで副会長にはなれる程、学園は甘くないようで、きちんと能力持ちらしい、まぁ能力と言うか、特殊体質らしいのだが・・・機会があれば見る事もあるだろう、ついでに言うとこの情報は全てフォウカから聞いた。
あの娘結構情報通だったのかと関心していたのだが、どうやら私に話を振られたらしい、新任の会長挨拶と言った所だろう。
「今回皆さんの、推薦で選ばれました。アース・オキューリアです。まずはお礼の言葉を述べさせてください。私を推薦してくれてありがとう。」
やっぱり笑顔は大切だよね。でもこの演技キツゥ。
「私はまだまだ未熟で、皆さんの手助けが無ければ躓くこともたくさんあると思います。ですから、その時は私を助けてください。私も精一杯皆さんにより良い学園生活を送ってもらうため、尽力しますから。」
胸に手を当てて、《魅力》は全開、仮面は付けていても、溢れ出るカリスマは抑えきれておらず、まさに完璧!
うん、満足だと目をゆっくり閉じると・・・
アレ?歓声は?と思って、ゆっくりと目を開ける・・・
・・・泣いてる人がいるんですが、これは?
どうしてこうなった!?
マリ姉、ヘルプ!
「アースったら立派になって・・・ヒックッ、昔は私の後ろにピッタリついて・・・ウウ-」
何で貴女まで泣いてるんですか?
この後ちょっとしたパニックになって、大変な事になったので、演技も程々にしようと思ったのは、内緒です。
「大変だった・・・。」
「お疲れ様、会長。」
「やめてよフォウカ、普段から会長何て肩凝っちゃう。」
違いないと、フォウカは笑っているが笑い事ではない、本当にこんなのずっと続くと考えるととてもじゃあないが、気が滅入ってしまう。
「あ!、ここに居たんですね会長。」
だから、会長と呼ぶな、と声をした方を見ると・・・
「副会長、どうしたんです?、そんなに慌てて。」
「ええ、実は、この後に中等部と高等部を交えての、自己紹介兼、方針を決めるそうなので、会長を探していたんですよ。」
これは、悪いことをしたな、けどまた会長の演技をすると思うと・・・気が重い。
「じゃあ行きましょう。」
そう言われ、副会長アルに手を引かれる、見た目華奢なのに結構男らしいな。
「ちょっ、引っ張らなくても、あ!、フォウカ、また後でね。」
フォウカは苦笑いを浮かべていた。。
打って変わってここは、高等部の生徒会室。
人影は6人、各部の会長、副会長らしいのだが・・・
何でシルビィがここにいる!?
「アースちゃん〜、やっぱり会長になったのねぇ!」
「シルビィ、苦しいから離して・・・。」
予想をしていなかった訳では無いが、やはりシルビィが中等部の会長になったか。
「おい、そこの、アホ2人早く席に付け。」
そう言って、偉そうな青年が私達に、席を指さす。
いや私は悪くない、悪いのは全てシルビィだ。
シルビィのせいで私の評価が下がってしまった。
「ではこれから、第1回定例会議を始める。まずは自己紹介だな、俺は高等部生徒会長、サルメニア・フォルス・ブロードヘルツだ。まぁ俺がリーダーらしいからな、会長とでも呼んでくれていい。」
その後も自己紹介が続くのだが・・・事件が起こる。
なんとなく、高等部の副会長に見覚えが・・・
いや、気の所為・・・
「高等部副会長のガズル・バルムヘッドだ、よろしく頼もう。」
じゃなかった。気の所為じゃあなかったよ。
エエー!、ガズル?ウッソぉ、マジですか!
オッサンにしか見えなかったのに、まさかの高校生だったのか、いやよく今見ると・・・
ボサボサ頭だった青髪は短く切りそろえられており、無精髭が目立っていたのに今ではツルツル、野生動物を彷彿とさせたあの蒼い目は今では理性的な印象を持たせる。
似ている別人じゃね?
「今回は、トーナメントで優勝こそ出来なかったが・・・、先輩方相手に戦ったのだ善戦したほうだろう。」
「そうだな、後輩に優勝を持っていかれたのは、些か不満ではあるが、より良い人材が入ったと考えるべきなんだろうな。」
一瞬こっちを一瞥をしたがそれ以上はなかった。
やっぱり気の所為じゃあなかったよ。と言うか、ガズルの相棒って会長だったのか・・・。
こうして、私にとっての苦痛の会議は始まった。
各自の自己紹介は終わり、今後の方針を決めるらしいのだが、この生徒会室に教師が居ないのを見ると、きっと生徒だけで決めるのだろう。
「まず、今回の議題だが、やはり進級で各学部は少々纏まりががない気がする、そこでだ。ここは一つ大きなイベントでも開いていこうと思っている。」
すぐに質問がはいった、アルが手を上げたようだ。
「ふむ、質問か・・・、望む所ではある。で、何かなフーバー。」
「いえ些細な事なのですが、そのイベントのことは決定済み何ですか?」
「ああ、俺とガズル、そして教職員を交えて決定した。ある程度の資金援助は取り付けてきたから規模がでかくても、大丈夫だろう。」
うん会長はどうやら出来る人間なんだろう、でも結構悪い顔してるんだよなぁ。
その後、アルは納得したようだった。
他に質問が無いのを確認し、では案を考えようと言うわけなんだが・・・
「6人も居て1人も案を出せないのか・・・。」
「言い出しっぺの会長も無いじゃないですか。」
うっ、と唸って会長は俯く、金髪イケメンなだけあって絵になるな、死んどけ。
「実はな、会長の意見は教師たちに却下されたのだ。」
ガズルが言うには、イベントの立案時に会長の意見を提出した所、危険だという事で却下されたらしい。
会長・・・どんな案を出したんですか。
「その事だがなガズル、もしかしたら、実行に移せるかもしれないぞ・・・。」
「いや、しかしだな会長・・・アレはいくら工夫しても実行不可と認定したではないか。」
フッフッフ、と笑う会長・・・嫌な予感しかしない。
「ガズルよ、俺達が必死に自身の技を磨き、新学期まで山に篭ったのは何故だ?」
成程ね、だからガズルはあんな野生児みたいだったのか・・・
「トーナメントで優勝を勝ち取る為だな・・・負けてしまったが。」
ガズルくん、君は頑張ったよ・・・そしてごめん、あの態度は君の自信の表れだったんだね。
本気で落ち込んでいるガズルを見て内心、能力の実験体にしたのを謝る。聞こえてはいないだろうがな。
「そうだな、負けてはしまったが、トーナメントのためだな、では何故トーナメントで優勝したかったのだ?」
「それは・・・、ほぉ・・・読めてきたぞ。」
ガズルはどうやら会長の意に気付いたらしい、薄く笑っている。あぁ・・・本当に嫌な予感しかしない。
「気付いたらしいな、そう俺達がトーナメントで優勝したかった理由は、特待生の待遇をもっと上げ、より冒険者として活動の幅を広げるためだ。」
すかさずツッコミだ
「待って下さい。会長方はさっきから何を話しているのですか?、いったい何を言いたいのです?」
私は、もう気付いている・・・トーナメントの話の時点で、[危険]、[特待生]、[冒険者]と大まかなキーワードは出ている。
一言で言うとこれは、戦闘になる。
「いいだろう、聞かせてやろう、祭りだ、この学園始まって以来の大きな学園祭をやるぞ。」
何だ・・・祭りか、警戒して損したわ、ん?でも危険って一体何が危険だっていうんだ?
「そして、その中のビックイベントで、最近近くに出来たらしい、ダンジョン攻略にいくぞ!」
どうやら避けられないらしい・・・戦いなんて嫌だよぅ。
「本来は校則にて禁止されている行為だが・・・トーナメントで優勝すれば免除する手筈だった。まさか先輩を投入されるとは思ってもみなかったが・・・。」
あ・・・(察し)
「ちょうど・・・いるんだよな、先輩達を蹴散らし。」
「優勝を握り取った、化け物2人がな。」
化け物とは失礼だな・・・
「いやぁ・・・お前達2人がちょうど、生徒会に入ってきてくれて良かった。」
照れているシルビィをよそに・・・
生徒会長何て、本当になるんじゃなかった、と本気で後悔しています。
「では・・・否定意見も無ければ問題点も、もう無いんだ、内容を詰めていくぞ。」
私は、調子に乗ったらそのうち付けが回ってくると言ういい教訓を学んだ。
次回から学園祭準備です・・・
エエまだ、準備です。
テンポ?知らない子ですね