人間の国ヴァン5
朝早くから私とショーンとリーフで町に出る。
早朝の町は店の準備をするもの達で活気に溢れている
良い大工の居る店にしないとなぁ…。
昨日、ランのミルクを買った店や服を買った店でどこが良いか聞くと同じ場所を教えて貰う。
「ここが良いらしいんだけど…とりあえず声掛けてみるね。」
カナヅチのマークが看板に掘られており、店構えにしても木造二階建てと立派だ。
「すみませーん!」
「はーい。いらっしゃいませ。今日はどう言ったご要件でしょうか?」
若い綺麗な女の人が店の奥から出てくる。
「あのぉ…家の建設をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「大丈夫です!今手隙の職人を読んできますね。」
そう言われしばらく待ってると奥からムキムキ強面のおじさんが出て来て、話を聞いてくれる。
「3階建てかぁ…ちょっと場所を見してもらっても良いか?」
「大丈夫です。今から行きます?」
「お。今から行けるなら助かるが…。」
「では、案内しますので。」
おじさんを連れて家に戻り、孤児院の説明や場所を見てもらい話し合う。
「広いな。これなら3階建てでも問題無く建てれる。だいたい聞いた作りなら完成まで2ヶ月って所か…。
出来るだけ早くとの事だったが明日からでいいか?費用だが風呂も大きめとの事だから白金貨8枚だ」
白金貨一枚100万だとして8枚で800万!
前の世界に比べると安い気がするけど賃金が安いのと土地があるからか…
山賊討伐の報酬もあるし、必要な出費だし背に腹はかえられない。
「ショーン、リーフ良いかな?」
「ルーズ様がお決めになられて大丈夫ですよ。」
リーフもその言葉に頷く。
「ありがとう。ではお願いいたします。」
「こちらこそ、まいどあり。支払いは完成後で大丈夫だからな。じゃ明日また若い連中なども連れて早速とりかかるわ。」
そう言って帰っていくおじさんを見送ってから、部屋に戻りショーンに、アクアとソイとスーを呼んできてもらう。
しばらく待ち、コンコンとドアを叩く音が聞こえる。
「ルーズ様お連れ致しました。」
「来てくれてありがとう。とりあえずみんな座って」
「はい。」
「ここに呼んだのは大事な事を2人には、伝えておきたくて、まず見てもらうほうが早いかな?」
私とショーンとアクアが耳飾りを外し耳が元の姿に戻る。
ソイとスーが目を見開いた後、赤面し固まる。
「おーい」
私が2人の目の前まで移動して顔の前で手を振る。
「あっ!………エ…エルフ?」
「…おぐぅ…」
ソイは変な声を出してから下を向いたまま動かなくなってしまった。
「うん、そうなの。出来たら小さい子達には内緒にして欲しくて。でも2人には何かあった時の事もあるから先に伝えておきたくて…」
「ぁあ…でもそうですね。エルフは珍しいですし…何より今凄く納得しています…。」
「納得??」
「はい。エルフは珍しいのもそうですがその容姿の為、昔は誘拐しようとする人が絶えなかったと。本当にすっごく綺麗なんですね。御三方共本当に綺麗で…」
スーが手をモジモジさせている。
「ありがとうございます〜照れちゃいますねぇ〜」
「ありがとうございます。」
アクアもショーンも満更ではなさそう。
「ソイ??顔真っ赤だけど大丈夫かな?驚かせてごめんね。」
「あっ。はい。その、ビックリしましたが大丈夫です…」
「なら良かったよ。これからソイもスーも頼ることが増えてくるだろうけど宜しくね。」
私がそう言うと2人とも、しっかり頷いてくれる。
びっくりはしたみたいだけど、受け入れてくれて本当に良かった。確かにエルフは美形揃いだもんなぁ…
ソイなんて思春期だろうし。
「ルーズ様、それと明日は国との話し合いの日になります。使者から王城に招かれておりますので。」
ショーンが手紙を渡してくる。
「王城かぁ。緊張してきたよ…ショーンと私とサンとリーフで行こうか。アクアとソイとスーには明日子ども達を頼んで大丈夫かな?明日から孤児院の方の建設も始まるみたいなんだけど…」
「分かりました〜」
「大丈夫ですよ!アクア様と私とソイに任してください!」
「ありがとね。よろしく頼んだよ。」
昼からは、耳飾りを付けてエルフだという事は隠してスーに紹介してもらったお婆ちゃんの面接を行う。
面接と言ってもほぼ採用かな
貴族に教えていたのなら礼儀作法なども完璧だろうし人間の国の礼儀作法などは私達は教えれないし、凄く助かる人材。
年金制度何かも勿論この世界には無いし、定年退職も無いんだもんなぁ。
そう思うと、前世の世界は色々考えられていたと実感する。
「初めまして、スー様より紹介して頂きました。サハラと申します。本日はお時間を作って頂きありがとうございます。」
年は70代位で白髪を綺麗に後ろにお団子に、纏めている。品もあり凄く優しそうな人だ。
「こちらこそ本日は起こし頂きありがとうございます私がルーズでこちらがリーフ、ショーンとアクア、そして使い魔のサンです。早速なのですが質問よろしいでしょうか?」
「なんなりと。」
「サハラさんには出来れば私と一緒に、子ども達への授業をして頂きたいのです。私は介護を教えますのでサハラさんには読み書きや計算、または礼儀作法などをお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」
「えぇ。もちろん。私に教えれることは全て教えましょう」
「それは助かります。よろしくお願い致します。」
「こちらこそよろしくお願い致します。ふふ。」
サハラが笑みを浮かべ嬉しそうに笑う。
「どうかされましたか?」
「本当に、スーさんに聞いてた通りの方ですね。まだお若いのに優しく子ども達の事を真剣に考えておられる。それに、介護というものにも興味がありまして。ほら私この年齢でしょう?でも私は独り身で死ぬ時は1人で誰も傍に居ないのではと思っていたんです。でもその介護の考えが広まればそうじゃないかもしれない。私が亡くなる時に誰か見てくれてるいるかもしれない。そう思うと少しホッとした気持ちになりまして…。だからルーズ様の事は応援したいのです。」
そう話しこちらを見る目は優しく穏やかだった。
「ありがとうございます。」
応援したいと伝えてくれて、私も嬉しく思う。
孤独死問題は前世でも問題だったけど、この世界のが深刻なのだろう。
1人で亡くなっても誰にも気付いて貰えず、それは凄く不安で苦しいものなのだろう。
どんな生き物もいつかは死んでしまう。
その時に誰かに看取ってもらうのと、1人で孤独にでは違うと思う。人は産まれた瞬間から1人では無い。
1人ではこの世界に産まれてすらこれない。
だからこそ、人は亡くなるまでに様々な縁を結ぶのだろう。
サハラに明日から是非来て欲しいことや給料をショーンに伝えて貰い見送る。
その後は、子どもたちと夜ご飯を食べて過ごし明日の王城に着ていく服をショーンに選んでもらう。
「この服でどうでしょうか?」
そう言って渡してきたのは、深い綺麗な緑色のワンピースドレス。
「似合うかなぁ?」
「似合ってると思うよ。大丈夫、自信もって!ね?」
「良いと思います。」
サンとリーフが褒めてくれて、緑色のドレスに決まった。




