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ノスタルジック・ダンジョン  作者: 敷知遠江守
第1章 魔法少女プルシェリア①

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第3話 使い魔?

 ひと眠りして目が覚めたら夜だったみたいな最悪の寝覚め。しかも周囲は真っ暗。ここはどこだろう? 床がざらざらしているのはわかる。だけど畳や絨毯のようなざらざらじゃない。もっと他の、学校の校庭みたいな感じ。

 手を伸ばしてみても何にも当たらない。暗闇って、こんなに不安な事なんだ……やばい、怖い。恐怖で泣けてきそう。

 暗い……怖い……うわぁぁぁ!


”良く聞いてね。『ミラクル マジカル ラララララ!』手にしたマジカルスティッキを振って、そう唱えなさい”


 そうだ! あの年増、最後にそんな事言ってた!


「みらくる まじか……る」


 いやいやいや、恥ずかしいって。

 これ、もし誰かに聞かれてたら私の人生終わるじゃん。


 ……でも、このまま真っ暗の中で放置されたら、それはそれで私の精神が持たないし。恥ずかしいけどやるしかないか……


「みらくる まじかる ららら……」


 周囲から声が反響してきた! つまり周囲には壁がある! 潜水艦のソナー員の人ってこうやって周囲の状況を探るんだよね。読んでて良かった「沈黙〇艦隊」。

 って! それだけなら、こんな恥ずかしい台詞じゃなくて良いじゃん!

 くっそ! あの年増め、適当なアドバイスしやがって。


 ……やばい、全然暗闇に目が慣れない。定期的に恐怖が襲ってくる。

 そうだよね。恥ずかしいとか言ってられないよね。もう一回やってみよう。


 そういえば、何かを振って唱えろとか言ってたような。もしかして、床に落ちてる?

 え? どこ? どこ? ん? 何か手に当たった! これか!


「みらくる まじかる ららら!」


 お、何か手にした棒から星が舞った!

 星が舞った……よ?

 え? それだけ? 嘘でしょ?


「みらくる まじかる ららら!!」


 何で少し星が舞うだけなのよ! こんなのじゃあ、懐中電灯にもならないじゃないのよ!

 あんのクソ女神! 次会ったら覚えておきないさいよ!


 ……やばい、泣けてきた。何で私ばかりがこんな目に遭わないといけないのよ。

 上司にいびられて、暴走車の破片に殺されて、あんな年増女神にまで馬鹿にされて。

 何で私ばかりがこんな目に……


「何が、『みらくる まじかる らら』よ……」


 また棒の先から星が舞った。何をくれたのかと思えば、まさかの幼女用の玩具だなんて。あいつの話からすると、ここって危険なダンジョンなんでしょ? 魔法が使えるようにって言ってたけど、こんな幼女用の玩具をちょっと光らせるだけの魔法なんて、何の役にもたたないじゃないのよ。


 あいつ、めんどくさがって、詳しい事は使い魔に聞いてとか丸投げしてやがったけど、使い魔なんてどこにいるってのよ。


「みらくる まじかる……あれ? その後って『ら』はいくつだっけ? らららららだったような」


 あっ、さっきより舞う星の勢いが凄い! そうか、私が正確に言えてなかったんだ。


「ミラクル マジカル ラララララ!」


 うわっ! 棒の先から星が溢れて来る! わあ、何これ! 次から次へと星が出てくる!

 ううわ……星の明かりで気付いたけど、私裸なんじゃん! ちょっとこれ、誰も見てないでしょうね?

 ん? 星が服になってく? 良かった。とりあえず真っ裸を誰かに見られる事態だけは避けられたみたい。

 何か幼児が喜びそうなフリフリのイタいデザインの服だけど、この際贅沢は言えないか。


 あれ? 服を着終えたのに、まだ星が溢れ出してる。

 何、何、何? この形は、鯨?


「ぷはっ! やっと呼んでくれたキュイ! ずっと呼んでくれるのを待ってたんだキュイ!」


「もしかして、あなたが私の使い魔とかいうやつ?」


「初めまして。魔法少女プルシェリア! 僕はイルカのフリッツだキュイ!」


「……えっと」


 情報量が多すぎて、何も入ってこないんですけど。

 落ち着け、落ち着け私。こいつのペースに飲まれてはいけない。飲まれたら、またあの年増女神の時と同じ事になってしまう。大きく息を吸い、そしてゆっくり鼻から吐き出す。もう一度。


「えっと、フリッツって言ったっけ。あなたイルカなのよね? なんで、浮いてるの? なんで普通に喋ってるの? 何で私の事知ってるの?」


「その質問の答えは簡単キュイ! 僕がプルシェリア専属の使い魔だからキュイ!」


 ……全然答えになってないじゃん。ChatG〇Tだってもう少しマシな返しするよ?


「えっと……じゃあ聞き方を変えるわね。使い魔って何?」


「使い魔は魔法少女を補佐する従魔キュイ!」


「悪魔なの?」


「僕、モンスターに見えるキュイ?」


 聞いているのはこっちだってのに。ああ、イライラする! 落ち着け、落ち着け私!


「じゃあ、一旦、その話は置いておこうか。もしかしたら、おいおい理解できるようになるかもしれないからね。さっきから、魔法少女とか言ってるけど、それって何の事?」


「プルシェリアの事キュイよ!」


「プルシェリアって何?」


「魔法少女の名前キュイ!」


 なんだろう、さっきから話が全然前に進んでる気がしないんだよね。


「もしかして、そのプルシェリアって私の事?」


「そうキュイ! やっと理解してくれたキュイね。説明も楽じゃないキュイ!」


 くぅぅぅぅ! なんで私の方がポンコツみたいになってるのよ!


「魔法少女って事は、何か魔法が使えるんだよね? どんな魔法が使えるの?」


「プルシェリアは、物質を別の物質に変換する魔法が使えるキュイ」


「えっと……それは例えばどんな?」


「例えばと言われても言った通りキュイ。プルシェリアはどんな事がしたいキュイ?」


 意思疎通の難度が高すぎて涙出そう。


「とりあえず、明かりを付けたいんだけど」


「ならそのマジカルスティッキを振って、魔法の言葉に次いで、命令を告げれば良いキュイ!」


「みらくる まじかる らららら 明かりよ付け。こう?」


「もっと元気よくやるキュイ! 何も恥ずかし事じゃないキュイ!」


 くそっ、このイルカ……腹立つなあ。こうなればヤケクソよ。


「ミラクル マジカル ラララララ! 明かりよ付け!」


 お! 星がマジカルスティッキから溢れ出して、周囲を明るく照らし始めた!

 おお! 明るい!

 おお……あの人、誰?

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