表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/20

ep 14 東条綾

 ≪ランザードの迷宮踏破≫

 ≪Lv21に上昇≫


 あれから丁度、一日が経過。ログアウトでしっかり休んで探索、そして見つけた迷宮を踏破した。レベリングも終えたし調子がいい。最後の第三WAVEが迫ってるがアイテムも充実してきた。


 ただマップ埋めは進んでいない。太一によればWave3は撤退も考慮しないと厳しいことになるって話だったが……。


 装備品を確認しながら外に出た俺に声が掛かった。


「やっと見つけたわ。覗き魔」


 顔を上げれば昨日の女の子、東条綾(とうじょうあや)


「おお、LV23やっぱやるなアンタ」


「当然よ」


 ふふんとする東条に俺は別れを告げる。


「お互い頑張ろうな、じゃ」


「ええそうね。お互い……じゃない!待ちなさい」


「ん?戦えとかなら全力で逃げるぞ?俺、強化してえし地図開けなきゃだし」


「違うわ。提案を持ってきたのよ」


「提案?」


 微笑した東条から告げられたそれは共同戦線ユニオンの提案だった。


 ◇◇◇


 パチパチと火が弾ける。俺が作った簡易的な拠点。一人じゃない、料理を作り終えた俺が戻ると東条が座って待っていた。割と強制的に話し合うことになって案内させられた。


「ほら、できたぞ」


「毒とか混ぜてないでしょうね。痺れさせたところを」


「するかよ。いらねえなら食うな。さっきも言ったけど今の俺はソロ専だっつーの。それに触れられない程度のセクシャルコードは入ってるだろ?」


 セクシャルコードとは異性の相手プレイヤーの立ち入れる距離を設定するもの。全く触れられなくできるなど徹底されている。


「はいはい、食べるわよ。……って美味しい」


「だろ?」


 俺も対面に座って頬張る。うん、いい出来だ。


「クラン長やってたから料理系列のギミックは得意なんだ」


「どっち?」


「2大じゃない。ライフストリームってやつだな」


「今時、クラッツでもフェスプレイヤーでもないなんて珍しいわね」


ちなみに正式名はフェスティバとクラッシュアーツ。フェスとクラッツと略されるこれらが今のMMO業界を牛耳っている二大巨頭である。


(かじ)ってはいるさ。本腰入れてねえってだけで。それで話っつうのは?」


 本題を促すとそうねっと彼女は向き直った。


共同戦線(ユニオン)の提案」


「それってありなのか?」


「本来はなしね。組んでるってゲーム側が判断したら敵が超強化される。メリットゼロ、でも今回に限っては違う」


 そう言って彼女は何体もの魔物が描かれた石板を取り出した。


「なんだそれ」


「予言の石板って名前のアイテム。このゲーム最後のFINAL WAVE、そのモードを

 先に知ることができる道具よ。今回はラッシュモード、延々に敵が迫ってくる」


 ネタばれ。ちょっと聞きたくなかった気もあるけどまあしゃあない。


「それで?」


「ラッシュは一番難度が高いモードでソロでのクリアはかなり厳しい。ただちょっとした攻略法が出てて距離を開けて同じ方向に進めばまだ楽って話」


「へぇ……」


「ソロで行きたいって顔してるわね。でも、ここからが本題だから聞いて。今回のメンバーの中にレッドネームがいる」


 レッドネーム。そいつは違反行為を働いた者に課される罰の一種だ。一目で判別できてしまうため結構重く、何だったらゲームによって参加不可になるほどだ。


「レッドネームなんかがよく参加できたな」


「β版だから抜けてきたんだと思う。それにそいつはチートツールを使ってる」


 流石に目を見開いてしまう。


「マジか、何で分かる?重犯罪だろ」


 23世紀、VRゲームが浸透したこの世界でチートの使用は絶対厳禁。重い罪に問われ、刑務所行きだ。昔で言えば麻薬と思って貰えれば分かりやすいかもだ。


「使用してるのはnon.active。敵が攻撃してこなくなるローグライクでよく使われるチートツール。名前は灰名悪人(はいなあくと)、私たちと同い年くらいの子だった」


「会ったのか。通報は?」


「まだしない。製品版ならまだしもLOST DAYZはまだβ版。まともな対応は受けられず試合が没収になる可能性が高いわ。私はどうしてもこの一回でクリアしないといけない事情があるの。あいつは絶対仕掛けてくる。灰名は別MMOでプレイヤーキラーだっ」


 会話を遮るようにログが流れた。


 ≪メアリー・ホプキンが何者(プレイヤー)かによって殺害されました≫


 ≪残りプレイヤーは4人≫


 ≪FINAL WAVEまで6時間を切りました≫


 ≪生存せよ≫


 何てタイミングだ。メアリーさんってプレイヤーもそいつにやられたか。これで生存者は俺、東条、灰名というレッドプレイヤーに戦闘狂のサウスだけとなった。(ろく)でもないメンバー過ぎないか?真面(まとも)なの俺だけじゃないか。


「私だって可能ならソロで行きたい。だからこれはその場限りの同盟、もしそいつが仕掛けてきたらの話。流石にWAVEを掻い潜りながらレッドネームを相手どるのは無理。その瞬間だけ私とどうか手を組んで欲しいのよ桂木流星」

─────────────────────────────────────

【PANDRABOX】LOSTDAYS ロストデイズ  Lv29


 543:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    coexistence mode最速勢はもうすぐ最終入るな


 546:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    強化進んでない 既にボロボロだから呑まれる気しかしない


 552:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    coexistence mode 第三で最終ウェーブ

    現在判明してる波は3タイプ 

    ラッシュタイプ  魔物大量発生

    ギガントタイプ  巨大ボス レイドボスに近い

    レースタイプ   関所突破タイムアタック

   

    ラッシュは海外情報で攻略法有 

   

 555:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>552

    kwsk


 558:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    ラッシュだけ協力すると楽になる

    大量の魔物の中を掻い潜って抜けるわけだけど

    組んでる判定喰らわない程度に距離開けて並走すると挟んだ側の

    沸きが薄くなって多少楽なる


    ちなラッシュが一番きついモードでそもそも使わないと相当厳しい

    とのこと


 561:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    声掛け必須な感じになると嫌だなー コミュ障だから

    日本人ゲーマー 同調気味なところあるし 調整願う


 565:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>561

    まあ流石に今だけというかβ終わったら修正するかと

    他のモードよりラッシュは難しすぎるって海外で話が

    上がってるらしいし 


 568:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    何か海外勢多くない?日本鯖よな?


 573:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>568

    海外で勝てなかった奴らが日本鯖で初心者狩り

   

 576:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>573

    まじかよって そうなるよねー

    クリアで何かトクあんの?


 579:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    落下罠ひどすぎ 絶対開発テストプレイやってない


 581:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>576

    突破称号貰えるくらい

    別ゲーだけど昇級試験にしてるクランもいるとか 


 584:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    なんか前スレで言ってる奴いたな


 589:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    >>576

    突破称号貰えるくらい

    別ゲーだけど昇級試験にしてるクランもいるとか 


 591:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    ごめん589 間違って連投した

   

 603:名無し@ワールドローガー員22XX/01/13(水)

    何だかんだ楽しい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ