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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編小説

幸せになりなよ

作者: 雨宮雨霧

笑顔で君は言った。

「私ね、結婚するんだ。」

そっか。そうだよね。

君が好きなのはあの人なんだ。

私も好きなのに。

私のほうが君のことが好きなのに。

悔しくて悲しくて嬉しくて。

その言葉を聞いた夜は枕を絞ったら水が滴るくらい泣いた。


私はずっと君のことが好きだった。

君に好きな人ができたって。

彼氏できたって嬉しそうに言う君に。

私はなんて返したらいいか分からなくなったよ。

おめでとう、って言うのが。

すごく苦しくて喉が絞まる感じがした。


君はあの人のことばかり。あの人が好きだってとても分かることを話す。

「犬派なんだって。私は猫派なんだけどなー、でもね、今度猫カフェ連れて行ってくれるって!」

「メールの文章おかしくないかな?大丈夫かな?」

「デートの服一緒に選んで!」

楽しかったよ、君と過ごすの。

辛かったけど、笑顔の君を見れるのが一番嬉しい。

でもやっぱり、心が空っぽになった気分。


片思い、これからもさせてね。

もし君が泣いてこちらに来たら。

ずっと離さない。離せない。

行かないでほしいから。

私のことを好きだっていうけど。

その好きは友達としてだもんね。

分かっている。

分かっているけど。

なんでこんなに寂しいんだろう。

なんでこんなに苦しいんだろう。

胸が張り裂けそうなくらい泣いて、君の笑顔ばかりが脳裏に浮かんで。

ねぇ、なんで?なんで私じゃないの?神様は私を見捨てるの?


白いドレスを纏う君の笑顔を見たらもうだめだよ。

君に必要なのは私じゃなくて彼。

私なんて選択肢にもならない。

私or彼、なんて選択は君にはない。

彼しか選択肢にないんでしょう?

私の知らないところで幸せになりなよ、私はもう必要じゃないんでしょう。


「お幸せにね。」

「それはお互い、でしょ?」


君が居ないと私は幸せになんてなれない。

君が隣に居ないのに幸せになんてなりたくない。

君だけで十分なんだ。

幸せになりなよ、絶対。

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