表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/20

ep 15 FINAL WAVE

 目の前でラストウェーブまでのカウントダウンが始まっている。結論から先に言うと俺は彼女の申し出を受けることにした。


 俺は東条から頂いた通信機に耳を当てる。


「位置についたぞ」


 ザーというザッピングの後で彼女の声が入った。


「了解、その距離を維持して。そして介入されたら発煙筒を空に向けて放つ」


 一人でやり切りたいという思いがあるので若干の迷いはある。ただ、チートにやられるのは(しゃく)すぎるし、そういう輩はぶっ飛ばしたい。


「へいへい」


「余裕ぶっこいてるけど、WAVEに吞まれたらかっこ悪いってレベルじゃないわよ」


「あんたもな」


「じゃあ、幸運を祈るわ。覗き魔さん」


 ぶちっと切れた。中々いい性格してると息をつき、地図を確認する。埋まったのは全10エリアある内の5つ。lvは32で大台に乗り、アイテムも充実。まぁ東条は34なんだがレベルが全てのゲームじゃないだろう。


 カウントが一桁台。始まると俺は強化した闇の直剣+7を引き抜いた。


 ≪FINAL WAVEを開始します≫


 ≪選択モード:RASH≫


 ≪生存せよ≫


 ビーという開始の合図と共に俺は一気に駆けだしたのだ。


 ◇◇◇


 ラッシュは立ち向かってくる魔物が加速度的に増加してゆくモード。討伐スピード、DPS(秒間火力)が問われ、立ち止まっていると一瞬で囲まれてしまうため動き続けなければならない。


(3体か)


「shururu」


「sharaaaa」


 リザードマンとドラゴンのハーフ、リザードドラゴ。固い鱗のある腹で這いずってソリのように移動するが不規則かつゾッとする速さを披露する。


 武器はインド発祥のリング型の投擲(とうてき)武器チャクラム。取り囲み、パスを回すように投げ合ってプレイヤーを翻弄する。


「サモン・ホップコート」


 付与で機動力を強化。二枚の飛来するリングをバック宙で回避。そこへ木の枝に潜んでいたデクシードによる種の弾丸が放たれた。


「っ」


 着地狩りとはエゲツナイ。泣く泣く武器で受けると最初の位置まで押し戻された。耐久値が削られるので武器ガードは基本ご法度。開幕から劣勢。更に背後から何かが迫ってくる気配がある。


 これがラッシュモード。東条の言葉通り一筋縄ではいかないようだ。ただ、全てを倒す必要はない。突破すればいいのだ。


(デクシードは無視、足の速え蜥蜴(とかげ)は狩る)


「サモン・グレイブホール」


 落とし穴を生成する魔法を使用。ボコンっと出現した穴に呑まれ2体のリザードドラゴの姿が消える。が、ダメージ能力はなく、這い上がってくるだろう。


 それでもっ!一対一の状況。この一瞬の間があればそれでいい。


「shaaa」


 残った一体に突撃。攻撃を誘って体を泳がせ、クリティカルとなるポイント──胸を剣先で穿(うが)つ。


「gya!」


「死なねえか」


 が、瀕死状態で止まった。火力不足が悔やまれる。


「「SHAAAAAAA」」


 背後、登ってきたリザードドラゴが大口を開けて赤き炎をチラつかせた。


「ブレス!?まじかよ!サモン・ロックウォール」


【火炎の息吹】


 岩壁で火炎を防ぐことに成功。息もつけない。正面、リザードドラゴの猛攻。壁を背負い、下がれないのがキツイ。”それでも2Pの体力と引き換えに一体を屠った。


「よ……」


【サモン・アトラス】


 よしと言いたかった。突如、流れたログに危機を察知した俺は自分の真下に魔法を放つ。


「サモン・グレイブホール」


 自ら落下した俺がいた場所を巨大な大剣が剛っ!!と振り抜かれた。ゲームとはいえ心胆が冷える。2mもあろうかと思われる巨人アトラス。行き成り出現したがリザードドラゴの手には燃える魔法札。


 あいつが召喚したのだ。あれと戦っちゃいけない。追撃を受けながらも俺は脱兎(だっと)のごとく逃げ出した。

────────────────────────────────────

【PANDRABOX】LOSTDAYS ロストデイズ  Lv31


 237:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    対人有り最速組 FINAL WAVE来るぞ


 242:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    うおおおお(*‘ω‘ *)ドコドコドコドコ   


 245:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    来るぞ 掴まれっ 

   

 247:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    そういえば荒ぶる鷹さんどうなったん

   

 249:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>247

    人気なって 無理な課金誘導して プチ炎上してる


 252:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>249

    oh…… 金とかいらんやろに


 255:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>252

    まあ”MMOプレイヤーじゃない人” 貧しい人多いし


 258:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    北


 261:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    絶対突破する  

   

 264:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    うわぁ……ラッシュ引いた


 268:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    ギガントだ 大ボスだしゆっくり行くか

  

 271:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    悲報 ラッシュ 開幕からヤバいです

    詰んだかも


 277:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>271

    レースよりコメ打ってる暇ないぞ

    駆けなきゃ死ぬ


 282:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    レースだわ お前らじゃあの

    逝ってくる

 

 285:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    結構、coexistence modeの人多いんだね

    私はソロでやっちゃう

  

 288:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    ソロ勢の方が多いとは思うけど こういう古のSNS

    に来ちゃうような奴は対人要素あるの選びそう


 291:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    これ速度強化の魔法とビルドアップ必須じゃない?

    鈍足脂肪じゃん


 293:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>291    

    確かに その辺も要調整 重装備有るのに死んじゃうし


 297:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>293

    付与かければよくね?まあそれでも速度アップが強すぎだけど


 301:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    single面白いけど10waveあるし 一回重いから

    暫くはcoexistence modeの方が素直に人多そう


 304:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    何かチーター出てるらしい 気を付けてな 見つけたら即通報で


 311:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>304

    マジ?重罪なのによくやるよな

 

 315:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>311

    海外でコード巻いてるアホがいるみたい

    βってのもあって沸くのは仕方ない


 317:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    チートだめ絶対( `ー´)ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ