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6、侯爵邸家族会議

◆ 侯爵家・応接室


「――あれから毎日殿下から贈り物が届いております。本日はシルクのドレスが五十着、馬車三台、そして庭の薔薇の花がアリシア様に似ていたとの事から城内の温室ごと、それから〜」


執事が読み上げる声に、一同真っ青。

隣では父・レーヴェ侯爵が、重く頭を抱えていた。


「アリシア何かしたのか?」


「何もと言うか、むしろ外出も控えていますし、最近はお手紙も返しておりません。」


「それが逆効果なのでは?」

と、弟のエドガーが震え声で呟く。


「先週など、アリシア様が不安にならぬよう、騎士学校を王都の近くに移設する案について相談されましてな。」


「それ、陛下の承認いるだろう!?」


「それが、すでに得ておられました。」


(一同、沈黙。

空気が張りつめる。)


「娘を皇太子妃に、という話自体は大変ありがたい。だが、これはその、政略とか、王家の意志とか、そういう次元なのか?」


「皇太子殿下のお立場ではなく、ただ一人の男の恋なのでは?」




そしてその夜。

アリシアの部屋に届けられた書簡には、こう綴られていた。


> 「僕は君の父上と弟君を尊敬している。とても良識的で、大切な存在だ。

でも、もし君が自分にはふさわしくないなんて思ったら、

僕はこの国の貴族制度そのものを廃止してでも、君を迎えに行く。

だから、どうか心配しないで――愛してるよ。

フィリップより」



侯爵家の家族会議で父が重く口を開いた。


「近いうちに、正式に婚約発表があるだろう。私からは何も言えぬ。心しておけ。」

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