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ほほえみ社長  作者: とみた伊那
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41.平和な日々は続かない

もちろん、毎日マンガを読んで過ごすという平和な日々がいつまでも続くはずがない。

かと言って予定どおり、隣の内科が処方箋を出して順調に忙しくなった訳ではない。


ある日、ケータイ部長とくらげ課長が店にやってきた。椅子に座ると、いつもは元気すぎるケータイ部長が、がっくりと肩を落とした。


「実はですね」

くらげ課長は元気な時もそうでんない時も、話し方はぼそぼそしている。

「ここのお店は今度閉めることになりました」

「ああ、やはり。売り上げが悪いから」

その時点では、私はあまり驚かなかった。

「いいえ、この13号店だけではなく、売り上げの悪い4号店と9号店も閉めることになりました。調剤薬局は売り上げの良い数店だけを残し、あとはドラッグストア中心の会社にしていくという方針に変わりました」

「9号店もですか! 」

4号店は出店の見込み違いで、ここ以上に売り上げが少ない。しかし9号店はそこそこ患者さんが来ていて、うまくやりくりすれば赤字になる店ではない。


つまりこういうことである。

もともとABCはドラッグストア中心の会社で、それに付随して調剤薬局も付いていた。ABCの社長は調剤にはあまり興味がなく、ドラッグストア中心に発展させていきたいのである。

対してケータイ部長は、その中で調剤部門を任されていた。ほとんどの調剤の店舗は、ケータイ部長とくらげ課長の二人で開発していったのである。


「残念だ。この店もあと少しでドクターから処方箋を出してもらえるように、話が進んでいたのに」

ケータイ部長が悔しがっていたのは、今までの仕事をほとんど会社から否定されてしまったからである。


そうか、この二人は現実的にコツコツと仕事をしているようでありながら、実は店舗開発に夢を持っていたのだ。

   夢?

ここにもまた、夢に生きる男がいる。

ということは、また何か起こる。


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