いざ、王城へ2
「それにしてもルーズ様の考えには本当に驚きました。あの様々な物はどの位で完成予定なのでしょうか?出来たら是非見させて頂きたいです」
アルトが興味興味津々に聞いてくる。見てもらうのは、こちらとしても有難い事だ。王族なんて様々な物を見てるだけに、良いアドバイスをくれるかもしれないし……
ただどう作るか、そこなんだよね……
具体的にどういうものかを説明はできる。だけど、この世界にゴムなどあるのだろうか。
とりあえず依頼できる道具屋を探さないと。
サンに1度聞いた時は、
「そのゴムってのは分からないけどそれに近いものは魔物の素材から取れるよ!」
って言ってたけど、んー…魔物かぁ…。
「そういえば!ねぇ、ルーズ様。便利屋には行きました?この国の南の方にあるお店なのですが、ドワーフの方がしており、面白そうな依頼でしたら、様々な物を作ってくれるらしいのです!ただ、そのドワーフが結構気難しい性格みたいでして、偏屈のヒュドと呼ばれているらしいですわ!」
便利屋なのに、便利じゃ無さそうっ!!
何か新しいな…。
でもドワーフか…。
そういや、試練の時に使った便利なテントもドワーフ製だったな。
サンも手伝ったって言ってたっけ。
ただもうそのドワーフは亡くなっていたはずだ。
でも凄くいい情報。
「そうなのですね、是非行ってみます。ありがとうございますユイカ様。」
ドヤっとした顔をアルトに向けている。
そしてアルトも悔しそうにするな。
何で競い合ってるんだ……。
「いいえ、ルーズ様のお役に立てたのなら良かったです。ところでルーズ様のその耳飾りとても綺麗ですわね。少し不思議な魔力も纏っていますわ。」
耳飾りをジッと見ながらユイカが言う。
「妹は特別な力を持っているみたいで、物に流れる魔力が見えるのです。」
なるほどなぁ。見えるんだ。どこまで見えているのか色々試してみたい所だ。
「そうなのですね。この耳飾りはエルフの耳を隠し、エルフだと言うことを認識しにくくする魔力が流れているのです。」
そう答えると更に興味を引かれた様子。
「あの…もしその…可能でしたらお耳を見せて頂きたいのですが…」
「良いですよ」
耳飾りを外して見せる。
「まぁっ!!」「へぇ…。」
私の顔を見て目を見開き、2人とも驚く。
「とっても綺麗…その耳飾りは、耳もですが顔の印象までも変えてしまう物なのですわね…」
見えていた物が外す事によりハッキリ見える程度だと思うのだけど…。
まあでも、そっか。
ボヤッと見えていたのがハッキリ見えるとイメージは変わるかな?
付けてる本人としては、認識阻害の効果外だから分かんないだよね…。
「お兄様大丈夫でして?」
アルトもこちらを少し顔を赤くしながら見ている。
「ぁ…ぁあ。大丈夫だよ。」
「お兄様ったら…ルーズ様に見惚れてないで。私のルーズ様なんですからね!」
ユイカが私に抱きつきながら言う。
いや、ユイカのでは無いんだけど…。まぁいっか。
凄く懐いてくれているし。
そうしていると、庭園の向こう側からこちらにリースとショーン達が戻ってくるのが見える。
「申し訳ありません。ユイカ様、アルト様お時間でございます。」
私達の後ろから執事が出てきて告げる。
「えー!もうそんな時間なの?もう少しお話ししたいのに……」
「ユイカ様もう、私達友達ですからまた会えますよ。それにお爺さまの介護もさせて頂くのでまたすぐに。」
そう言うと俯いて悲しそうな表情が嘘みたいに笑顔に変わる。そして次の約束をし、執事に付いていくユイカ様を見送っているとリーフとショーンも戻ってくる。
「おかえりなさい、2人とも。アルト様が門まで送ってくれるって」
アルトのエスコートで帰りの馬車に乗り、また連絡すると約束し、屋敷に帰る道中、行きと違い疲れたのか馬車の中で眠ってしまったリーフとサンに、ショーンがタオルをかける。
「ショーンありがとう。ショーンも疲れた?」
「いいえ、大丈夫ですよ。私よりルーズ様のがお疲れでしょう。今日は本当にお疲れ様でした。」
「確かに疲れたかな…でもアルト様とユイカ様と沢山話せて、良い情報も聞けたよ」
「それは良い時間でしたね。」
………そうか。だからショーンは花を見たいと離れたのか。
確かに屋敷に植える目的もあったのだろうけど、私とアルトとユイカが話しやすいようにと。
私もまだ11歳だし年は近い。まぁ前世の記憶があるだけに、精神年齢的にも11歳より落ち着いてる自覚はあるけれど…。
目の前で安心したように優しく微笑むショーンを見て確信した。
「いつもありがとう。ショーン。これからも頼りにしてるね」
「はい、これからもずっとお側に居させて頂きますからね」
その言葉が凄く嬉しくて2人で笑う。
ずっと優しく傍で見てくれて支えてくれて…。
前世は人関係をしっかり築いてこれてなかったと今は思う。
仕事が忙しい事を理由に友達と遊んだり何処かに出掛けたりなんて全くしてなかった。初めは誘ってくれてたのに…
友達ともっと色々出掛けたり、私を気にかけてくれてる人の優しさにもっと感謝を伝えてたら良かった…。
だからこそ、今のこの時間を大事にしよう。
戻ってからはランを寝かしつけたり、ソイとスーからその日の事を聞いてこちらも報告する。
先王の介護を任されたと伝えたら2人とも放心状態になった。
いや、まぁ気持ちは分かる。
「一緒に頑張ろうね!!」って伝えるも聞こえて無さそう。まあ、時間が解決してくれるかな?と優しい目で見ておく。
さて明日からは、もっと介護の授業頑張るぞ。
次の日、朝からまた授業を行い昼休憩の時に孤児院の建設をお願いしてる、ムキムキのおじさんが話したい事があるらしく、1人で話を聞きに行く。
「話があると聞いて来たのですがどうされましたか?」
「この、建設中の孤児院だがなその、まだ働き手は募集するのか?」
苦虫を噛み潰したような、困ったような表情を浮かべる。
「ええ。まだ募集する予定です。」
「実はだな、その…若い女性なんだがな、最近夫を事故で亡くしたらしくてよ、暫く塞ぎ込んでたんだが。このままじゃダメだって働く所を探してるみたいなんだがよ、まだ赤子を抱えてるから、なかなか上手くいってないみたいなんだ。ここなら子どもを連れて来れるみたいだしよ、無理にとは言えねぇが、会ってやってくれねぇか?」
それは確かに心配になるな…。
そもそもこの世界に保育園ってあるのかな…?
んー…無さそうだなぁ。
そうなると、近所の人や家族にお願いして預けるか、人を雇うしか、難しいだろう。
ただそのお願いをするのも、ある程度自分の生活に余裕がある人じゃないと難しそう。
こちらとしては働く人が増えるのは有難い事だから全然構わない。
「ええ。こちらとしては是非会ってみたいです。」
「本当か!!すまねぇ。ありがとな!いつが良いとかあるか?」
んー、先王の件もいつからかまだ連絡来てないし、出来るなら早めに会って話せる方が良いだろう。
「いつでも大丈夫です。その方はでも、状況を聞く限り早めのが良いかと思うので明日はどうでしょうか?」
「ぁあ!そうだな!なら明日で頼んでいいか?俺から話はしとくからよ」
「はい、よろしくお願いします。また時間は朝来た時にその方が何時に来るか教えて下さい」
そう伝えると、安心したのかホッとした顔を浮かべる。優しい人だな…。
その後、孤児院建設の話をしてから仕事に戻る姿を見送る。
昼からはサハラの授業があり、その空いた時間に介護の授業を聞いてたリーフを連れて小さな子どもたちの所に行く。
「あっ!!ルーズ様とリーフ様だ!ねぇ〜遊ぼ!」
子どもたちが、そう言って甘えてくる。
「いいよ、遊ぼっか。リーフとショーンが昨日王城で沢山の種を貰ってきたから一緒に植えてくれる?」
「うん!!任せてよ!」「わーい!!」
可愛いなぁとニマニマしながら皆で土をしっかり耕し
一緒に種を植える。
野菜の種も植えたから収穫できるのが楽しみだ。
「ルーズ様〜!これ、ナフの木の苗ですよー!これ寿命が長くて、凄く大きな木になりますよ〜!」
アクアが苗を持って見せてくる。
「へぇ。これがそうなんだね。植えよっか。」
最後土を被せ整えながら考える。
この木が大きくなる頃には、子どもたちも成長する。
寿命が長い木なのなら、この木を見る度に今日のこの日を忘れないだろうな。




