肥料の使い道
再び代官に会うことになった。商品の代金を受けとりのためである。
代官「渡された商品だが、価値の鑑定結果はなかなか出そうにない。当面の間は、10金貨ほどで交換するとする。ただ、肥料とされたものはどう使ったら良いものかと苦慮している。」
「肥料は農産物の増産に効果があると思います。ただ、農業の経験が無い為確実なことは言えません。使わないのならばどこか土地を貸してもらって実験をしたいと思います。」
代官「農地の権利者はすでに決まっている。余っている土地は農地に適さない場所しか無いがそれでも構わないか。」
農地に適さない使えないほど荒れた土地とは、砂地で草も生えない土地であった。そして、ナビに土の成分分析を依頼したが無理だった。土を採取して元の世界に転送することで土の成分を分析してもらう。異世界の土壌サンプルは貴重だと思うので調査費をくれないものか。
この世界では作物がどうすれば増えるかという経験的な知識はあるが、土に含まれている元素、pH、肥沃土といった単位はないようだ。窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウなどの元素は考えられていない。それらを補充しながら土壌を改良すれば、肥沃した土地になるのだろう。農業に全く知識がない人間がやって収量が増えるようなことができるのか自信がないのである。
帰還するのに必要な時間を計算するとすぐには帰れないということがわかっている。当面の食料を自給する必要がある。食料は買えばいいが、食べ慣れたものを食べたい欲求が有る。そう思って家庭菜園でも造るかと思ったが土地を借りなければならなかった。もう一つ肥料を商品として渡したが予想通りに使われていないようだ。食料は生命線である、ましてやこの世界では不作になればバタバタと人が死んでいく世界である。そんな世界にただ食糧生産が増えると言われるものがあっても、実際に試そうという人がどこまで出てくるのか。そう、これが失われたら死ぬかもしれないのに何かわからないものを撒く人はいるのだろうか。代官に肥料を使うように言っても、断りにくいが断らなければならないという使命感があったのだろう。
ただ、肥料が有ると進言したのも言ったという事実が欲しかっただけである。言ったけど実行しなかったが、実行した場合に成功することがわかった。そのときに初めて「言ったけど実行しなかった」という事実が効いてくるのではないか。
そうした中で、肥料の使い道を模索しているのである。肥料は重い割には安くなっている。ただし、重量単位に送料がかかるこのシステムでは肥料が一番の高いものである。何かに使わなければもったいない。そういうわけで、食糧生産に使われていない荒れた土地を借り受けることになったのである。緑の革命といえば窒素の固定ができることや収量が多い作物で食糧生産が劇的に伸びたと言われている。ただ、この世界の人間にとって肥料とは受け入れられないかもしれないものなかもしれない。
結果が出るまで数ヶ月かかるので実際に信頼されるかはこの結果にかかっているのだろう。気になっているのは領主の娘がこの結果に関心が大きいことである。代官はそれほど関心を示さなかったのとは対照的である。
土のサンプルを送ったことによると、成分的に足りないことはわかっているが補充してすぐに作物が育つわけではなさそうである。家庭菜園レベルでも肥料の優位性を示せればこの国の肥料に対する関心を向けることができるのではないか。
そう、鑑定を依頼した商品はだんだん上流階級の間でたらい回しにされて居るようだが、未だ結論は出ていないようである。まぁ、なんとなく金以外の名誉的な報奨で終わるような予測がする。結局の所、物の価値というのは流動的で一定したものがないように思っている。なので、次は違うものを渡して他の物の価値を見定めたいところである。
水車の出力の限界を有る意味で感じている。次は軸受部分を、金属にしてベアリングを使用することで摩擦を減らしてみたい。だんだん金属部分を増やすことで、機械での金属の利用を普及したい。そのためには、金属加工の精度を上げる必要がある。つまり旋盤を導入する必要がある。旋盤は金属の塊であるため
参考
図解でよくわかる農業のきほん: 栽培の基礎から新技術、流通、就農まで 堀江 武 (監修)
図解でよくわかる 土・肥料のきほん: 選び方・使い方から、安全性、種類、流通まで 日本土壌協会 (監修)
次は住居について書こうかな。




