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職業、主婦

前回、一人で冒険者ギルドに向かうよう書いてましたが、今回の送って貰う展開に合わせて最後、微修正しました。

 男は、本当に親切な聖職者だった。貴金属を買い取り服を安く売ってくれただけではなく、外国から来た労働者だと話したのと一般常識が無さそうなせいか、舞を噂の冒険者ギルドまで送ってくれたのである。


「ありがとうございます……あの」

「ああ、名乗っておりませんでしたね……私は、カウダと申します。神官として、当然のことをしたまでです」

「だとしても、助かりました。ご丁寧に、ありがとうございます」


 舞は貴金属を売る時に名前を書いていたので、男――カウダは、冒険者ギルドの扉の前でそう名乗ってくれた。

 それに笑顔で答えながら、舞は「あ、神父さんじゃなく神官さんなんだ」と脳内で知識を更新した。そして互いに会釈し別れると、よし、と心の中で気合いを入れて冒険者ギルドの中へと入った。

 ここまで移動する間に、カウダからまず受付に行き、冒険者登録後に仕事を探し、見つかればそれを受付嬢に届けて確認後、受注となると聞いている。


(周りの人とか受付の人の、格好はファンタジーだけど……うん、思った以上にハローワークだわ)


 そう思いつつ、舞は受付の女性に外国から来たことと、仕事を探すのに冒険者登録したいと告げた。

 すると、SNS漫画で見たような水晶玉が取り出されて触れるように言われた。漫画によっては血が必要な場合もあったので、触るだけで済んで良かったと思う。

 けれど、舞が呑気に構えていられたのはそこまでだった。

 水晶球に触れた途端、透明だったそれが青く光り――次いでその中に自分の名前といくつかの数値、あと職業のところに『主婦』と書かれた文字が浮き上がったからだ。


「外国では、あまり使いませんか? この水晶では簡単な身分確認と、あれば特殊スキル。あと、犯罪者かどうか確認出来るんです。ちなみに犯罪者だと赤くなるので、あなたの場合は問題ないですよ」

「そう、なんですね……ありがとう、ございます」


 多少の知識はあったつもりだが、こうして実物を目にするとやはり驚く。そんな舞を見て、受付嬢はそうフォローしてくれた。

 そして、身分や技術を示すのが『主婦』しかなく。けれど受付嬢が特に気にしていないのを見て、カウダが言った通り職を探すだけなら問題ないのだと理解する。しかしここで、舞はあることに引っかかった。


(主婦って言ってたってことは、敵連中もこういうのが見えてたってことよね……あれ? でもあいつ、聖女になんてなれるもんかって……こういうステータス画面に、聖女って出ないってことなの?)


 出てなくて当然じゃないと、なれるなれないなんて言えないわよね。そう思い、けれど今すぐ解ける疑問ではないので一旦、保留することにする。

 そして、舞は登録後にギルドの掲示板へと行き、薬草採取や荷物持ちなどの中で、酒場のウェイトレスというのを見つけたのだった。

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