とある計画の臨時報告
【生徒会長女装化計画 臨時報告】
本事案を述べる前に、先日発生した機密情報漏洩について記載を行う。
事件は10月13日未明、我が組織の保有する機密文書の存在が、生徒会長に知られてしまうという事態となった。それに伴い、文書の作成者との接触があったようだが、幸いそこから我が組織の致命的情報が漏れることはなかった模様。引き続き警戒を強めるとともに、今後の予防措置として、各員の機密意識の徹底、重要データへのアクセス権のレベルに制限をかける。本報告書もデータでのみ閲覧を許可する。
さて、それでは本題に移行する。
本計画はその実現性の低さから、一時凍結されていたが、組織内で浮上したひとつの可能性をもって、凍結を解除するものとする。
その可能性について説明する。その類まれな容姿をもって、是非とも女装した姿を見てみたいということが本計画の核心であるが、それを実現するためには文化祭のイベントを利用するしかないということは計画の立案当初から挙げられていた。周知のとおりわが高校の文化祭が行われるのは6月の初めである。この時期的問題が、本計画凍結の直接的原因でもある。しかし、それを解消する一つの代案がこのたび浮上した。
それは隣接校である、南中学校で2週間後に行われる文化祭である。
行事的繋がりの多いわが校と南中であるが今回の文化祭で生徒会長の協力を先方より打診され、承諾したとの確定情報が入った。協力内容の詳細は明らかになっていないが我が組織はこの機会に生徒会長に女装してもらう可能性を見出した。南中にいる、組員の協力を仰ぎ3年3組の出し物をコスプレ喫茶とすることに成功した。3年3組とは生徒会長の妹が在籍しているクラスである。生徒会長の妹の溺愛ぶりを考えれば、当日3組の手伝いをする可能性は十分にある。また組員によってそれを誘導する計画を進行している。その時が、生徒会長を女装させる千載一遇のチャンスとなることは間違いない。
各員情報の漏えいにはくれぐれも留意し、活動を続けてほしい。
以上