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いざ、商業ギルド〜福祉用具店を開きます〜2

家に着き、孤児院を作ってくれているラグを部屋に呼ぶ。

「工事進んでますね、いつもありがとうございます。実は店を開く事にしたので店の改装をお願いしたいのですが」

「お!改装となると、リフォーム業者の方が良いぞ!一から作るのとは、また違うからな…知り合いの店を紹介しようか?」

「是非、お願いします」

私がそう言うと、ラグが場所を地図に書いてくれて紹介状も渡してくれる。

「これを見せれば俺からってすぐ分かるだろ。腕は良いのは確かだ。じゃ、俺は戻るけどまた何かあれば何時でも言ってくれ」


それなら安心して任せられるかな。


ラグにお礼を伝えショーンに皆をリビングに集めてもらい皆が集まって貰ったのを確認して、店を開く事を子ども達にも発表する。


お店を開くと分かると子どもたちの反応は様々だった。店番をしてみたい!と小さな子達は興奮し、上の子達はどのような店にするべきか話し合ったり。


「バリアフリーの店で段差は無い方が良いよね!」

「確かに!でも棚の高さも考えなきゃダメだよ」

「私の作った魔導具もそこに並ぶのかな……大丈夫かな?少しお腹痛くなってきた気が……」


皆、口々に意見を出し合い楽しそう。


……いや、1人不安そうな子も居るな。カーミラか。

しばらくは私も一緒に教えるから頑張ろう。ね?…

カーミラを慰めていると、ソイがおずおずと手を挙げる。


「ルーズ様!それならまた人は雇うつもりですか?」

「うん、ソイ。何人かは増やそうと思ってるよ」

「あの…その件でお願いがあります…」


ソイのお願い?

珍しい……ソイからの頼みは初めてだ。

「うん、何かな?」

「その…貧民街で16歳以上になると仕事に就くために炭鉱に出ていく人達も居るのですが怪我をしたりして続けられなくなって貧民街に戻ってきた人も居て……その中に、僕もお世話になった人達も居るんです。どうか雇って頂けないでしょうか…?」


振り絞るように話す、ソイの言葉に子ども達が話を止めこちらを不安そうに見ている。


ソイ以外にも知ってる子が居るんだろう。


そっか。

働く場所か…。

実際怪我の具合にもよるだろうけど、傷は塞がってても後遺症があり、同じ仕事を続けられない等もあるだろうし……。

うん決めた。


「ソイみんな、大丈夫だから。是非、1度その人達と会ってみて面接をさせて貰っても良いかな?」


私がそう言うと、ソイも子ども達も嬉しそうだ。

「分かりました!ありがとうございます!!明日先王様への訪問が終わり次第、伝えに行ってきても良いですか?」


「うん、お願いします」

ソイが頷き、隣に居たスーも良かったねとソイと話してる。


面接の日程にしても、こちらの可能な時間を何日かに分けてメモに書いて渡しておく。


「じゃあ、明日ショーンとソイで先王の訪問ね。ショーンが居るから安心だね、その訪問が終わり次第ソイは貧民街に伝えに行く。私とリーフとサンは先王の妹の、ご婦人に会いに行き要望を聞いてケアプラン作成と……それが終われば内装工事も依頼しに行こうか……」


ナキとスーは小さな子達のお世話で、サハラとアクアで授業と…後は……

「あぁぁあ!!!」

突然スーが叫び出し驚きすぎてビクッとなる。

「あ!ごめんなさい!!それよりこれ見て下さい!ルーズ様!!!」

スーが袋から何かを取り出して並べる。

これは……まさか…………

パット?パットだ!!!

この手触り大きさ!

「これ、パット!!凄い!出来たの!?」

「はい!!皆と素材を色々聞いては試して、ナキの案で色々な素材を組み合わせてみたんです!その結果これが1番おしっこを吸うのですが、漏れませんし肌触りも良くて」

確かに。

肌触りは優しいし、これなら沢山吸ってくれそうだ。

何より皆で色々話し合って作ってくれたんだ。

それが嬉しい。


「ありがとう…これどうやってこの形にしたの?」

窪み部分もあるしそれが気になった。

絵にして説明したりはしたけど作り方までは……

「それは、あの…私が説明させて頂いても宜しいでしょうか?」

「うん、ナキお願い」

「まず、この素材なのですがシープボアの毛とユンギ草とマチャを混ぜました」

3種類混ぜてるのか…

シープボアは魔物では無く、家畜として飼われているフワフワの白い毛に目が1つしかない動物だ。

大きさは前世でいうところの、馬位。

毛が伸びるスピードも早く刈っても2週間で元通りに戻る為、様々な物に活用されている。


ユンギ草も、様々な物に活用されていて葉っぱと、実から素材が取れる。水辺の川沿い等に自生していて吸水力に優れている。


マチャは別名、薄木と呼ばれている…までしか知らないな……


「シープボアだけだと、吸水力はある程度ありましたが、体圧がかかると漏れてしまい……色々試した結果ユンギ草の葉と実を干して、砕きシープボアに練り込むように混ぜ合わせる事で漏れる事が無くなりました。実は消臭効果もあります。ただそれだけだと肌に触れるので荒れる可能性も考慮してこのマチャを上に被せて保護してます」


成程……

この肌触りは、マチャの薄く優しい素材で包んでるのか……。

「消臭効果までとは…」

ショーンも感心しながら触っている。

「この後ろ側は?」

後ろ側にしてもナイロンのような素材を使っている。

「そちらは、マチャに一定の温度を加えることでツルッとした表面になりますので」

ほぉ……

前世で言うところのビニール製になるのか…

いや、もう本当に凄いとしか……。

「後、ルーズ様が言ってた粘着式のテープなのですが、紙を止める際に使うペチャをマチャに塗ってみました」


ペチャをマチャ……

その響きが面白くて少し笑ってしまう。

いや、分かってる。

糊の事なんだけど、こちらではペチャって言うんだよね……。ふふっ。ペチャをマチャ。

私だけ笑ってるのを不思議そうに皆が見てる。

最近疲れてるか、自分でも笑いのツボが…。

駄目だ。落ち着こう…………


「作り方は分かったよ。凄い発明だと思う。本当にありがとう。これを大量生産出来るようにしたいんだけど、どう思う?」


「んー……工程を分けて流れ作業にしたら出来るかもしれませんが、まずは、マチャをどこかで栽培する事も必要になるかと思います」


シープボアは生産者と契約して量を増やしてもらう事が出来る、ユンギ草も依頼を出す事で数を掻き集める事は可能。

ただ、マチャは魔力が濃い場所でしか自生して居ない。魔力が濃いという事は勿論魔物も増える訳で……


んー…ビニールハウスみたいにして魔力を閉じ込めて栽培出来ないだろうか?


後でサンとリーフと話し合ってみよう……



その後、明日の訪問について最終確認をショーンと行い、自分の部屋に戻りリーフとサンとマチャの栽培について話し合う。

「魔力が必要なのなら、こういうので周りを囲って魔力が外に漏れない建物を作って中で私か、サンか、リーフが魔力を放出させて満たすことで出来ないかな?」


「それなら私の魔力が1番良いかと思います」

リーフの?

「私の属性は樹ですから。」

あ…そっか!!

リーフが居れば栽培は、凄く楽に出来る!!!



「もぅ…ルーズはそれを分かっててリーフにお願いしたんだと思ったよ」

サンも少し呆れている。

いや、本当抜け落ちてた…

「たまにはしっかり休みなよ〜?」

サンが少し不安そうに言う。

確かに…やる事とやりたい事が多すぎて最近ゆっくりできてないな……

「ん〜…でも今は楽しい気持ちが勝ってるから」

私の表情を見て、サンもヤレヤレと言いながら膝の上に乗り回復魔法をかけてくれる。

「本当は休んで欲しいんだけどね。ルーズはやると決めたら突っ走るから」

サンのお陰で体の疲れが、ゆっくりとほぐれる。

「ごめんね。ありがとう。リーフ栽培についてなんだけど場所は庭の一角で大丈夫かな?」

「問題ありません」


なら場所は…裏庭の方にまだ少し空きスペースが……

「あっ!ルーズ。一応隠せれるように植える方が良いからベランダにしとく方が良いよ。人の出入りもそれなら限られるでしょう?」


確かに……

リーフの属性は今のところ他に確認されてないから慎重にするに越したことはない。

精霊である事も1部の者にしか伝えてないしなぁ。

「そうだね…分かった。リーフベランダでお願いしても良い?」

「分かりました」

「はいっ!じゃあもう寝るよ!ルーズもリーフも明日も早いんだから」

サンに急かされベットに入る。



パットも遂に出来そうだし、そうなるともっと色々便利になるだろう。

布オムツは漏れやすいし、何より捨てる事が出来ないから洗濯の手間が面倒で。

後は販売価格をどこまで下げられるか……


そう考えてるといつの間にか寝てしまっていた。








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