第四話 女神様ありがとう!私幸せです!
ある日突然、異世界の女神さまが目の前に現れて、都会の荒波に揉まれて荒み切った私に救いの手を差し伸べてくれました。
実際には、私のストレス発散方法である妄想という名の現実逃避・・・もとい、魂の叫びが、しつこく、それはもうしつこく届いたせいで嫌気がさした女神さまが、その願いを叶えてくれるために降臨したらしいです。
毎日毎時間、毎分毎秒、「ここではないどこか遠くへ行きたい」と現実逃避していたらそうなっちゃいました!
テヘペロッ。
女神さまはとても慈悲深く美しい方で、私を異世界に送りだすにあたり、衣食住に満たされて、安全でとっても便利な、チート付きの家を用意してくれ、更には、私に防衛手段として結界魔法を授けて下さいました。
まじ、女神様、神。
いや、神様なんだけど。
そんなわけで、異世界で暮らすようになってから数日が経ちました。
特に変わったことはなく、私は広々とした北欧風の平屋建てマイホームで、のんべんだらりと日常を送っています。
ゆったりとしたチェニック風のワンピースにパンツを合わせ、頭にバンダナなんか巻いちゃったりなんかして、ちょっと森ガール風の装いをして異世界の雰囲気を満喫しています。
家の中は便利な家電に溢れ、電機も水道もとおっているため、異世界テイストは正直ゼロなんですけどね。
仕事行かなくていいし、毎日が日曜日!!
することといったら、畑の様子を見たり、(別に世話をしなくても勝手に育ってるけど)朝から贅沢にお風呂に入っちゃったり、本を読んだり、撮りだめていたテレビドラマをスナック菓子をつまみながら観たり、ウッドデッキでティータイムをしたり。
たまに思いついて掃除機をかけたり、料理を作ったりする。
でも、大抵は、レトルト食品やインスタント食品で済ませたり、庭になってる果実をもいで食べたりすることが多い。
煩わしい人付き合いもなく、自然の中でゆったりと過ごす。
すごい、私、いま最高に幸せ・・・!!
もしかしたらその内、人恋しくなるかもしれないけど、今はこの気ままで優雅な独り暮らしを思いっきりエンジョイしよう!!
今日はぽかぽか天気なため、布団を干してみることにした。
今夜はふっかふかの布団でいい夢が見られそう!!
お昼には何を食べようかなぁ?
昨日はレトルトソースのパスタだったから、今日は和食にしよう!
冷凍した鮭の切り身を塩焼きにして、インスタントのお味噌汁、きゅうりを浅漬けにして、納豆と冷ややっこもつけよう。あとは白いご飯があれば完璧!
冷凍ご飯もあったけど、やっぱり炊き立てご飯が食べたいし、余った分はまた小分けにして冷凍にしておけばいいよね!
「あ~~~幸せっ!」