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プロローグ
青色の種類を調べていた。1日の中で1番好きな時間、夜が始まる前のあの空の色が知りたかった。インディゴは暗すぎるし、ロイヤルブルーは明るすぎだ。強いて言うならネイビーだが、やっぱりそれもしっくり来ない。26歳を迎えた年度の終わり。朝日で目が覚めた僕は、1人で住むには広すぎる部屋で10mgのタバコをふかしていた。人生を1日で置き換えるなら、怒濤のように過ぎたこの2年間は間違いなく、僕が大好きなあの時間だろうとふと思い、僕はあの空の色をスマートフォンで調べていた。何よりも綺麗な色だと思う。でも僕の人生に現れたその色は、僕から全てを奪い、この先は暗くなる一方だと告げているように思えた。何があったのか語るには2年だけでは足りない。成功も失敗も、僕を僕たらしめた一生を、一から語ろうじゃないか。