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いざ、商業ギルド〜福祉用具店を開きます〜6

ベランダの所狭しと並んだ植物を見て、開いた口が塞がらない。

…予想してたよりも成長スピードが異常に早すぎる…


「これって……」

「半分がマチャですね。その他は私の好きなのを植えてます」

あぁ…えっと……これがマチャだろう。

別名、薄木とは聞いていたけど本当に厚みが無く薄く高さも60cm程しかない。


……指で突けば破れるかな……?いや、違う問題は……そこじゃない…そこじゃないんだ。


「…リーフ?私、頼んだのって、2日前の夜だったと思うんだけどね?ここまで直ぐに成長したってこと?」

「はい」

……おっふ。

何事も無いように頷かないで…


「マチャの素材はありましたのでそれを1度解析させて頂き種を生成し、その後魔力を含ませた土に植え、更に魔力で空間を満たし、後はサン様から貰ったこの液体を混ぜた水をあげました。その際水にも魔力を含ませると良いとの事でしたので、含ませてから水やりすると直ぐにこの大きさまで育ちました」


小さな紫の瓶をを手に持ち説明してくれるけど、そうか……サン…液体って何を渡したの……。


思わず白目を剥きそうになるのを何とか堪える。

「すぅぅぅ………サンンンンン!!?」

思わず叫ぶと、ンニャ!?と驚いた声が遠くから聞こえ次の瞬間には目の前にサンが居た。


「もうっ!びっくりしたよ!一体どうしたのさっ!」

何も言わずに、後ろを指差すとサンも釣られて振り返り固まる。

「……あはっ…何コレェ…」

「ねぇ…サン?この瓶に見覚え勿論あるよね?…これなぁに?」

瓶をフリフリとサンの前に出すとサンが後ずさる。

「ルーズその真顔怖いよぉ…それはグーングン液って呼んでてね?色々と試作品を作ってた時に出来た副産物というか…。いやっ!でもここまで成長スピードが早いとは思わなかったなぁ……」

マチャを少し引っ張り感触を確かめている。


「はぁ…分かった。もういいけど何か試すならしっかかり報告して。心の準備が必要だから」

「はーい!しっかり次からは報告するよ」

是非そうして……。


「それにしても、まさかここまでとは…リーフの魔力量もだけど属性だろうね…光属性でも、ここまでは育たないから」

サンが他の植物も興味深そうに観察してる。


「ねぇ?リーフ。どんな風にしてるか見せて貰っても良い?」

私がそう聞くとサンもたまらずお願いする。

「分かりました。少し待ってて下さい」

リーフが部屋に戻り、細長い葉を持って来る。

「これがキッカの葉です。王城の庭師の方から貰いました。ここでは少し狭いので外に行きましょう」

屋敷の裏側に周り、丁度空いている場所にリーフが結界を張り、土にも手を触れながら魔力を送り込む。


「ここなら問題ありませんね」

リーフが手を叩くと葉の周りを青白い光がゆっくりと包み込む。

「解析完了しました。次に移行します。」

光が止まったと思えば、空中には種が浮かび上がっている。

その種を大事そうに持ち、空いているスペースに植える。

「魔力水とこのサン様から貰った液を、少し多めに垂らしながら魔力を送ります」

5秒も経たずに、芽が出たかと思えば、スルスルと大きくなっていき私の背丈を軽く超える立派な木に成長した。

「「…………」」

サンも驚いたのか何も言わずに目を白黒させ思考が停止する。

「ねぇ……これって………」


「ふふ!あはははは!!げほっ!エホッ!…はぁ。まさかすぐに木が生えるなんて……あはは!駄目だ…本当に面白いし初めて見たよっ!これは本当に凄い!!」

爆笑しているサンを尻目にキッカの木に触ってみる。

表面がツルツルとしていて滑らかで手に吸い付くような触り心地…。

木の部分からもキッカの葉の香りがして凄く落ち着く…。

この木を欲しくなる理由が凄くわかる。


「これで、キッカの木が準備出来たのでカウンターが作れますね」

リーフも隣に来て木を見上げ撫でながら話す。


確かにこのキッカの木を使って作るカウンターはとても良い物が出来そう…。

「ふふっ。はぁ…長い長い時を過ごしてきてまさかこんなにびっくりする事がまだあったとは…。ルーズ、このリーフの力は異次元なレベルだよ。種の生成も、成長速度もリーフにしか出来ない…これからも隠してる方が良いと思うよ」


たしかに。

サンの言う通りだろう。

色々な種類の植物を全て育てられるだけでも凄いのに、成長速度まで加わりレアな素材が簡単に手に入る。その恩恵は計り知れない……。


「分かった。リーフこれからも頼む事があると思うけどそれ以外は出来ればその力は隠すようにしていこう」


コクリとリーフが頷き、手を引かれる。

「このキッカを加工して貰えますか?」

確かにこの木のままじゃ使えない。

長い1枚板サイズに風魔法でカットする。

「板になると尚更綺麗だねぇ。その余った板はどうする?」

「んー…リーフはどうしたい?」

「キッカの木は何にでも、使えますしモリー様が欲しがっていたのでモリー様に」

確かに。

キッカの木の話の時凄く食い付いてたもんなぁ…


「分かった。そうするね」

改めてリーフにお礼を伝えてショーンを呼び、私と風魔法で浮かせながら馬車に積み込む。


「よしっと。ショーンありがとう。明日これをモリーさんの所に届けて貰っても良いかな?」

「分かりました。明日の午前中に持って行って来ますね」

モリーさん宛に、どの板をカウンターにするかと余った木はモリーさんにあげる事を手紙に書きショーンに渡しておく。


これで良しっと。

「ルーズ様、ナキと魔導具のカーミラとコータがルーズ様に話したい事があると言ってましたよ」


話したい事?

マチャの事もあるし、オムツの量産生産の話もしたかったから丁度良いかな。

「分かった。夜ご飯の後に皆で話そう。オムツの生産の件を私も話したいから」

「あっ!ショーンそれならヒュドも呼んでくれるかな?作る話だとヒュドが居る方が分かるだろうから」

確かにサンの言う通り量産するなら魔導具か機械がある方が助かる。

ヒュドに時間を伝えて、来てくれる事になった。



夜ご飯の後、小さな子達の寝かせ役をアクアとサハラに頼んでナキ、ショーン、ソイ、カーミラ、コータ、スー、リーフ、サン、ヒュドと話し合いをする。


「さて、ナキとカーミラとコータから話があるとの事で今日は集まって貰ったけど私からも1つ。マチャの栽培の目処が立ったので早速オムツの量産に取り組んでいきたいんだけど、どうかな?」


「流石ルーズ様ですね。もうマチャの栽培が…」

皆が驚いた声をそれぞれ上げる。

うん…まぁ私も今日知ったし驚いたんだけどね……


「あの!その話なのですが、魔導具の制作が落ち着いたら私も手伝いたいです!」

カーミラはオムツの生産もしてみたいのか。

魔導具制作にしてもある程度の在庫のストックが出来たら確かに少し余裕はあるかな…

「分かった。オムツについてはナキにも任せたいんだけど良いかな?」

「はい、大丈夫です」


「ンンッ!そのオムツとやらを量産するにしてもどうやって作るんだ?工程を分けて考える所からじゃな」

ヒュドにもパットやオムツを渡し、触れてもらい水を上から垂らしながら説明する。

吸水力を見てヒュドも興味が湧いたのか、パットを破き中の素材を確かめる。


「これは…面白いのぅ!水をみるみる吸水しながらも漏れておらん!捨てる事が少し勿体無いと思う程じゃ」

水を垂らし濡れたパットの表面を触りながら目を輝かせている。


ん〜…確かに。初めは慣れてないと勿体無く思うだろうけど、洗濯の手間や感染症対策にも繋がる事を思えば捨てる事にも慣れるだろう。


「これだとそうじゃなぁ…中身を調合し作る、マチャを薄く伸ばす、包む、後はこの接着面を作るの工程かの。大雑把に分ければじゃ。中身にしても、砕いたユンギ草とシープボアを交ぜる魔導具ならすぐに完成するとして、マチャを伸ばす作業と包むのは人の手の方が良いかの…」

「確かに、薄くするのは大変でしたね…」

ナキが思い出したのか、しみじみと話す。


そうなると人手がまた必要になるという事か…

「明日面接で人手はこれからも増やすつもりだからそれは大丈夫だと思う」

「それなら良かったわい。あと接着面と梱包じゃが、それなら魔導具で出来るかの。とりあえずその魔導具製作なんじゃが…」

「あの!僕達にもその魔導具製作を手伝わせて頂けませんか!?」

コータとカーミラが勢い良く、席から立ち上がりヒュドに頭を下げ、驚いたヒュドと目が合う。

2人は魔導具に関して、ある程度の基礎は分かっているし大丈夫だろう。

その意味を込めヒュドの目を見て頷く。

「分かったわい。明日の朝から家に来たらええ」


ヒュドの返事を聞き2人とも嬉しそうだ。

色々な改善案、作るスピードと言いヒュドから学ぶ事は沢山あるから良い経験になるだろう。


魔導具についてはヒュドと2人に任せるとして……


「ナキ達の話したい事は?」

「私の話したい事でしたらオムツの制作に辺り、人手の件でしたので明日の面接と魔導具次第になりますから大丈夫です」

「分かった。カーミラとコータは?」

「私はナキさんにも話してたんだけどオムツの製作を手伝いたいって事だったんだけど、先に魔導具なので大丈夫です!」

「僕も、大丈夫です」

「分かった、皆これからオムツ製作でも忙しくなると思うけどよろしくね!」

「「はい!」」

「「分かりました!」」

子ども組は寝に行き、ヒュドには必要な素材を渡して見送る。

店の商品にしても色々と決まってきたし後は頑張るのみ。






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