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ノスタルジック・ダンジョン  作者: 敷知遠江守
第2章 魔法少女プルシェリア②

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第8話 どうやって食料に?

夢野真穂(魔法少女プルシェリア)

クラス:魔法使い +使い魔イルカの「フリッツ」

「ねえ、私、動物の解体なんてやった事ないんだけど、どうやってやるか知ってる?」


 するとキュイはその場でくるくる前転を始めた。


 何で私はモンスターを食べるのにこんなに前向きになっているんだろう。

 それもこれも空腹が悪いんだ。お腹が空いていなければ、こんなキモイものを食べようなんて、そんな考えにはならないんだ。ハンバーグ、ボロネーゼ、餃子、キーマカレー、そんなものが普通に食べられるんなら、こんなキモイものを食べなくって済むのに。


「わかったキュイ! まず後ろ足を縛って吊るすキュイ。首から血が出なくなるまで待つキュイ。血が出なくなったら、まずは皮を剥ぐキュイ。皮は取っておいてなめすのがお薦めキュイ。薄皮を剥ぎ――」

「無理無理無理! そんなの無理! そんなグロい事、私できないって」

「でも、お肉にしないと食べられないキュイよ?」

「やれって言われたら言われた通りに泣きながらやるけど、食べれないと思う。途中を思い出して吐いちゃうと思う」


 「困った人だキュイ」とチクリとぼやいて、またその場でくるくる前転を始めた。


「じゃあ、この方法どうキュイ。魔法に解体をお願いするキュイ。魔法が解体する間、プルシェリアは後ろを向いていれば良いキュイ」

「それよ! それ、採用! ミラクル マジカル ラララララ! このうり坊を解体して!」


 マジカルスティッキの先の星の飾りがクルクル回り、そこから細かい星が噴き出してうり坊の体にまとわりつき、持ち上げ始めた。


「キュイ、悪いけど、解体が終わったら教えてね」

「僕の名前は『フリッツ』キュイ!」

「何回言うのよ、それ」


 これで肉片にしてもらったところで、実はまだ一つ大問題が残っていたりする。私、全然料理できなかったりするのよね。目玉焼きすらまともに焼けないのよ。お肉をぽんと出されても、調理の仕方がわからないのよね。包丁も授業でしか握った事無いし。その時も包丁の握り方が怖いって言われたんだよね。

 あ、でも、そもそも調味料が無いんだっけ。って事は、そのまま焼くというストロングスタイルしか調理方法って無いのか。

 あっ、そうか! ちょっとわかっちゃったかも。

 生肉だとお腹を壊すよって事なんだから、まずはガッツリと火を通せば良いのよ。火を通した後で、魔法で料理に変えてしまえば良い。

 そうすれば、その時点ではその料理が楽しめて、魔法が解けてもちゃんと焼いたお肉だから、お腹を壊すような事は無い! うぅん、私ってば賢い!


「プルシェリア、解体が終わったキュイよ」

「ありがと。おお! スーパーで売ってるようなブロック肉がゴロゴロしている! 焼いたら普通に美味しそうじゃない!」

「はぁ。プルシェリアは何もわかっていないキュイ。もしかして、炊事が苦手キュイ?」


 グサッ。もしかして私、何かとんちんかんな事言っちゃったのかな。そんな一発でバレるような。


「そのお肉は今食べても全然美味しくないキュイ。少し置かないと駄目キュイ」

「え? でもでも、香辛料なんて私持ってないよ? もしかしてそれも魔法で出せって事?」

「はぁぁぁ。ほんとにわかってないキュイ」


 そんなにわざとらしくため息つかなくたって良いのに。私は知らないんだから。なんか料理下手を責められてるみたいで傷つくんですけど。


「よく聞くキュイ。お肉ってのは解体してから寝かさないと固い上に味が悪いんだキュイ。しかも獣臭いキュイ」

「へえ、そうなんだ。具体的にはどれくらい寝かせば良いの?」

「冷蔵保存で一週間ほどキュイ」

「美味しくなる前に私が飢えて死ぬわよ!」


 そもそも、焼けたら魔法で別の料理に変えちゃうんだから、味なんてどうでも良いのよ。焼いちゃえば一緒。焼い……ちゃえば?


「ねえ、この肉ってどうやって調理すれば良いの?」

「普通の人なら魔法で包丁を出して、それで切るんだキュイ。でもプルシェリアはそういう事ができないんだキュイ。だったらそのまま焼くしかないキュイ」

「その、料理下手イジリ止めてくんないかな。地味に傷つくのよ、それ」

「そんな認識は全く無かったキュイ。プルシェリアが料理が下手だなんて、当方は全然知らなかったんだキュイ。今後このような事が起きないようにしっかりと取り組んでいく所存キュイ」


 なんでいきなりそんな官僚答弁なのよ。絶対わざとじゃん。しかも何が言いたいのか全然わからないし。ほんと、腹立つわね。


「ところで、さっきから焼くって言ってるけど、火はどうするの? 私、火起こしなんてやった事ないんだけど。それに燃料はどうすれば良いの?」

「そんなの、魔法でボンッキュイ! キュイキュイ!」

「絶対消し炭になる奴じゃん、それ」


 魔法でやったら、そもそも魔法が解けたら生肉じゃなかったの?

 あ、そっか。魔法で『焼く』から良いのか。


「どんなに調理が下手な人でも、魔法はちゃんと良い感じに焼いてくれるんだキュイ!」

「……今後このような事が起きないようにしっかりと取り組んでいく所存じゃなかったの?」

「記憶にございませんキュイ」


 うがぁぁぁぁぁ!

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