表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強のヒーロー ~天才が異世界で本気を出す~  作者: 研究者@双黒
第一章 聖なる星の輝き~黄金の道しるべ~
7/18

第七話 正体

*シャラングリア城*


「国王様っ!」


叫んだのは千晴だ。


「どうした!?」


国王が、何事かというふうに返事をした。


「颯太から連絡があって……颯太は、無事にその場を切り抜けたそうです」


「ほう!それで?フィルは?」


「……それが。亡くなられた、とのことです……」


「何っ!?」


国王としても、その事実は受け入れがたい。


「すぐに……」


「俺なら此処だぞ。国王」


国王が颯太を呼ぼうとすると、逆に颯太の方から声がかかった。


「……どういうことだ?自分だけぬけぬけと帰ってきたというのか?」


「……」


「フィルがこの城にとって、どれだけ大切な人材だったか分かっているのか?」


「ああ。だがアイツは、フィルは、俺達の敵だっただろう?」


「!?」


どうやら国王は、全く気付いていなかったらしい。


颯太が、小屋で聞いた話を国王にする。


「それともう一つ、聞きたいことがあるんだ」


「……何じゃ?」


「俺とフィルは、今までにも一度、会ったことがあるのか?」


颯太は静かに、しかし、力強く聞いた。


「……時が来れば分かるだろう」


国王は、フィルと同じ答えを返すのみだった。


*庭園*


「……工藤君」


唐突に千晴が言った。


「……何だ?後、前から言おうと思ってたんだがその、‘工藤君’っての辞めてくれないか。気持ち悪い」


「ああ、うん。そ…颯太?」


「……」


「後悔……してるんでしょう。フィルを、助けられなかったこと」


千晴の声は優しく、颯太の心に響いた。


「さあな」


颯太は、千晴とは反対側を向き、俯いた。


自信家で、少し傲慢なところがある颯太だが、本当はとても繊細だ。誰よりも。


「力試し……か」


颯太は呟く。


この先、どんな困難が待ち受けているのか、それはまだ分からない。


だが颯太は、その困難を乗り越えなければならないのだ。


それが例え……。


「人の命を脅かすことであっても、な」


「え?」


千晴は聞き返す。


「いや、何でも無い」


(どちらにしても、俺の過去は調べる必要がありそうだな)


颯太は立ち上がった。


「何処に行くの?」


千晴が聞く。


「……着いてこい。お前にも話がある」


颯太は千晴にそう言うと、城の廊下を歩き始める。


千晴は疑問を感じながらも、颯太の後に着いていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ