第五話 初登校後の夜…そして絶望の記憶
帰り道を教えてもらってから家に帰って、晩御飯をごちそうしてあげたら結構喜んでくれてよかった。時短レシピはあまり思いつかなかったからちょっとだけ凝った料理とかなり時短のレシピを作ってあげた。いろいろ気になったみたいで色々私に質問してきていた。そして晩御飯を食べた後は少しだけ話してから帰って行った。あそこまで帰るのに大体30分ぐらいかなぁ……まあ、助かったけどここから帰るの大変なんだろうなぁ……。
彼が帰った後の家は静かで私が歩いている音しか響いていなくて静かだった。本当に静かで……ちょっと寂しい、やっぱりこれはどうしようもできないのかな……とか思っていた。彼氏とか作らないとこの寂しさは消えないのかなぁって、思ってたけど私には最強のあの人が居るんだった!そう思って私はとある人物に電話をかけた。その人は……。
「なんであんたは……私がお風呂に入っている時に電話をかけてくるんだ……」
そう、私の大親友姫路陽菜ちゃんだ!今日勝手に帰ってしまったからいつか電話かけてみようかなって思ったけど、まさかまたお風呂に入ってるとは……。
「ごめんごめん。今日私置いて行かれたからいつか勝手に電話かけてやろうかと思ってたんだけどね、偶然偶然」
「絶対私がお風呂に入ってるタイミング知ってるでしょ、私知ってる」
今私はお皿とかを片付けている。今日はそんなに多くはないけど、また誰か来た時に困らないように定期的に洗っている。今日は引越し2日目だしホコリも溜まってるだろうから全部洗っている。5人分全部……。そんな音を聞いたのか、こんなことを言ってきた。
「大変だねぇ……食器洗ってるみたいだけど……何人いるの?」
「あー、今日は私1人だけど家の食器全部洗ってるの、誰か来た時に食器無いと困るからね」
「偉いねぇ……わたしやんないよ……??」
ふふっと笑いながらそんなこと言ってるけど、陽菜ちゃんも実は一人暮らし中、大丈夫なのかなとは思ってしまった。まあこれが姫路陽菜ですので、もう何年も関わってきてわかってしまった。まあ、関わってたのはだいぶ前だけど……。
「ぼーっとしてたらお皿落としちゃうかもよ?声聞こえないしなんの音もしないからちょっと不安なのだけどー」
「あ、ごめんごめん、昔のことちょっと思い出しちゃってね……」
「忘れなさい、それは」
「……」
本当にそう、忘れた方がいいのは事実だ、だけどわたしの記憶からは永遠に消えることは……無いんだろうな……。
悔しいし情けない。なんであの時私はひとりで抱え込んだの……どうして……。
「結花、ひとつ言ってあげる」
「なに……」
「私、あなたが転校してからずっと悩んでたの、どうしてあんないい子を虐めるんだって……結花はすっごい頑張ってたじゃん」
そんなことを言う陽菜ちゃん、喋り疲れたらしく、1呼吸置いてから続けた。
「結花は頑張り屋さんで、人の事ちゃんと見てたからクラスのクラス委員長になれたんでしょ?小学生なのにすごいなぁって私ずっと思ってたのよ」
そう言ったあと立ち上がったみたいで、ばしゃばしゃと言う音が聞こえてきた。
「ごーめん、ちょっとのぼせたからお風呂上がるけど話させて」
その言葉を私は無言で聞いていた。今はそれが正解だと思ったから。
「クラス委員長ってね、私は結花みたいなみんなをちゃんと見られて理解できる人じゃないとなれないと思ってるの、あの時のいじめの理由、知らないよね」
「知ってるわけないじゃない!!!!」
ガッシャーンと、隣で音が鳴り響いた。お皿3枚割ってしまった。でも今はそんなこと気にする余裕なんか……。
「結花、落ち着いて」
「私は至って冷静だよ?そう、冷静なんだよ?」
「じゃあ、なんで声が震えてるの?今家行くから待ってて」
そうして電話は切れた、私……何がしたいんだろう……。
ブツブツとなにか言っていたけど自分でも分からなかった。そして私はその独り言とともに意識が闇の中に消えていった。
雨宮瑞月です!ここまで読んでもらえたら嬉しいなと思います!
ここを読んでいる人は暇な人か私の小説が大好きな人なんですよね、ちなみに私は小説の後書きなどはあまり読まない人です。だからこうやって真面目に書いていても読まれないのかな、どうなのかなと心配になっていたりします。
ちなみに毎回内容は即興で考えています。でもその即興が楽しくて続けているというものがあるのでこれからは後書きはあまり飛ばさずに読もうかなと思います。
これからも雨宮瑞月を、一つの恋の方程式をよろしくお願いします!