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短編小説

幸せになりなよ

作者: 雨宮雨霧
掲載日:2025/03/25

笑顔で君は言った。

「私ね、結婚するんだ。」

そっか。そうだよね。

君が好きなのはあの人なんだ。

私も好きなのに。

私のほうが君のことが好きなのに。

悔しくて悲しくて嬉しくて。

その言葉を聞いた夜は枕を絞ったら水が滴るくらい泣いた。


私はずっと君のことが好きだった。

君に好きな人ができたって。

彼氏できたって嬉しそうに言う君に。

私はなんて返したらいいか分からなくなったよ。

おめでとう、って言うのが。

すごく苦しくて喉が絞まる感じがした。


君はあの人のことばかり。あの人が好きだってとても分かることを話す。

「犬派なんだって。私は猫派なんだけどなー、でもね、今度猫カフェ連れて行ってくれるって!」

「メールの文章おかしくないかな?大丈夫かな?」

「デートの服一緒に選んで!」

楽しかったよ、君と過ごすの。

辛かったけど、笑顔の君を見れるのが一番嬉しい。

でもやっぱり、心が空っぽになった気分。


片思い、これからもさせてね。

もし君が泣いてこちらに来たら。

ずっと離さない。離せない。

行かないでほしいから。

私のことを好きだっていうけど。

その好きは友達としてだもんね。

分かっている。

分かっているけど。

なんでこんなに寂しいんだろう。

なんでこんなに苦しいんだろう。

胸が張り裂けそうなくらい泣いて、君の笑顔ばかりが脳裏に浮かんで。

ねぇ、なんで?なんで私じゃないの?神様は私を見捨てるの?


白いドレスを纏う君の笑顔を見たらもうだめだよ。

君に必要なのは私じゃなくて彼。

私なんて選択肢にもならない。

私or彼、なんて選択は君にはない。

彼しか選択肢にないんでしょう?

私の知らないところで幸せになりなよ、私はもう必要じゃないんでしょう。


「お幸せにね。」

「それはお互い、でしょ?」


君が居ないと私は幸せになんてなれない。

君が隣に居ないのに幸せになんてなりたくない。

君だけで十分なんだ。

幸せになりなよ、絶対。

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