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ノスタルジック・ダンジョン  作者: 敷知遠江守
第2章 魔法少女プルシェリア②

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第7話 うり坊が出た!

夢野真穂(魔法少女プルシェリア)

クラス:魔法使い +使い魔イルカの「フリッツ」

 キュイが食料と呼んだのは、どう見ても二足歩行の生き物。顔は豚っぽい。体は毛に覆われていて、焦げ茶の縞模様が入っている。腰にボロ布を巻いていて、小さな棍棒を手にしている。


「ねえ、あれってモンスターなんじゃ?」

「大人になったらオークになるけど、あれはまだうり坊キュイ! 食べれるキュイ!」


 ちょいとキュイさん、『食べれる』の基準が壊れてはいませんか?

 モンスターじゃん! 二足歩行じゃん! 危険生物じゃん!


「試みに聞くけど、どうやって?」

「調理の仕方はお好みキュイ! 大抵の肉は程よく焼いたら旨いキュイ!」


 ソロキャンバーみたいな事を言いおってからに。


「嫌よ、あんなの食べるの!」

「どうしてキュイ? もしかしてプルシェリアはお肉は食べない主義キュイ?」

「いや、食べるけど……焼肉屋に行ったらカルビとかハラミとか食べまくるけど」

「だったら問題無いキュイ! さあ、魔法でさっとやっつけて、食事にするキュイ!」


 棍棒は持っているものの、とてとてと歩く姿が実に可愛い。モンスターじゃなかったら一緒に連れていきたいくらい。ちょっと口から涎が垂れてるけど、鼻息も荒いけど、でも、つぶらな瞳がとっても愛らしい。


「あんな可愛いの殺せないわよ……」

「そんな事言ってたらプルシェリアが殺されちゃうキュイ! さっきのゴブリンに見せた残酷さは何だったんだキュイ!」

「いや、だって、あいつはかなりキモかったし」

「そんな事言ってると、本当に殺されちゃうキュイよ!」


 鼻が湿っているせいか、呼吸のたびにシュピシュピ音がしていて、それがまた可愛い。なんかキラキラした目でこっち見てる。こんなの殺せないって。


「無理無理無理! だって可愛すぎだもん」

「何を言ってるんだキュイ! あれは敵キュイ! 目を覚ますキュイ!」

「いや、だってぇ」

「だってもヘチマも無いキュイ! さっさと魔法で剣を出して斬りつけるキュイ!」


 いや、ヘチマって……何でここでヘチマが出てくるのよ。


「ブヒャヒャヒャ!」


 うわっ……笑い方キモっ! 想像してたのと違った!

 やっぱどれだけ見た目が可愛くても、モンスターはモンスターだわ。


「ミラクル マジカル ラララララ! 剣よ出ろ!」


 マジカルスティッキの先の星の飾りがクルクル回り、そこから小さな星が噴き出し、星たちが地面に剣の形で並ぶ。次の瞬間、あちこちに星の装飾の施された剣が現れた。


「なにこれ、凄い軽いんだけど。こんなので大丈夫なの?」


 おお! 一振りしたら剣から星が零れた!

 なんだろう、この女児アニメの武器みたいな感じは。振るのがちょっと恥ずかしいかも。 ……どうせ、この変なイルカしか見てないから良っか。


「ブヒャアァァァ!」

「うっさいわね! もっと見た目通り可愛く鳴きなさいよ!」


 うり坊に向けて剣を横に滑らせるように払う。手応え的なものは一切無し。相手に当たったかどうかもわからない。だが、うり坊は首を裂かれ、傷口から大量に血を噴き出してその場に倒れた。なんという切れ味!


「やったキュイ! プルシェリア凄いキュイ! 食材ゲットキュイ!」


 ……食材ねえ。なんか手も足もピクピクしてるんですけど。首から血がドロドロ出てきてるんですけど。


「ねえ、ホントにこんなの食べるの? お腹壊さない?」

「ちゃんと血抜きをして、下処理を行えば大丈夫キュイ! あ、念のため火は通した方が良いキュイ」

「でもさ、ゴブリンの時はモンスターなんて食べない方が良いって言って無かった?」

「違うキュイ。モンスターを食べるのはお薦めしないって言ったんだキュイ!」


 ……えっと、何が違うキュイ?


「それは、ゴブリンはモンスターだから駄目だけど、うり坊は食料だからオッケーって事?」

「もう、全然違うキュイ! よく聞くキュイ! ゴブリンは卵だったから駄目なんだキュイ!」

「ちょっと何言ってるかわかんない」

「ムキュイ! キュイキュイ!」


 あ、怒っちゃった。


「よく聞くんだキュイ! プルシェリアはゴブリンを卵に変えたキュイ! それはもう大きさが全然違うんだキュイ! だから、変身が解けると、元の大きさに戻ってしまうから、食べたら危険なんだキュイ!」

「そんなに怒鳴らなくたって良いじゃないの」

「プルシェリアが全然理解してくれないのが悪いんだキュイ!」

「理解したわよ。ゴブリンも卵に変えなければ大丈夫だったって事なんでしょ?」


 あれ? 黙っちゃった。

 もしかして、私、理解できてなかった?


「……ゴブリン、食べたかったキュイ? たぶん、美味しくないキュイよ?」

「食べないわよ! 美味しいとか不味いとかじゃなく、倫理的に無理!」


 とは言ったものの、ウリ坊もそれは同じなのよね。どう見ても人型だし。どうしたもんだろう。


「ねえ、キュイ。ちょっと聞きたいんだけど」

「僕の名前は『フリッツ』キュイ!」

「このウリ坊って、私が解体しないと駄目なのかな? 魔法で料理にできたりしないかな? 例えばかつサンドになれって言ったらかつサンドになってくれたりしないのかな?」

「そうキュイねえ。やればやれると思うキュイ。だけど、それだと魔法が解けたらモンスターに戻ってしまうキュイ。お腹壊すかもしれないキュイよ」


 魔法、めんどくせえ!

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