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第46話「記録武装・交錯する戦場」

興味を持って覗いていただきまして、ありがとうございます。

作品ナンバー3。

ゆっくり投稿していきたいと思います。

魔導潜水艦ラグナ・リリス最終形態《深淵殻》から射出された悠真は、宙を切り裂くように飛翔し、《再観測体》の大軍に突入した。


「行くぞ、記録武装――《コード:ディープフォーカス》!」


彼の背後で展開された六枚の魔導ブレードが青白い残光を放ち、まるで観測結果を改竄するように敵の存在そのものを斬り裂いていく。

接近する異形が時間凍結のフィールドに包まれ、動きが止まると同時に切断。


《時空の焦点を一点に収束させる》――それがこの武装の能力。


「俺たちの記録は、俺たちで書き換える!」


悠真の目には迷いがなかった。

ただ、守るべき仲間たちが、自分の後ろにいると信じていたからだ。



「記録武装、発動……《オラクル:エンチャント・ナンバーズ》!」


エリンの背後に現れたのは、無数の魔導数式陣――それは未来を演算し、確率を自在に操る魔法支援機構だった。


敵がエリンに迫るたび、その軌道がずれる。

矢が外れ、斬撃が空を切り、彼女の杖先から放たれる光弾は常に急所を穿った。


《確率の再構成》――彼女の未来は、選び取られた運命。


《お願い、みんなの生存確率、今だけでいいから100%にして……!》


心の中で祈る彼女の背には、まだあどけない少女の面影があった。

それでも、戦場で彼女は確かに「守り手」だった。



「観測開始。《記録武装・マギアコード:ヴァンテージリンク》、展開。」


セラの瞳に浮かぶ魔法陣は、かつて《クリムゾン・スパイア》で得た全ての知識を呼び覚ます。

彼女の武装は《観測支点の強制リンク》――仲間の視界、感覚、思考すら共有することで、戦場の全容を「上位観測」できる。


《ユウマ、右から二体。エリン、背後注意。レーフィ、地形が不安定、重力異常あり。》


彼女は戦わない。

だが、全員の眼となり、脳となり、勝利の条件を積み上げていく。


《私が見てる。だから安心して進んで。私は、私たちの「記録」を見届ける。》



「記録武装――《レガシーコード:サンクティ・フォルス》、起動。」


白銀の槍と盾を持ったシアが宙を駆ける。

その武装は《絶対拒絶領域》。

空間に神聖結界を展開し、あらゆる干渉を拒む「清浄な力」で構成されていた。


彼女の戦場は仲間の前線のすぐ背後。


《これは、私の場所。誰にも譲らない――守るって決めたから。》


巨大な《再観測体》の咆哮に揺れる空間を、盾が守り、槍が光を貫く。

決して諦めない信念が、結界の核となっていた。



「――《記録武装:レクイエム・オブ・トゥルース》。さあ、暴いてあげる。」


レーフィの剣は淡く輝く蒼――だが、その一閃には世界そのものを切り裂くような重さがあった。


彼女の武装は《真実強制開示》。

敵の隠された能力、幻術、観測撹乱すら打ち破り、その本質を暴き出す。


「観測データ改竄、発見。解除完了。――次。」


淡々と、冷ややかに戦場を掃除していくレーフィ。

その瞳の奥に宿るのは、戦う理由を取り戻した少女の、静かな炎。



「記録武装、《境界記録:アジャスター・プロトコル》起動――」


《境界調律》の力を取り戻したゼインの体が輝きを放ち、《再観測体》の構造が解析されていく。


「君たちは『間違った観測』の産物……なら、僕が調律してあげるよ。」


彼の記録武装は《存在境界線の再定義》。

一度でも触れた対象は、その存在条件そのものを書き換えることが可能だった。


《再観測体》が凍り、溶け、縮小し、ついには光となって消える。

ゼインの指先ひとつで、それが決まる。


《君たちには、存在する理由がない。》


――その言葉が、静かに戦場に突き刺さった。



「来いよ、記録武装――《コード:アーカイブ・ハウリング》!」


灰銀の双剣を手にしたリオンが、爆発と叫びの中を疾駆する。

彼の記録武装は《過去戦闘記録の再演》。

一度見た敵の動き、戦法、全てを記憶・再現し、それを超える技を即座に編み出す力。


「前と同じパターンだな。だったら――《狼牙・断影連閃》!」


一閃、二閃、三閃。残像すらも刃と化し、再観測体を次々と切り裂いていく。


彼は誰よりも無鉄砲で、誰よりも仲間を信じていた。


《今の俺には、帰る場所がある。それだけで十分だ!》


リオンの咆哮が、戦場を鼓舞する狼の遠吠えとなる。

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