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呪いのアフトクラトル  作者: 御島 修
1/5

プロローグ

西暦2023年 10月13日 東京


凄まじい喧騒に包まれ、いつも通りの混雑を見せているスクランブル交差点。

大画面ビジョンには、ゴールデンタイムの冒険バラエティ系の番組が生放送で流れており道行く人々のなかには、番組に興味を示し少し眺めている人も少なからずいるようだ。


「本当に人魚なんているんですかね~?」


番組はクライマックスに入っており未確認生物を調査するコーナーが行われている。

司会の女性アナウンサーとタレントや芸人などで進められておりどうやら未確認生物の存在に対しても賛否両論あるようだ。


「都市伝説にすぎないという意見もありますが寄せられている目撃情報を見てみると本当にいるかもしれませんね。」


「いるわけないですよ。いたらとっくの昔にみつかってます。」


「そうですかねぇー、自分はいてほしいですけどねぇー人魚とかロマンありますしねぇー。」


「見つかったら歴史的な大発見になりますね!」


番組出演者の議論にも、一区切りついたところでスタジオに通信が入った。


「あ……はい。ここでどうやら潜水艦が調査範囲に入ったようです。搭乗員の太田さんに、中継をつないでもらいましょう。太田さーん。」


……


「搭乗員の太田です。こちらはもう調査範囲に入りました。」


「そちらの様子はどうですか?」


「はい。時折、小型の深海魚を見ることはありますが大型の生物は今のところ見受けられません。これからまた深度を下げながら調査を続けていきます。」


「はい。何か見つかった場合は報告お願いします。」


「ほら、やっぱり人魚なんていないんですよ、バカバカしい。」


「わかりませんよ~。これから見つかるかもしれませんし~」


一旦中継が終わり、番組は次のコーナーへとはいっていった。


――あれどう思う?


――わかんないけど気になるよね。


――生放送だろ?この番組。大丈夫か?


交差点で番組を眺めていた人達が段々とざわつき始めた頃、


「~~~という報告もあるんですよ。」


「へ~、世界って不思議でいっp「こ、こちら太田」aいですね~。」


「太田さん、どうかしましたか?」


「は、はい。少し離れたところになにか光っているものが見えます。」


「はっ、どーせアンコウかなんかだろ。」


「接近してみます。」


潜水艦はその光る何かに接近した。


「な、なんだ? 」


その光は一瞬にして消えた。刹那、船体が激しく揺れ艦内に警報がなりひびいた。


「う、うわぁぁ。」


その瞬間カメラが捉えたのは船体に刺さる三叉の槍と、下半身が鱗に覆われ異質な光を放つ双眸を備えた魚人の姿だった。


「「「なっっ!?」」」


突如中継画面が途切れた。


「お、太田さん! 太田さん!」


――え?今のって。


――ほ、本物?


――ど、どーせヤラセだろ?


混雑していた交差点では、いっそうざわつきが増した。


「お、おい。そ、それより今のって、、まさか。」


「今の映像を見る限り魚人で間違いないでしょうね。」


「ま、まじかよ。で、でもまさか人間を襲ったりはしないよな!!」


「あの~、そろそろフラグ発言やめてもらっていいですか~?」


――な、何か揺れてない?


――え?ほ、本当だ。


ドドドドドドッッッ


地面が割れるような音が響いた。


――や、ヤバイってこれ。


――キャーーー!!


信号機や街灯が倒れ始め、ビルの看板も落ち始めた。


――と、とにかく安全な場所に急げっ!


この日、東京では震度六強の揺れを観測した。

また、他国の太平洋沿岸の地域でも大きな揺れを観測した。

そしてこの地震の後に撮影された太平洋の衛星写真に、新たな大陸のようなものが写っていた。






この一件は、世界各国で報道され、大きな話題となった。

ネット上も大荒れし、やれテレビ局のヤラセだのやれ人工地震などと囁かれた。

しかし、すぐに人類は知ることになる。

自分たちの無力さを、本当の恐怖を。




















読んでいただきありがとうございます。


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