第二話 ステータス
「此処は……何処なの……?」
まず始めに声を上げたのは、千晴だった。
「その質問には、私がお答えいたします。」
そう言って現れたのは、神秘的なワンピースを着た少女だった。
「此処は『ラグナロータ』。皆様のいた世界とは、別の世界です。異世界と呼ばれるものですね。」
少女は微笑を浮かべながら、話し始めた。
「まず、私は《人間国・シャラングリア》の第一王女、セイラ・シャラングリアです。以後、お見知りおきを。『ラグナロータ』には、魔法というものが存在します。皆様にも、今から魔法を与えます。ランダムなので選ぶことは出来ません」
「成る程な。大体理解した。どうせ、魔王を殺せとか言うんだろ?世界の平和を守るために、とか言って」
そう言ったのは颯太だ。
セイラも、その理解力の高さに驚いたのだろう。
「え、そうだけど……何故分かったの?」
と、普通の口調に変わってしまっている。
「大体、俺達みたいな異世界人が呼び出されるのは、そういう理由だろ。それに、もし一般人として呼び出されたのなら、王女の腰がそんなに低いのはおかしいからな」
颯太は、そう言ってセイラを見つめる。
「ええ……。その通りです。お願いします。私達を助けて下さい。」
セイラには、最早颯太しか目に入っていない。
深く頭を下げ、颯太の返事を待っている。
「……別に、助けるのはいい。ただし、条件付きだ。基本的に、俺の意見を尊重しろ」
「はい!ありがとうございます!」
颯太とセイラの交渉がまとまった。
しかし。
「ちょっと待ちなさいよ!二人だけで話を進めてもらっても困るんだけど」
クラスメート達のことを忘れていた。
「ああ、そう言えばお前等もいたんだったな」
颯太は、今思い出したかのようにクラスメート達に向き直った。
「お前等はどうする?」
颯太は言う。
それに答えたのは、仕切りたがりの男子、青山海斗だ。
「何だよ、随分偉そうだな。俺達も助けるに決まってるだろ!」
「そうか。セイラ、続きの説明をしてやってくれ」
「はい、ソウタ様。私達の強さが目に見えるようになっているのが、ステータスというものです。皆さん、心の中で、ステータスと念じてみて下さい」
クドウ ソウタ LV1
HP500/500
MP1000/1000
魔法 無属性 〖操作〗
スキル 強奪 探索 解析 飛行 契約 意思疎通 創造 透過 透視 転移
称号 異世界人 チート 操りし者
サクラバ チハル LV1
HP 350/350
MP 350/350
魔法 赤属性
スキル 加速
称号 異世界人
カイト アオヤマ LV1
HP 350/350
MP 350/350
魔法 赤属性
スキル 豪腕
称号 異世界人
これだけでも分かるだろう。
颯太は、相当なチートだ。
そのステータスを見た者の視線が、颯太に集まる。
「ん?何でこっちを見てるんだ?お前等」
とんでもない鈍感男は、視線の理由も分かっていないのであった。
時間を縫って、急いで書き上げたので、何かあったらレビューか感想にてお願いします。
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