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いざ、王城へ1

朝早くから起きて、ショーンやリーフと一緒に準備する。私は昨日決めた緑のワンピースドレスで髪の毛をポニーテールに纏め、首にはシュン爺から託された金貨。

目立たないようショーンとリーフは白色のシンプルなドレス。 

サンは猫の姿のまま私が抱き抱え外で待っていた馬車に乗り込む。


「はぁ。緊張する。」


サンを抱きしめていてもお腹辺りがキリキリと傷む。

「ルーズ様なら大丈夫ですよ。私達も居ますから。」

手を握りショーンが優しく話しヨシヨシと言う風にサンも肉球で優しくポンポンと励ましてくれる。



そのまま揺られていると王城に着いた。

白と水色を基調としていて美しい。


兵士達が1列に並び、道を作る。

その道を通り、クギが私の手を取り馬車から降りるのをエスコートしてくれる。

「お待ちしておりました。皆様こちらへどうぞ。」

「ありがとうございます。」

クギに案内されながら広い廊下を歩く。

途中様々な花が咲き乱れる庭園を通る。

「花がお好きなのですね。」

「えぇ。綺麗ですね。」

そう言って微笑みまた暫く進むと、豪華絢爛な扉の前に案内される。

「こちらで国王様と王妃様がお待ちです。」

私が頷くのを確認しクギが兵に合図し扉を開ける。


中の部屋も広く部屋自体が丸型になっていて机と椅子は、10人は余裕で座れるサイズとなっている。




「お待ちしておりました。エルフの姫君よ。余がヴァン国34代目国王ルーシア・ハイニーとその妻」

「ルーシア・ユッカですわ。本日はお越し頂きありがとうございます。会えるのを心待ちにしておりました」


国王は40代位だろうか、タレ目で茶色の髪、黒目。

王妃は30代位の綺麗な顔立ちをしており金髪のロングヘア金色の目。どちらも穏やかに微笑んで居る。


「初めまして。僕が王子のルーシア・アルトです。」

「私は、ルーシア・ユイカです。どうぞユイカと呼んでくださいませ。」

王子は18位かな??金髪のサラサラヘアに茶色の目。

The王子様って感じだなぁ。

お姫様は10歳くらいの金髪のゆるふわヘアで可愛い女の子。


「初めまして。私はルーズです。風のニアの娘で新しい調整員になります。よろしくお願い致します。そしてこちらが使い魔のサンと私を補佐してくれているショーンとリーフです。」


緊張しながらも何とか上手く話せた。

ショーンとリーフが頭を下げる。


リーフは新しい属性の精霊である事、サンも珍しい光属性の精霊なだけに精霊だと言う事は控える。

「にゃあ〜」とサンが腕の中で鳴く。


「さぁ、お掛けになって。ここからは気を楽にして下さいね。」

王妃がそうにこやかに話し、後ろのメイド達が椅子を引き、座る。サンは地面にクッションを持ってきてもらいその上で丸くなる。完璧な猫の仕草だ。



「では、私からこのまま話させて頂きますね。本日お呼びさせて頂いたのは挨拶をしたかったのもありますが、クギから聞いた話についてお話したく思います。よろしいでしょうか?」


「はい。お願い致します。」


「ルーズ様は孤児院という物を作ると聞きましたわ。

子どもを保護し、育てる施設だと…。ヴァン国としてはとても有難い事だと思います。本来なら私達王族がそういった所にも目を向けていかなきゃいけなかった中、本当にごめんなさい。私達にできる事があれば可能な限り配慮させて頂きたいと考えております。」



人間はほかの種族に比べ力も魔力も弱い。

獣人族みたいに強い肉体がある訳でも無く、エルフのように魔力操作も上手くない。魔人のように様々な種族がある訳でもない。

だからこそ外交に力を入れており、なかなか孤児を守る自国内の制度を作るなどは、難しかったのだろう。




「ありがとうございます。資金の面で少し援助して頂ければと。ゆくゆくは介護サービスや商品を作る事で資金を作っていこうと考えております。」


「介護サービス?商品?それは一体どのような物なのでしょう?」

介護サービスについて説明を行う。

国王や王妃も勿論の事王子も姫も、興味深々に聞いてくれる。

「また、商品につきましては、ショーンお願い。」

「はい。この絵をご覧ください。」

そう言ってショーンにセン婆の所でも見せた絵を、みんなが見えるように持ってもらい説明する。



「ほぉ…とても面白い。そして便利だ。ユッカこのベビーカーなど子ども達が赤ちゃんの時に欲しかったなぁ。」

「ええ。そうですわね。杖などもそうですが本当にとても便利そうですわ。ねぇ、あなた…その介護サービスをお爺さまに受けてもらっては?」

「あぁ、そうだな…。」

王妃の提案に国王が顎に手を当て思考する。

お爺さま?お……。先王?おっふ…。


「ルーズ様、ぜひお願いしたいのですが宜しいでしょうか?」

キラキラした目で真っ直ぐ王子達も見てるよぉぉ…。

先王かぁ…おぉ…。プレッシャー凄いなぁ…。

でも断る事はしたくない。


「はい。また一度お会いして身体の状態を確認させて頂きたいと思います。その時に担当医も同席をお願いしたいのですが。」

「ええ!勿論!また日にちは追って連絡させて頂きます。」

「分かりました。よろしくお願いします。」

私がそう答えると国王が、安心したように頷く。


あ、そうだ。

「あの…これをお渡ししたいのですが…。」

首から下げていたシュン爺の金貨を取り出し、国王に渡す。

「これは日記にあった賢王の金貨…。これをどこで?」

国王が金貨手に取り模様を見て驚く。

「これは、エルフの村のシュン爺様に託されました。一緒に眠るより約束を守ってくれたその家族に。と。」

そう伝えると、国王の手が震える。

「そうですか…その方は…もう……いえ、そうですね、分かりました。こちらの金貨は大切にさせて頂きますね。ありがとうございます」

大事そうに金貨を手でなぞる。


「日記では知っていましたがこうして実物を見るとこの金貨が全ての始まりだったのだと思います。賢王が残した日記も先王の元に保管してますのでまたお読みになられますか?」

「私が読んでも良いのでしょうか?」

「ええ、大丈夫ですよ。それに是非読んで欲しいのです。如何にして親交を賢王が守ろうとしたのか。」

正直に言うと、その日記に凄く興味がある。

シュン爺から聞いたその人は何を考えどんな人物だったのだろう…。

先王が持っているのならまた会った時に読ませて貰おう。



そこから色々な話をしながら紅茶とお菓子を頂く。


「ねぇ、お母様!その…私、ルーズ様達と今から庭園を散歩したいのですが、宜しいでしょうか?」

場が落ち着いたのを見て姫様が身を乗り出し話す。

「まぁ、ユイカ。私は良いですけど…」

「ユイカあまりワガママを言うでない。」

王妃が困ったように、王様が窘めるように話す。


「大丈夫ですよ。私も庭園を見たいと思っておりましたし、姫様案内を頼めますか?」

私がそう言い微笑むと、待ちきれない様子の姫が席を立ち私の手を掴む。

「よろしいので?ありがとうございます!では、早速行きましょう!!」

「待ってユイカ。落ち着いて。僕も一緒に行くよ」

「お兄様もですか?やったー!」

余程嬉しいのか手を繋いだままバンザイするから、私まで手を挙げる。


「ごめんなさいね、ルーズ様。娘をよろしくお願い致します。」「娘がすまない。」

王妃と国王が申し訳なさそうに頭を少し下げる。


子どもは元気が1番だし大丈夫ですよ。と伝え姫様に案内されながら城を進む。



「すみません、ルーズ様。妹は小さな時から賢王とエルフの話が大好きで今日ルーズ様と会えるのも凄く楽しみにしていて…。僕も授業や、修行が忙しくなかなか妹と遊んであげれてなくて。」


王子となると、そりゃ忙しいだろうなぁ。

それでも妹を見る目がとても、優しい。

良いお兄ちゃんなんだなぁ。とホッコリする。


庭園に着くと、花が咲き乱れ本当に綺麗。

大小様々な花が咲いておりアーチ状にされていたりと、手入れをしっかりされているんだろう。


「ルーズ様、少しリーフと一緒に花を見てきて宜しいでしょうか?家の周りにも色々花を増やそうと思っておりまして。」

花かぁ…確かに周りに色々植えて、畑なども増やしても良いかもしれない。小さな子達に育てて貰って。

喜ぶだろうなぁ。よし!是非そうしよう!うん!!


「分かった。是非沢山見て学んで来て。」

「それでしたら、庭師を呼び案内させますわ。」

姫様がそう言い、後ろに控えていた護衛に指示を出し急いでやってきた庭師と一緒に見に行く。


「ルーズ様どうぞこちらへ」

「ありがとうございます。姫様。」

サンを抱き抱えたまま姫様の横に座ると下を向き手をモジモジさせている。

「その…ルーズ様、お願いがあるのです。その、私の事はどうか気を使わず、姫様じゃ無くて名前で呼んでくださいませんか?」


「分かりました。ユイカ様。」

私がそう言うと顔を上げ嬉しそうにユイカ様が笑う。


「僕のこともどうか、アルトとお呼びください。」

「もうっ!お兄様ったら私がそう言うのを待ってたんでしょ?ずるいです!」

そのユイカの様子があまりに可愛くて笑ってしまう。

「んんっふ。分かりました。ユイカ様、アルト様。」


ベンチに腰かけ姫様と王子と色々な話をする。








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