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エネルギー

「ここまで送っていただいてありがとうございました。」

コーディネーター「いえ、まだこれからもご一緒します。この国に慣れていないようなので。」


 ここでコーディネーターとは別れることになるのかと思っていると、そうではないらしい。さっきものを盗られたばかりなので反論の余地もない。ただ、親方との話では、この徒弟制度は住み込みで働くということになっている。コーディネーターがついてくるとどういう生活になるのだろう。

親方「さっきのものをもう一度見せてもらおう。それにしてもそれはどこの水車なのだ。」

「本を持っているだけで、どこにあるかはしらない。この本ももうすぐ読めなくなるが、あの部品があればいいのだが。」

親方「あの部品か、ならちょっと先に作ってくるか。」

 本というよりもタブレットで見れる電子書籍なので、バッテリーの残量が心もとなくなってきていた。バッテリーの充電をするのに手回し発電機がある。手動では大変なので、水車とつなげて発電させる。作ってくると言ってから、あっという間に戻ってきたらもうすでにできていた。

親方「これをどうするのだ」

「この発電機とその部品をつなぎ、水車につなぐと水車の廻るエネルギーをタブレットに移すことができる。」

 試験用においてある水車に部品をつなぎ水路を開いて回りだした、そして発電機のランプが明滅しタブレットが充電され始めた。この部品を繋ぐと手回し発電機の要領で水力の動力で回して発電させる。ただ、元の世界との通信をするためにはエネルギーがはもっとたくさん必要であった。エネルギーは持ってきた電子機器の充電にしかならないようだ。充電ができれば当面の電子機器の運用に問題が生じないだろう。

親方「エネルギーがよくわからないな、魔法みたいなものか」

「魔法あるんですか? 夢が広がるなぁ。」

ナビ「魔法はありません、あっても手品で種はあります。」

ナビのほうが超科学的にしか見えないが、魔法があるという期待を打ち砕かれた。

「エネルギーは、この世界だと馬力の方が通じやすそうだ。馬一頭が一定時間出せる力を1馬力とする。水車も馬と同じだけの仕事をすると一馬力相当のエネルギーと考える。」

親方「そうすると大きい水車のほうがエネルギーは大きくなるのでいいのか」

「いや、水車のエネルギーは水の量や水の勢によっても変わってくる」

 ここでの水車は下掛け水車や上掛け水車なので落差をあまり考えない。

親方「この水車は金属でできているが錆びないのか、木材だとこの形だと壊れそうだ。」

「この金属はステンレスですね、錆びない鉄でできている。」

 水車はおいてあったが試験動作するための水量しかないために水車で得られるエネルギーが100ワットであった。ここで水車の部品を作り組み立てて試験をしてから水量が大きい地域に運んで組み立てているようである。


参考

大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー ジョゼフ・ギース (著), フランシス・ギース (著), 栗原 泉 (翻訳)

エネルギーとベルヌーイの定理を絡めて書いてみた。

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