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出会いの夜
俺の名前は橘優人、特別職国家公務員だ。
仕事を終え、コンビニ袋片手に帰宅すると、家の前に見知らぬ女の子が座り込んでいた。
無視して鍵を開け、中に入ろうとすると、ズボンの裾を摘ままれた。
「…助けてください」
綺麗な女だった。俺はその子を家に招き入れた。
「人の家の前で何をしていた?」
とりあえず温めた牛乳を飲ませながら事情を聴いている。見たところ中学生ぐらいだから、恐らく家出だろう。
「家出したんですけど、行くあても無くて…」
ほら、やっぱり。
「あの、暫くここに泊めてもらえま…」
「それを飲んだら家に帰りなさい」
少女の言葉を遮る。綺麗だったし、憐れだったしで家に上げてやりはした。だが、俺はそこまでお人好しじゃないし、そもそも職業柄こんなことがバレたらマズイのだ。
「……橘優人が深夜に女子中学生を自宅に連れ込んでえっちぃ事してたって言いふらしちゃいますよ?」
「とりあえず今夜は泊まっていきなさい」
どうやら少女の方が一枚上手だったらしい。仕方なく泊めることになってしまった…
これが、俺と家出少女めぐみとの出会いだった。