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ep 19 エピローグ『廃人《ハイヒューマン》』

 本来、取れないはずだがチートを使ったせいなのか遺品という名前で灰名悪人の装備が転がっている。が触りたいとも思わない。


「あんな奴でもこっちの攻撃が通るくらいにはチートを抑えるもんなんだな」


「そりゃそうよ」


 もうリザードドラゴンを倒したのか、後ろから東条。俺の独り言を拾って彼女もチーターの遺物を見下ろし言葉を続ける。


「あれ以上の不正行為はパンドラボックスに引っかかる。チート使いは狡猾(こうかつ)よ。といっても罪も重いからあんな馬鹿、そうお目に掛かれる者じゃないけど。終わったら私が通報しておくわ」


「ああ、頼む」


 そういえば平和過ぎないかと俺は上に上がってキョロキョロと周囲を見渡す。


「なぁ、ラッシュ来なくね?まだ終わってないよな?」


「あのチーターが使った巨人召喚のせいでしょうね。ほら見て他のフィールドに対してここが浮き始めて勝利者の地になろうとしてる」


 確かに浮いてる。β版だからだろうか、何かオープニングの割にストーリーも雑っていうか。そこはちょっとガッカリだ。


(はぁ、ストーリー”ガチガチに凝ったVRMMO”とか出してくれねえかな……)


「あの男、そう簡単に得られないはずの白金(platinum)級のアイテムを幾つも所持してたからレアリティーアップのチートもかけてたのよきっと」


「チート使われまくってるけど大丈夫なのかこのゲーム」


「だからこそのβ版でしょ?」


 それはそう。開発がβを行う理由は技術テストなのだから。


「にしてもよ」


 っと指を立てた東条が迫って俺はぎょっと身を引いた。


「貴方、無茶苦茶が過ぎるわ。あんな戦い方暴走もいいとこ。フォローする身にもなって」


「勝ったからいいだろ」


「いい!そういう所からチームの不和は始まって解散に繋がって」


 別に東条と俺はチームじゃないだろうにと言おうとした俺の足元に見覚えのある矢がストリと突き刺さった。下を見ると弓を持ったサウス・ヴァーミリオンの姿。じっと俺を見て、笑みを掲げている。


「彼、間に合わなかったのね。まさかこんな特殊勝利があると思ってないでしょうし可哀そうだけど降りる意味はないわ」


「東条、色々助かった。もう会わねえと思うけどまたな」


「へ?ちょっと!」


 俺はルゼル迷宮5層ボス、マントラの死骸で作ったグライダーで飛び敗北確定となったフィールドに降り立った。対するサウス・ヴァーミリオンが目を細める。


「いいのかい?あんな綺麗な子と別れてしまって」


「VRゲーマーは一期一会。このゲームをやり続けるわけじゃないし、数日経ちゃ忘れてるさ。それにこう見えて約束は守る主義だからな」


 容姿変更禁止のこの時代においてエルフの見た目は強者の証。やはりこれだ。これじゃなきゃいけない。同条件での強者との闘い。ゾクゾクと気が高ぶってくる。


「私も大概な性格と自覚しているが君も中々のようだね。まあ睨んだ通りやっぱり君は見逃した甲斐があった」


 ビンっと弦を弾いたサウスに俺も剣を引き抜いた。


「アンタのせいで開幕酷いことになってずっと腹立ってたからな。時間がねえ。強制終了で引き分け決着とかお寒いことにならねえようにさっさとやり合おうぜ」


「賛同したいところだけどね。後ろのは君の知り合いかい?」


「ん?うおっ!?」


 背後に黒の騎士。飛びのくと大剣が振り下ろされて肝が冷えた。ハンターモンスター、デットセラ。まさかあの迷宮からずっと付いて来ていたとは。


「ちょっ!」

 

 不意打ち気味に放たれた矢を俺は何とか切り飛ばした。せっここいつ。


「三つ巴、悪くないじゃないか」


「ちょっと待て!これだと二体一だろ」


「それもそうだね。なら、こうしようか」


 サウスが射抜いたことでヘイトがあいつにも向かった。それだとお前の方が不利ではと呆ける俺をサウスが攻撃してきて慌てて回避する。


「アンタさ、開始合図くらいしろってーの」


「ロストデイズのゲーム性を忘れたのかい?そんなものこの大地に立った時からだろうに」


 悔しいがその通りと剣を構えた俺はチェイスモンスター『デットセラ』を警戒しつつ、サウス・ヴァーミリオンにとびかかったのだった。


 ─────────────────────────────────

 太一 :で、クリアできなかった上に完膚(かんぷ)なきまでにやられたと

 流星 :うるせー

 太一 :まあでも、リーダーが勝てなくても仕方がねえって。サウス・ヴァーミ

     リオンはFPSのトッププロチーム『Recon Class』に所属する超新星

     だ。年は俺たちの一つ上でプロ入りする化け物中の化け物。フランス人

     って言われてっけど国籍は不明だな

 流星 :FPSで負けんなら分かる。近接も化け物だったのは納得いかねー

 太一 :向こうの人らがMMO齧ってねえわけないしな。それに最近のFPSは近接

     に力入れてるのも出てるっていうし。それで流星、ロストデイズを

     やりきった感想は?

 流星 :まー面白かった。いい息抜きになった。サンキューな。ただやっぱ俺は

     MMOかな。サウスに再戦できねえってのは残念だ

 太一 :そういえばもうすぐだな。”廃人養成学校ラヴェル”の入学試験。

     リーダーほんと大丈夫かよ

 流星 :余裕余裕

 太一 :……リーダー、一般常識問題が出るかもって話知ってるか?

 流星 :は?嘘だろ?MMO関係ないだろ

 太一 :落ちたなこれ

─────────────────────────────────

 太一とのメッセを打ち切った俺は自室のベットにダイブした。まぁ、試験は……何とかなるだろう。俺は隣にあるVR筐体『パンドラボックス』を目をやった。


 今回色々な人と知り合ったが、VRゲーマーの世界は一期一会。彼らとは別れとなるが学園に通い選ばれたMMOでまた新たな出会いもあるはずだ。


 俺、桂木流星はVRゲーマーの頂き、廃人(ハイヒューマン)を目指している。


「相棒か」


 もしそんな奴が俺にできれば面白いかもしれないと今回、他人と組んでちょっとだけ思った。早くドハマりできるMMO世界に身を浸したい。目を閉じるが結局眠れずやっぱりパンドラボックスの中でまた新しいゲームを開始する俺なのであった。

 ────────────────────────────────────

【PANDRABOX】LOSTDAYS ロストデイズ  Lv43


 227:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    しゃあクリアしたぞぉ


 229:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    チーター倒したった


 232:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    ロストデイズ最高

   

 235:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    話変わるけどさ 国産のMMOが立ち上がるって話出てる

   

 238:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>235

    どうせ糞ゲーでしょ


 241:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>238

    って思うじゃん。国内最王手のニンステーションとタブ社が手組んでる

    という噂


 245:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>241

    タブ社!?ってパンドラボックス作ってる?


 247:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>245

    そう、だから大騒ぎになっててβ募集に人が殺到してるって話

    まあ皆、半信半疑だけど

  

 252:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    んー本当に期待作ならβとはいえ宣伝うつだろうし、そこまで出来

    上がって全く情報が出てなかったってのにはかなり違和感あるけど


 256:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    何て名前?


 259:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    えっと、ヴァラエティーパラシス


 ロストデイズ 前日譚 FIN


           これはある遊戯譚の前日譚

               ≪update≫

        廃人遊戯譚『ヴァラエティーパラシス』(stock100万)

 

 VRMMO全盛期時代。突如、神星のように現れたVRMMO『ヴァラエティーパラシス』。その高度なAIと狂気じみた物語設定は世界中のゲーマー達の心を掴み、架空へ引きずり込むほどに魅了する。


 業界を牛耳る二大MMOに割って入る存在が遂にその産声を上げたのだ。


 ────────────────────────────────────

 あとがき

 ここまで読んでくれた方有り難うございました。よろしければ評価・ブクマ等 執筆の励みとなりますのでよろしくお願い致します( ゜Д゜)作者狂喜乱舞します

(/・ω・)/うららい (*ノωノ)うららい (/・ω・)/うららいらい


 さて『ロストデイズ』終了で流星のお話は廃人遊戯譚『ヴァラエティーパラシス』へ移行しますが 『ヴァラパラ』で出来た仲間と共に『ロストデイズ』製品版に挑むみたいなものもいつか書こうかなーって思ってます。


 なので、まだ全く書いてないし確約はできないですがロスデももうちょっと続くかもです。間が空いて読む人いるやろか うーむ 需要があれば


 本編はversion1終わりから話の全容(ゲーム内ストーリー)が見え、ガンガン面白くなるのでお時間ありましたら是非ご覧ください


 ヴァラパラはゲーム内シナリオを全力で作り込んだVRMMOものです

ゲームやMMOで味わった楽しいをぶち込みました 

流星君主人公でロスデキャラも逆輸入でいつの日か登場するかも知れません


 廃人遊戯譚『ヴァラエティーパラシス』は今日よりver1.0 『水龍伝説とおてんば影姫』の終わりまで昼・夜 二話ずつアップを開始する予定です  


 ここまで読んでくれてありがとう(^_-)-☆

次作でお会いできれば幸いです


 廃人遊戯譚『ヴァラエティーパラシス』人とAI率いる俺がいつか廃人へと至る道

https://ncode.syosetu.com/n5851hu/

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