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転生者は魔法学者!?  作者: 藤原 高彬
第三章:「異邦人は歴史学者!?」
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設定資料1 歴史・技術・文化

設定資料は、定期更新対象外です。

○歴史:


 旧石器時代にリリス降臨

 新石器時代に魔物発生

 青銅器時代に原始的な魔法が成立


 文明発生端緒期に魔法が生まれたことに伴い、自然科学、物理科学、化学、医学、薬学、等の分野の学問は全く発達する土壌が成立しなかった。


○宗教:


 宗教は基本的に精霊神信仰しかない。

 道徳の規範となる善悪論は「精霊神」(イコール)善とすることで、自然(アニ)崇拝(ミズム)と一体となる(その象徴として善神(アザレア)悪神(ザコルス)などが設定されている)。またその影響から、「自然現象(イコール)精霊神の行い(イコール)善き事(イコール)それに疑問を持つのは()しき事」と解釈され、それを研究するという発想が生まれていない。

 地域や部族によっては祖霊信仰などもあるが、現実的な奇跡(魔法)を(もたら)す精霊神信仰ほど強い影響力は持ち得ない。祖霊信仰はあくまでも儒教的、長幼の序の一形態として「尊重」されている。


○魔法と技術:


 魔法は「術者の思惟(しい)からそれを実現する方法を検索」する。その為、術者が想像さえ出来ない現象は実現出来ない。

 例えば、『鉄さえ()かす青い炎』は、日常でそれを目にすることが出来る鍛冶師たちにとっては発現可能だが、赤い炎が日常で見かける『熱い炎』である一般の魔法使いにはこれを発現させることは出来ない。

 そして製鉄(鉄鉱石を鉄にする)には、木炭を反応剤として使用する必要があるが、木炭はその存在を知る者にとってもただの燃料に過ぎない。結果、「木炭」という資源を鍛冶師ギルドが秘匿(ひとく)したことに伴い、製鉄は鍛冶師ギルドの独占産業となった。


 水車や梃子(てこ)、歯車、滑車、螺子(ねじ)などは普通に知られているものの、その応用範囲は極めて狭く、特定分野に於いてのみ限定的に使用されるに過ぎない。


 建築は、雨が少なくまた地震も少ないフェルマール中央部では、煉瓦(れんが)造りが一般的である。

 ハティスは比較的雨が多く森林資源が豊富なので、木材建築が主流。但し貴族邸宅は煉瓦造りなので、「煉瓦造り(イコール)高級」(雨が多い地域での煉瓦造りはコストが膨大になる)と認識されている。

 モビレアでは、古代カナン帝国時代の財務官僚が木材建築にこだわった(日本との気象条件の差を考えなかった模様)為、遠方から材木を調達しなければならないにもかかわらず、木材建築が主流となっている。

 但し安価な煉瓦造りの邸宅を建築することもあるが、この地方は60年~80年周期で大地震に見舞われる為、煉瓦造りの建物はその揺れに耐えられない。よってモビレアでは「新しい建物ほど早く崩れる」という格言まである。


○流通(フェルマール):


 南方産の砂糖(トウキビ種)・柑橘(かんきつ)類・胡椒(こしょう)などは陸路・海路を通して普通に流通している。

 胡椒はまだ民間には高価だが、砂糖は一般家庭なら無理せず購入出来る(但しどちらかと言えば燃料代が高いので、嗜好(しこう)品に過ぎない砂糖菓子は庶民には出回らない)。柑橘類は「ちょっとした贅沢(ぜいたく)」程度の出費で購入出来る程度の値段である。


 塩は岩塩と海塩の両方が流通する。

 岩塩は所謂(いわゆる)紅塩(ピンクロックソルト)。但し精製が未熟な為、ミネラル豊富(といえば聞こえは良いが、小石や砂が1%以上混じっている)。

 海塩も不純物が多く、またにがり(・・・)成分の濾過(ろか)が不十分なので、味は岩塩に劣る。ただ安価な為、岩塩採掘現場の近くを例外として海塩の方が普及している。


 稲は種籾(たねもみ)が無くまた栽培に適した土地がないので、全く知られていない。

 大豆は一部地方の閉鎖集落などで食されている可能性はある(山岳地方には自生している)ものの、一般には普及していない。

 馬鈴薯(ジャガイモ)・トマトは自生していなかったが、現在では輸入され栽培は盛ん。但し、馬鈴薯は連作障害がある為、主力穀物とはなっていない。

 輪作はカナン帝国時代推奨されたものの、輪作に移行した初期の収穫量の激減と輪作の効果を体感し(づら)い(天候による豊作・不作と肥料の効果による収穫量増大と、輪作による土壌管理の成果の区別がつかない)為、下火になった。その結局、四圃(よんぼ)式どころか三圃(さんぼ)式輪作さえ行われていない。


○民族:


 基本的に白人であり、異民族として黒人と獣人、そして亜人がいる。黄色人種は実在するか否か不明。

 なお、獣人は亜人に含まれるべきという考え方もあるが、獣人は大陸東部を起源とし、古代カナン帝国の野望の最大の障害となったのも獣人族であった(西部の獣人は、カナン帝国の膨張政策の結果奴隷として連れて来られた獣人たちの末裔(まつえい))。その為、大陸西部に原住していた他の亜人とは区別して「獣人」と呼ばれることの方が多い。

 フェルマール王国南部ベルナンド地方では、髪の色と目の色は茶系統(薄茶(ヘイゼル)から焦茶(ブラウン))が普通だが、他国他地方との混血が進んでいるフェルマール中央部やスイザリア王国モビレア周辺などの都会ではバラエティ豊かな色合いとなる。


○髪:


 貴族や富裕(ふゆう)層の女性は長髪が基本である。

 この時代、髪の手入れそれ自体にコストがかかり、その為富裕層以外にはそれをする余裕はない。その為長髪は一種のステータスになっている(また逆に、髪を編み込んで短髪に見せ「謙遜(けんそん)出来るアテクシって素晴らしい!――実は編み込めるだけの長さを持つことの自慢――」という流行(ファッション)も生まれてきている)。

 しかし、オイルで無理矢理(つや)を出している状態なので、放置しておくと酷く(にお)い、また虫が(たか)る。その為入浴の習慣が生まれた。

 なお、日本では奈良時代から髪の手入れに使われていて酸化し難い椿(ツバキ)(オイル)のようなチート製品は、この世界では知られていない。


 一方、平民は短髪が普通で、貧民層は短髪ザンバラになる。


 ちなみに、ハティスの孤児院の院長セラは長髪(背中くらいまで)である。これは町長などと折衝(せっしょう)の場を持つことから、()められないようにというせめてもの虚勢の(あらわ)れでもある。

 同じく孤児院の冒険者アリシアも長髪(肩を(おお)うくらい。セミロングよりちょっと長め)である。孤児院出身で且つ冒険者である彼女にとって、髪の手入れをする時間とコストは無視出来ない負担になるのだが、冒険者としての初報酬で買った(くし)をセラにプレゼントしたところ、「それは貴女が使いなさい。女の子なんだから」と言われてしまったので、今では頑張って手入れしている。孤児院に風呂が出来たことで、格段と手入れがし易くなったことを実は(よろこ)んでいる。

 シェイラは部族的習慣で長髪(腰辺りまで)。ただ孤児院に来るまでは一切の手入れがなされていなかったので、ちょっと悲惨な状況だった。今ではアレクに髪の手入れをしてもらうのが一番の楽しみ。なおアレクにとっても、シェイラの髪を(いじ)る(時には編み込んだりする)のを一つの楽しみにしている。

(2,935文字:2016/09/18初稿 2016/09/18投稿予約 2016/09/22 03:00掲載予定)

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