第38話「核心へ」
興味を持って覗いていただきまして、ありがとうございます。
作品ナンバー3。
ゆっくり投稿していきたいと思います。
白い光が五つの扉から同時にあふれ出した瞬間――
空間そのものが共鳴するような振動とともに、全く異なる構造の回廊が出現した。
そこは、円形に広がる広間。
天井も壁も、古代の神殿のように荘厳でありながら、どこか機械的な秩序すら感じさせる構造体だった。
悠真が最初に扉から姿を現すと、次いでシアが、静かな気配を纏って現れる。
続いて、セラ、エリン、そして最後に、ゆっくりとレーフィが歩み出てきた。
「……みんな」
悠真が呟いたその声に、他の四人が同時に顔を上げる。
「無事で、よかった……!」
エリンが真っ先に駆け寄り、涙をこらえきれずに悠真の腕にしがみつく。
それは、どの試練よりも過酷だった時間の重さを物語っていた。
「……想像以上のものだったわね、あの通路」
シアは少し唇をかすかに震わせながらも、いつもの冷静さを取り戻そうとしていた。
「けど、乗り越えた。それぞれ、自分の中の何かと向き合って」
セラの言葉には、覚悟と静かな誇りがあった。
一方、レーフィは皆を見渡しながら、何かを探るように小さく呟いた。
「……皆が、ちゃんとここにいる。それが、真実だったんだね」
その瞬間、円形の中心にあった台座が音を立てて沈み込み、代わりに中央に一本の“塔”が現れた。
塔というよりは、無数の光が縦に連なった“情報の柱”。
魔導文字が脈動するように浮かび上がり、空間全体に何かが起ころうとしていることを告げていた。
《検証完了。五つの通路、完全突破を確認》
それは、無機質だがどこか女性的な声――
「……エーリカ?」
悠真が声を漏らすと、宙に光の姿が揺らめき、ラグナ・リリスの管理AIのホログラムが映し出された。
《当艦との通信は不安定ながら回復中。現在、艦内におけるノード13の起動が確認されました。ラグナ・リリスは、指定ポイントへの“収束転送”を準備中です》
「収束転送……? この場所は?」
《《終末回廊》の“核心層”への前室です。ここから先は、各位が得た記憶・意思・犠牲・忘却・真実――それらの情報を統合し、“存在の総意”として進む必要があります》
セラが、微かに目を伏せて呟く。
「存在の総意……この世界そのものの、在り方に関わる何かってことね」
「なら、俺たちはただの探索者じゃなくなったってことか」
悠真は一歩、塔へと近づく。
そして、全員が自然と彼の後に続いた。
その時、塔の最上部から一本の光が天へ走り――空間の端に、黒く縁取られた“扉”が浮かび上がる。
《この先は、未記録領域。全記録をもってしても、到達した事例は存在しません》
「……行こう。ここからが、本当の意味での核心だ」
悠真の言葉に、誰も迷わなかった。
それぞれが過去と向き合い、自らの信念を握りしめ、仲間たちと再び並び立つ今。
たとえその先に何が待っていようとも、進むしかない。
それが、この世界に選ばれし者たちの“意志”なのだから。
光の扉が、音もなく開かれる。
次なる世界への旅が――いま、始まろうとしていた。
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