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最強のヒーロー ~天才が異世界で本気を出す~  作者: 研究者@双黒
第一章 聖なる星の輝き~黄金の道しるべ~
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第十六話 本領発揮

「誰だっ!?」


そう叫んだのは、見回りの兵士達だ。


颯太達を見ると、槍や弓矢を取り出し、一斉に攻撃態勢に入った。


「おいおい。初対面の相手に向かって、誰だは無いだろ。こっちは客だぞ」


颯太は、面倒臭そうに言うと、クレアに目配せした。


クレアは小さく頷くと、兵士達に向き直る。


「一発で片付けます。──銀蓮華」


兵士達に向かって手を突き出して呪文を唱えたクレアを中心に、銀色の花弁が飛び散る。


それは兵士達の方に向かい、大爆発を起こす。


「な……っ!ガハッ!」


それはまさに一瞬のことで、攻撃された方は何が起こったのか、全く理解できない状態だ。


「急ぎましょう。こんな所で体力を使うわけにはいきませんから」


颯太は頷くと、思い出したように声を上げた。


「そっか、──転移」


最初から、城の中に直接転移していれば良かったのだ。


颯太は、目の前の男に不敵な笑みを浮かべる。


男も立ち上がり、颯太を見下ろす。


彼等の間に、見えない火花が散った。


所謂、戦いの幕開けである。


クレアは、ドワーフ達に後ろに下がっているよう命じ、颯太に目配せする。


「其方が、クドウ・ソウタか?」


「そうだ。お前は?」


「我はレアリア・クロノ。この国の王だ」


「そうか。それは凄いな。だが、貴様は此処で死ぬぞ」


「……言ってくれるではないか。これでも王の身。一般人よりは戦闘能力がある」


今の会話を実際に聴いているクレアは、それだけで身震いした。


互いに口には出していないが、確かな怒り、憎しみの感情がそこにはあった。


「失せろ──エレウェル・フォルセディン」


「っ!『曲がれ』!」


颯太が咄嗟に使用したのは、操作魔法。


目には見えない何かが、自分達の方に向かってきたのを感じ取ったからだ。


「ふむ。勘は中々鋭いようだな。今の攻撃を防ぐとは」


「……ユピリウス・サティリル」


颯太はレアリアの言葉には答えずに、呪文を唱えた。


「この魔法は、超高難度のSSランクだろう?何故其方のような一般民が知っているのだ!」


レアリアはそう叫ぶと、両手を前に突き出す。


途端に魔法が破壊され、衝撃によって颯太は後ろに吹き飛ばされた。


追い打ちをかける様に、刀を持ったレアリアが此方に向かってくる。


朦朧とする意識の中、颯太は何かを囁くと、クレアに目線を向けた。


クレアはその視線に気付くと、微かに首を縦に振った。


運良く、レアリアがそれに気付くことは無い。


「其方も大したことは無かったようだな。期待して損をした」


「……」


颯太は何も答えない。


「どうした?もう言うことは無しか?」


レアリアは挑発するかの様に颯太に言った。


「……油断は禁物だ」


颯太の低い声と共に、辺りに鮮血が飛び散る。


それはレアリアの物……の、筈だった。


しかし、レアリアの物では無かった。


他でもないクレアの物である。

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