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製粉の対決


 この世界のパンを食べて砂を噛んでガチッとなる。なのであまり食べようとは思わない。全粒粉といえば栄養価は高そうだけど、いつものパンに慣れているとどうも美味しくない。パンの製造している店に話しを聞きに行くと、買っている小麦にすでに砂が入っているのでどうにもならないようだった。そして小麦の店に行くと、この小麦は領主直轄のために製粉については言えないようだった。持ってきた小麦を渡してパンを作ってもらおうと思う。

 なんでこんな面倒なことをしているかというと、この世界の生活がわかっていないので必要なものもわからないからだった。パンの作り方にしても、なんだか全粒粉を使ったようなパンばかりだし。白い小麦でパンを作れば食べれないことはないのだろう。イースト菌もあったほうが良いんだろうけど、これの持ち込みは禁止されていた。食べ物としてのパンの持ち込みは可能だ。

 パン屋で作り方と見本、小麦粉と一緒に渡す。


「この小麦粉でパンを作って欲しいのだけど。」

「白い小麦粉だな、割増料金でいいならば作るぞ」

「あと、この作り方でこういう感じで作って欲しいけどできるか」

「作り方まで指定するなんてパン屋の腕をなめているのか、作れば良いのだろう。このパンはうまいな。」


次の日にパンを貰いに行く


「んーあれな、なんか新作を作っていると言って試食してたら、大量に売れたので残りがなくなった。また小麦をくれないと足りなくなる」

「なんでそうなるんだ、注文してた商品なんだぞ」

「試作品もいっぱい作ったし、いちおう注文した分は残っているので問題ないだろう。試作したものは、無駄にしないために販売したが好評だったよ。足りなくなりそうなので追加でさらに小麦粉を頼む。しかも身分が上なので断れなくてね」

「それは、たしかに仕方がない。んーん、この村で身分が高い人間。ああそうか、領主の娘…」


 さっそうと帰宅して、問い詰めに行く。


「ほらほら、新作のパンが出ていておいしいんだって」

と明るく新しいパンについて語ってきた。


「やっぱりか、1kgの小麦粉は安いけど送料が1金貨(一万円相当)。それを普通のパンみたいに食うとは」

「1kgってどのくらいよ。」

「うーん、この袋がいっぱいぐらい。」

「普通の小麦粉の100倍もするとかわけわかんない、もっと安くならないの」

「ここのパンは砂が入っていて食べたらガチって音がするし、殻が入っているから硬いし。小麦粉自体を送ってもらったんだけど、ここの小麦を使えば安くなるとはおもう」

「ならそうすればいいじゃない、この国に小麦があるのだから」

「製粉する機会を買ってその機械で製粉すればできるだろうね、ただ、製粉は領主管轄なのだろう? 領主の許可が必要だよね」

「そうね、それは絶対になんとかするわ。あとは価格を抑えるように考えていてね、これで毎日あのパンが食べれるようになる」


 小麦の砂との分別ができずどうしても砂が混ざってしまっている。また、この世界の小麦は製粉して粉にしても白くない、殻ごと粉にしているため、殻の色がついている。いわゆる全粒粉というやつである。砂や石が混ざっていて、ガリガリしているのだ。もちろん、石などをのけたものもあるが手作業のために高くなっている。それを機械を入れて自動化してみよう。


「領主御用達をかけて、小麦製粉の勝負よ」

なぜか、よくわからない戦いに巻き込まれそうな予感がする。


 領主の娘につれてこられたのは、領主御用の製粉所で、せわしなく働いている。

 買ってきた白い小麦粉を見せておしまいだと思っていたのだが。製作工程を含めてみせる必要があった。小麦の製粉に関わる小型の業務用機械を購入して、電源をつなぎいざ勝負となった。まァ結論は簡単に言うと勝利であったが、どうでもいいことである。

 領主お抱えの職人が

「先祖からの一族の仕事もこれでおしまいか」

などと、この世の終わりのような顔をしながら、去っていこうとしていたので。


「勝っても特に製粉事業を私がやるわけでもなく、単純に製粉の機械を使ってもらう」と告げた。そうすると機械の操作方法について真剣に試し始めていた。

 製粉は小麦の税の管理のために製粉を一括して領主が管理している。製粉自体は専門の職人が行っている。ただ、この世界では、小麦とそれ以外のものの分別が自動化できていない。ここを機械化しただけで他の村からも、製粉の仕事が得られるかもしれない。


 こうして水車の利用用途を増やして、水車を量産しようとしている。水車を量産して何に使うのかといえば、帰還に必要なエネルギーを得るのが裏の目的である。ただ、勝手にエネルギーを取っているとバレるのを避けるために、表向きの理由も用意している。エネルギーを取っているのがばれないかと疑問に思うかもしれないが、もともとのエネルギー効率が悪いのでいっぱいとってもばれない。1%の効率が数十パーセントになると、どれだけのエネルギーを奪っているかは計算してみないとばれない。しかもこの時代にはエネルギー効率という考え方が存在していない。100%がどれだけかがわからないと損失がわからないので、当分は気づかれないだろう。



 この村の成り立ちとして農作物を売って、生活に必要なものを街から購入している。農民は移動の自由はあまりなく、ほぼこの農村だけで生活している。そのため外での生活に対する知識は殆ど伝わっていないようだ。


 白い小麦粉は殻の部分についていた栄養がなくなるので、これを高く売ってほしかった。



 農村での布製品での収益が増えたので、農村の生活水準が上がった。その結果もっと徴税量を増やせばいいのではないかと画策しているようだ。代官の思惑として、この農村での徴税量を増やして、領主の機嫌を取ろうとしているようだ。そうすれば、領主の資産や借金の返済が早くなるという考えだろう。ただ、ここで気になっているのが、他との競争である。今は技術的な水準ではこの農村が進んでいるが、いずれ抜かれていくだろう。そうしないためにどんどん投資をしてリードを維持していくべきだったのだが。大商人のお金にものを言わせて人員を配置することで一気に競争に優位になるだろう。まァ、これは私が考えるべき問題ではないのだろう。




参考



How wheat is milled into flour

Atta Chakki Stone Mill Primitive Technology Hand Wheat Grinder Village Life in Punjab

たまには鬱回でもいいかなと次回を考えている。

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