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空を駆ける少年【アニメシナリオ】短編

作者: 宮沢亮

◆プロローグ

○どこにでもある中学校の教室内からスタート


 教室を俯瞰の視点から翔の正面まで移動。

 その際、女子達はファッション雑誌を読んでたり、SNSに勤しんでいる。

 男子達も流行りの音楽を聴きながら、やはりSNSに集中している。

 生徒間の会話は乏しく、室内に騒がしさはない。

 

  翔、心の声。


回想:子供の頃、空を見上げる翔。遠くには大きな入道雲が浮いている。


翔『僕は昔から入道雲が嫌いだった。

 あんなに遠くにあるのに圧倒的で、

 心の全てを吸い取られてしまいそうな恐怖があったからだ。

 それを分かってくれる友達は少なかった。

 僕は次第に、入道雲の話題を避けるようになっていった』


回想終わり

視点変更:翔目線


  翔、スマホに目線を移す。

  クラスメイトの長い投稿日記に対して読むことなくグッドを押す。


翔『僕は自分を抑えた。毎週楽しみにしてたジャンプも、

  いつの間にかよく分からない雑誌に変わった』


  翔、机の上にある雑誌に目線を移す。


翔『勧められた音楽を聴いても心が揺れ動かされる事なんてないのに、

  今では毎日聴いている』


  翔、隣の男子Aに目線を移す。

  男子A、イヤホンから洩れる音楽に合わせて目を閉じて頭を振る。


翔『歌うのは苦手なのに、誘われたらカラオケに行く。

  休み時間に流行りの芸人のギャグをやらされたり、やらせたりする』


  男子B、黒板の前でギャグを披露する。

  それを見て複数の生徒が男子Bを見ずに愛想笑いをする。


翔『友達づきあいは上々だ。

  誰も僕を嫌いだとは思ってないだろうし、僕も皆が嫌いではない。

  クラスアンケートで友達を10人書けと言われたら、きっと選ばれるだろう』


  男子A、イヤホンを外し立ちあがる。

  男子A、トイレに行こうぜと翔に呼びかける。

  翔、男子Aの声に応え立ちあがる。

  翔、修二を誘おうとする。

  修二、翔を睨む。

  翔、目を逸らす。

  男子A、翔を呼ぶ。


翔『人生は今のところ上手くやれてる』


  翔、不意に立ち止まる。足元に視点を移す。


翔『……だけど、入道雲を嫌いな僕はもういない』


  翔、足元からゆっくりと窓へ視線を移す。


翔『今はもう』


  翔、窓の外に視線を移す。

  外、黒い煙が空いっぱいに舞いあがったように、

  視界いっぱいの雲が校舎の上部を隠している。


翔『入道雲が、憎い』



  視点変更:教室から運動場を覗いているような視点。

  タイトルを映す。

  タイトル【夢を翔ける少年】


◆本編

○暗転。翔の夢の世界。荒れ果てた舞台。



視点:暗闇の中、翔の息遣いだけが流れる。白い息が翔の頬を撫でる。



視点変更:翔目線


  遠くから矢を放ったような音が聞こえる。

  同時に紫色の発光が画面の左上部で起きる。(小さな光)


視点変更:矢をメインに翔に近づいていく。


  風を切り裂く音がだんだんと増していく。

  翔、のけ反って避ける。

  《矢じりの視点で翔を映し続けて移動していき、

   翔を通り過ぎたら地面に突き刺さる視点へ移動する》


視点変更:翔目線


  矢の先、紫の炎を上げる。火柱のように舞い上がった紫の炎が世界を照らす。


視点変更:俯瞰


  無数の敵が翔を囲んでいる。

  翔だけわずかに白い光を帯びている。


視点変更:翔目線


  翔、火柱から正面に視線を戻す。


翔「くっ」


  紫の炎、赤く反射する爪、蒼に光る眼光。

  敵、順番に翔に襲いかかる。

  翔、叫びながら敵に応戦する。

  (視点が翔目線だったり俯瞰だったり、戦闘の速さを表現する)

  翔、人間離れした動きと、圧倒的なパワーで敵を蹴散らす。

  敵、さらに数を増やす。


視点変更:翔を正面に据える(翔の焦燥感を表情で表現する)


  翔の心の中で声が聞こえる。(翔より幼い感じの声)

  翔、敵と戦いながら影と会話を続ける。


影『これ以上、闇が勢力を伸ばすと世界が終わってしまう!

  早く友達と仲良くなって!』

翔「やってる!」

影『やってないよ! 友情の力が全然足りないもん!』


  翔、息遣いが荒くなる。戦い方も雑になる。


翔「やってるよ!! 皆が好きな音楽聴いたり、

  流行りの番組をかかさずチェックしたり、SNSだって毎日――」

影『そんなんじゃダメなんだよ! もっと自分を出さなきゃ!』

翔「自分を出す!?」


  翔、立ち止まる。

  眼前に襲いかかる巨大な影を一振りで蹴散らし、翔は怒りを露わにする。

  (その際に紫の炎が一度主人公を通過する)

  影の声、怯まずに勢い付けて喋る。


影『昔みたいに困ってる人を助けようよ!!』

翔「そんなの誰も求めてないよ!」

影『だったら! 君が毎週楽しみにしてる漫画や、アニメの話をするんだ!

  将来はヒーローのように人を助ける仕事がしたいって、皆に伝え――』

翔「馬鹿にされるだけだよっ!」


  影の声を遮る翔の怒鳴り声。

  黒い炎が翔を中心に舞い上がり、敵を燃やす。

  影、なだめるような口調に変わる。


影「そ、そうだ。修二にもう一回手伝って貰おうよ! 今も格闘技してるみた――」

翔「出来る訳ないよ」


  再び放たれる紫の矢。

  翔、後頭部へ矢が突き刺さる寸前で少しだけ顔を傾けて避け、右手で掴む。

  矢を握った手を震わせながら小声で喋る。


翔「周りの皆は漫画なんてとっくに卒業してるんだ。

  ヒーローになれないって知ってるんだ。

  カッコいいのが一番だって分かってるんだよ。

  修二だってきっと……。

  僕は自分を棄ててでも、皆に好かれなきゃいけないんだ……」


  影、少し間を空けて寂しそうに呟く。


影『……じゃあ、本当の君に、一体何の価値があるんだよ……』


  数秒間を空ける。

  (その間、翔は矢を握りしめて拳を震わせる)


翔「そんなの――」


  画面が暗転し、矢の折れる音がする。

  翔の心の声。


翔(――何の、価値もない)


○翔の中学校。登校する生徒達。俯瞰の視点。


視点変更:翔の視線


  翔、校門を抜けてゆっくりと空を見上げる。

  以前よりも低い位置(ぎりぎり屋上が見えるくらい)に雲が降りている。

  しばらく立ち止まった後に、再び歩き出す。


○翔の教室。ざわつく生徒達。

  

 黒板の前には担任が立っていて、横には凛がいる。

 黒板には名前が書いてある。

  

  担任、自己紹介を促す。

  凛、一礼をする。再びどよめきが起きる。

  すぐに静かになり、凛が自己紹介を始める。


凛「私の名前は姫宮凛です。こちらの事は何も分かっていないので、

  色々と教えてもらえると嬉しいです」

担任「何か、質問はあるか?」


  恥ずかしがる生徒達。男子Bが手を挙げる。

  生徒達の視線が凛から男子Bへ移る。


男子B「趣味はなんですか!?」

 

  生徒達の視線が男子Bから凛に戻る。

  期待感を煽るため、数秒間を空ける。

  凛、満面の笑みで。


凛「私の趣味は――漫画です」


  生徒達、しばらく茫然と凛を見つめる。

  まばらに苦笑いを浮かべる。

  消音。

  凛、嬉しそうに自分の趣味を身振り手振りで説明する。

  生徒達、お互いをチラチラと見ながら、苦笑いを続ける。

  翔、必死に冷静を保つ(視線を何度も外して)が、凛に吸い寄せられる。

  場面が授業、昼休み、授業、下校と変化する。


  画面はそのままで、戦いの音と共に影が喋る。


影『あの子、君と同じ趣味持ってるみたいじゃないか』


○翔の心の中


視点:敵を倒す翔をいろんな角度から写す。

   (武器も色々と変化させる)


翔「ダメだよ。絶対ダメだ」


  翔、頬を赤くし、照れを隠すように視線を落としたまま、敵を倒していく。

  影、悪戯っ子のような口調で、翔を煽る。


影『何でだよ、君の理想の女の子じゃないか! 見た目も、中身も!』


  翔、小さな声で呟く。


翔「それはそうだけど……」


  翔、しばらく立ち止まり、凛の自己紹介を思い出す。


回想:凛の自己紹介、それを見ている翔の嬉しそうな顔。

回想2:男子トイレで男子達が凛の趣味について馬鹿にする。

    翔は視線を落としてそれを聞いている。

回想終わり。


視点変更:翔目線


  翔、怯えた表情で喋る。視線は震える手を映す。


翔「漫画が趣味だってバレたら、せっかく強めてきた絆が全部無駄になる!」

影『ならないよ! 信じて!!』

 

  影、叫ぶ。

  翔、何かに気づいたように身体を強張らせ、手の震えを止める。

  そのタイミングで敵に思い切り殴られる。

  大きな砂煙をあげて滑っていく翔。

  巨大な岩にぶつかり、身体を起こす。

  座った大勢のまま、片足に肘をかけて喋る。


翔「ならない? 何で分かるのさ」

影『分かるよ!だって――』


  翔、目を見開く。


回想:入道雲の話を打ち明けた後、

   トイレでその事について馬鹿にしている生徒達の声を聞く。

妄想:翔に対して馬鹿にする無数の声。

回想・妄想終わり。


  翔、気だるそうに立ち上がる。


翔「お前……、もしかして……わざと友達を減らそうとしてるのか?」


  翔の身体から黒い光が燻るように湧き出でる。


影『違うよ! 俺は絶対にそんな事はしない!』


  翔、立ちあがる寸前で再び殴られる。

  血のようなモノを吐く描写の後、両腕をぶらりと下げた状態で俯いたまま立つ。


翔「僕は……また……」

影『ダメだ! 信じて!!』


  敵の表情が笑っているように見える。


翔「やっぱりそうだ。僕なんかを信じてくれる奴なんて、いない。いないんだ」


  翔から黒い光が大量に放たれる。

  翔、叫び声を上げながら、敵に向かって走る。

  暗転。


○翔の中学校、屋上。


  翔、目を覚ます。

  目の前にある雲に驚きの声を上げる。


翔「ひ、ひぃいいい!?」


  翔、全身で恐怖を表現しながら這い逃げる。

  雲に覆い隠されたドアノブを這いつくばった状態で腕を伸ばし、

  ガチャガチャと開け、飛び込む。

  凛とぶつかる。


  ※翔の視線の場合雲が見える。凛の場合見えない。


視点:俯瞰、雲は見えない。


凛「きゃぁっ!?」


視点変更:翔の視線


  翔、上半身が雲に隠れた凛を見て、彼女だと分からず怯える。


凛「だ、大丈夫ですか?」


  凛、ゆっくりと屈み(髪の毛を耳にかけながら)、

  翔に向かって心配そうに手を伸ばす。


視点変更:翔を正面にアップで捉える。


翔「ひ、ひめみや……さん」


  翔、心臓辺りの服を掴んだまま、呼吸を繰り返す。

  呼吸を落ちつけた後、凛の手をとって立ちあがる。


視点変更:翔の視線


翔「あ、う、うん。ごめん」


  翔、視界が雲に遮られて何も見えなくなる。

 (かろうじて凛の影が見える)

  震えて凛の手が離せない翔。


視点変更:凛の視線(視点は俯瞰)


  翔、両目をぎゅっと閉じて凛の手を掴む。

  凛、少し照れながら喋る。


凛「あ、あの……」


視点変更:翔の視点(暗闇)。


凛「どうしました?」


  翔、凛の声が聞こえるも、恐怖で何も答えられない。


視点変更:俯瞰(雲はない状態)


翔の心の声(屈まなくちゃ、屈まなくちゃ、屈まなくちゃ)


  翔、屈もうと足をふらつかせる。

  息がだんだんと荒くなる。

  凛、表情がだんだんと真剣になっていく。

  翔、叫び声をあげようと口を開く。

  凛、翔が叫ぶ前にもう片方の手を翔の手に重ねる。


凛「落ち着いて。大丈夫だから」


  しっかりと握られた凛の手。重ねた手はポンポンと翔の手を優しく叩く。


凛「目を閉じて、大きく深呼吸して」


  翔、凛の指示に従い、深呼吸をする。


凛「大丈夫、大丈夫、大丈夫」


  凛、とんとんと手を叩きながら、何度も大丈夫を繰り変えす。

  翔、彼女の声を聞く度に息を整えていく。

  凛、落ち着いた翔を見て、優しい笑顔を浮かべる。


回想:凛、イジメがきっかけで転校した先で急に発作が起きる。

   転校先の友達、凛を抱きしめて背中をトントンと叩く。


凛「……もう、離しても大丈夫?」


  翔、凛の声に慌てて首を振る。


翔「待って! も、もう少しだけ!!」


  翔、目を閉じたまま必死の形相を見せる。

  凛、表情が再び真剣になる。

  凛、両手でしっかりと翔の手を握りながら、


凛「何が起きているのか、聞かせてもらえますか?」


  翔、一瞬だけ嬉しそうな顔を見せる。


視点変更:妄想フラッシュバック


  敵や旧友、凛に馬鹿にされる妄想をする。


視点変更:俯瞰


  翔、口角がゆっくりと下げる。


翔「じ、実は目にゴミが入って、階段を降りたいんだけど怖いんだ。

  良かったら手伝ってくれないかな」


  凛、翔の言葉に納得の表情を見せる。


凛「もちろんいいですよ」


  凛、翔の手を引いて階段を降りる。

  翔、凛の手をしっかりと握りながら、フラフラとついていく。


凛「そういえば聞きました。新道君って昔は正義の味方だったんですか?」

翔「えっ!?」


 翔、目を閉じたまま驚く。


凛「誰かの為に頑張れるって素敵です」


  凛、昔を思い出すように微笑を浮かべる。

  (自分にもあの時ヒーローがいてくれたら、と思っている)

  翔、一瞬嬉しそうな顔を見せた後、すぐに表情を戻す。


翔「そんなんじゃないよ」

凛「皆、昔の新道君に戻って欲しいんじゃないですかね?」

翔「誰も思ってないよ」(即答)

凛「………」

翔(修二だって、僕が夢の話をして以来、疎遠になったんだ。

  きっと僕が嘘をついているって愛想を尽かしたんだ……)


  その後、会話なく降りる。

  


凛「はい、どうぞ」


  翔、階段を降り切った所で目を開く。

  凛、ハンカチを差し出す。

  翔、受け取ると同時にハッとした表情をする。

  慌てて頬の涙を拭う。


翔「ありがと……」


  翔、振り返る。階段の上で黒い入道雲が渦巻いている。


凛「どうかしました?」


  翔、凛の声に視線を戻す。


翔「あ、う、うん。何でもないよ。このハンカチだけど……」

凛「あ、大丈夫だよ」


  凛、翔からハンカチを受け取る。


翔「そ、それじゃあ……」


  翔、凛を正面に据えたまま、逆側に回り込む。

  チラリと階段上を見上げてから走り去る。

  (視点は翔を追いかけたまま、遠くで首を傾げ階段を昇る凛を映す)

  翔、教室に戻り、震える手で雑誌を広る。

  続けて机からイヤホンを取り出し耳に付ける。


  視点が翔から外に移る。窓の向こうで入道雲が渦巻いている。


○暗転。


  暗闇のまま、翔の心の声。


翔『心の声は、もう聞こえない。喋りかけてくれたあいつはもういない』


  翔、しばらく間を空けて、言い聞かせるような口調で語る。


翔『もう諦めよう』


  再び間を空ける。


翔『よく、頑張ったと思う。たった一人で戦い続けた。

  根拠のない世界の危機から救うため、何度も、何度も、何度も』


  翔の心の声に合わせて過去の戦闘がフラッシュバックする。


翔『もう良いんじゃないか。

  かつて、仲間もいたけど……彼らはもう、いない』


  フラッシュバックの中で、翔と共に戦う旧友が映る。

  (修二だが、その時は騎士の恰好で兜をつけている)


翔『誰も僕に……』


  フラッシュバックが終わる。

  画面が暗くなる。


翔『……期待なんか、していない』



○翔の教室(凛に起こされるまで画面は黒いまま)


凛「新道君?」


  翔、凛の声で目を開く。(視点は翔。目の前には凛の顔アップ)


凛「次は移動教室ですよ?」


  凛、明るく諭す。

  翔、周りを見渡す。

  (男子に置いていかれた事を再確認するように)

  翔、視線を凛に戻した後、ゆっくりと机に移す。


翔「は、ははっ、みんな置いてくなんて酷いな」


  翔、泣きそうな顔で苦笑いを浮かべる。


凛「………」


  凛、真剣な表情に変わる。


凛「何も、面白くありません」


  翔、しばらく間を空けて喋る。


翔「……いや、面白いよ。……本当に」

翔の心の声『友達になるための努力を重ねた。

      自分を抑えた。

      それなのに、誰も、誰一人として友達がいなかった。

      ……いや違う』


回想:修二と笑い合う翔。

   翔を馬鹿にする生徒と怒りを露わにする修二。

   修二にもう良いよと首を振る翔。

   悔しそうにする修二。


回想終わり、画面暗転。


翔の心の声『友達を棄てたのは、僕だ』


視点変更:凛の視線


  翔、涙を流しながら、凛に想いを伝える。


翔「僕は上手くやったんだ。

  誰にも嫌われないように、好きでもない音楽を聴いて、

  興味もないギャグを覚えて、毎週読むジャンプの話題を避けて」


視点変更:俯瞰(凛と翔を映す)


翔「それなのに、誰も僕の事なんて見やしない。

  興味もなさそうに相槌だけ打って、愛想笑いを浮かべて、

  何も……何も……」


  凛、しばらく間を空けた後、翔の手を握る。

  ハッとする翔。

  凛、優しい笑顔を浮かべて喋る。


凛「嫌われないように努力しましたか?」


  翔、凛の言葉に頷く。


凛「認められるように努力しましたか?」


  翔、凛の言葉に頷く。


凛「好かれるように努力しましたか?」


  翔、凛の言葉に頷く。

  凛、しばらく間を空けて、大きく呼吸をした後に今までよりも静かな口調で喋る。


凛「あなたは……あなた自身を認めてあげた事がありますか?」


  翔、ハッとした表情の後、凛を見つめる。


凛「あなた自身を好きでいてあげていますか?」


  翔、答えられず凛を見つめ続ける。

  凛、少し間を置いて、咎めるような視線と共に強めの口調で喋る。


凛「あなた自身を好きになるように、努力した事がありますか?」


  翔、微笑を浮かべながら、ゆっくりと視線を落として目を閉じる。

  画面は黒い状態。


翔の心の声『僕は、僕自身を好きになるように努力した事が……』


  黒い画面のまま、数秒間を空ける。



○翔の夢の中


  息遣いが聞こえる。白い息が翔の頬を撫でる。

  紫の炎を帯びた矢が放たれる。

  矢、翔の腕を貫き、地面に刺さる。

  続けざまに攻撃を繰り出す化物達、一方的に嬲られる翔。

  翔、しばらく攻撃を受け続ける。

  影の焦りを含む唸り声が徐々に聞こえる。

  影、叫ぶ。


影『何やってるんだ! 避けなきゃ!』


  翔、嬉しそうに笑いながら敵の攻撃を避けて反撃する。


翔「やっと、出てきてくれた」

影『わざと、か』


  翔、影に語りかける。


翔「ごめん」

影『何が』

翔「今までずっと」

影『だから何がさ!』


  翔、敵を大きく薙ぎ払う。

  (横回転でマントが大きく舞いあがる。上から見下ろした視点)

  敵の円の中心で、翔はマントに包まれながら謝る。


翔「僕を嫌いで――ごめん」


  翔の身体に白い光が溢れる。

  マントが風に舞い、剣が白い光を帯びる。


影『遅いよ』

翔「君は、いや僕は、ずっと僕を助けてくれていたんだね」

影『当たり前だよ。俺は俺だから』

翔『それなのに、僕は僕を殺した。何度も、何度も』


回想:翔がクラスメイトに迎合し、自分の言いたい事を黙っているシーン。

   (困ってる人を助けようとするが、

   クラスメイト達が放っておこうぜとか、

   助ける奴が馬鹿を見るとか口々に人助けを否定する。

   最後に翔にお前もそう思うだろと尋ねて翔は苦笑いで震えながら頷く)


視点変更:翔の視線


影『そうだよ。その度に、俺は心が引き裂かれる想いだったよ』

翔「本当にご――」

影『いいよ』


  白い影が翔の胸から現れ敵の矢を掴み、投げ返す。


影『俺は赦すよ。君を、赦す』


  翔、白い影を見て驚きの表情を浮かべたままかたまる。


翔「……僕に必要だったのは、友達を作る事よりも先に』


  翔、涙を流す。

  白い影、翔を抱きしめる。


翔『自分を好きになる事だったんだね」


  翔、白い影を抱きしめ返す。

  影が翔の中に入り込み、光が溢れる。

  白き輝きを纏った翔に、敵が怯む。


翔「僕はもう、僕を殺したりしない」

翔「僕はもう、僕を一人にしたりなんかしない」


  少しだけ間を空ける。


翔「僕はもう、僕を捨てたりなんか、しない」


  暗転。

  翔、敵のいなくなった夢の世界で一人座って空を見上げる。


影『明日、終焉がやってくる』


  翔、一瞬ハッとした表情を見せた後、悟ったような表情で頷く。


影『一人じゃ勝てないよ』


  翔、頷く。


翔「ああ、分かってる」


  翔、立ち上がる。風が吹いてマントが揺れる。


翔「俺はもう、負けたりなんかしない」


  暗転。


○教室。天井付近で黒い入道雲が染み出ている。


  翔、黒板の前の教卓に手をかけその雲を見上げている。


男子A「翔! 何ボーっとしてんだよ!」


  生徒達の笑いが起きる。

  一発ギャグやれーとヤジが飛ぶ。

  翔、二度深呼吸をして、正面を見る。


翔の心の声(今までみんなの顔をまともに見てなかった気がする……)


  様子の違う翔を男子も女子も気にし始める。


翔の心の声(怖い。……でも、誰かと喋るっていうのは、

  スマホを眺めるような、そんな簡単もんじゃないんだ)


  翔、ゆっくりと顔を上げて目を閉じる。


翔の心の声(だから――友達は大切なんだ)


  翔、ゆっくりと目を開きクラスメイトを見据える。

  翔、不安そうにチラチラと見てくる生徒に向かって語りかける。


翔「僕は、漫画が好きだ」


  翔の告白にどよめきが起きる。


翔「特に、正義が悪を倒すヒーローモノが好きだ」

翔の心の声(本音を晒すのは怖い。否定されるだろうか。

      笑われるだろうか。それとも……)


  沈黙が続く。


翔の心の声(言い方を間違えただろうか。

      それとも誰も俺に興味がないのか。

      どうする。仲間がいない状態で勝てるのか)


  翔、苦悶の表情を浮かべる。

  凛、心配そうに見つめる。

  二人の目が合う。

  凛、にっこりと笑う。

  翔、頷いて、再び喋り始める。


翔「僕は今まで嘘を吐いてた。皆に合わせて興味もない事を好きな振りしてた」


  クラスメイトの沈黙は続く。

  中には座りなおす生徒もいる。


翔「だけど、僕……いや、俺は皆に俺のことを知ってほしい!

  俺の好きなモノ、興味あるモノ、そして」


  翔の言葉が止まる。

  生徒達、不安そうに翔を見つめる。


翔の心の声(言うのか。信じてもらえるだろうか。

      いや、信じて貰えないだけならマシだ。もし、もしも――嫌われたら)


視点変更:回想(夢の世界で戦っているシーン)


影『友情を力にしている以上、独りになったら力は失われる。

  絶対に独りになっちゃ駄目だよ』


視点変更:翔を正面に据える。


翔の心の声(……いや、違う。嫌われたって良い。

      自分を晒して、嫌われる以上に好きになってもらうんだ!)


視点変更:翔の視線


翔「みんな! 頼む! 俺を助けてくれ!」


  どよめきが起きる。


翔「信じてもらえないかもしれないけど、

  俺は今、世界を終わらせようとする敵と戦っている!」

男子B「世界を終わらせるって、……なぁ?」

女子A「漫画か何かの話?」


  生徒達、口々に懐疑的な声を漏らす。


翔「お願いだ! 今から一緒に屋上へ来てほしい!」


  誰も答えない。


影『もう時間がない!』

翔「ぐっ!?」


  翔、頭を押さえてよろめく。


翔「皆、俺には……皆の助けが必要なんだ」


  翔、教室をふらつきながら退室する。

  残された生徒達は、呆然と翔のいた場所を見る。

  生徒B、声を出す。


男子B「なぁ、行くか?」


  誰も答えない。

  男子B、視線を落としながら呟く。


男子B「そう……だよな」


  凛の声が響く。


凛「皆、聞いてもらって、いいかな?」


  凛、教卓の前に移動する。

  生徒達の視線が凛に集まる。


凛「私は、一つ前の学校に転校するまで、イジメられていました」


  どよめく生徒達。


凛「負の感情を受け止めるのは、とても、とても苦しかったです」


視点変更:回想フラッシュバックイジメのイメージ。


凛「だから、逃げるように転校しました。

  そして、そこでは目立たないように、ひっそりと過ごしていました」


  生徒達、凛から視線を外す。何かを思い出すような表情を浮かべる。


回想:色々な生徒達が過去に何かに我慢したり空気を読むシーン。


視点変更:凛を正面に据える。


凛「だけど、そこで出会った友達が教えてくれたんです」


視点変更:回想


凛のクラスメイトA「自分を信じてやらなきゃ、誰もお前を信じてくれないぞ」

凛のクラスメイトB「あなたの好きなモノ、好きな事、教えてよっ!」

凛のクラスメイトC「怖がらないで! 私達を信じて!」


視点変更:俯瞰


  生徒達、それぞれ視線をどこかへ向けたまま想いを巡らせる。

  凛、真剣な表情で生徒達を見つめていると、男子Aが立ちあがる。


男子A「俺……行くわ」

男子B「俺も!」

女子A「私も!」


  次々に生徒達が立ち上がる。

  凛、嬉しそうな表情をする。


女子B「姫宮さんは?」


  凛、首を振る。


凛「私には、やることがあります。皆さんは皆さんのやるべきことを」


  女子B、頷き退室する。

  凛を除いて生徒達が全員いなくなる。

  凛、迷いのない表情で立つ。


凛「頑張って、皆。新道君……」


  凛が目を閉じると共に暗転。


○画面黒


翔「来てくれるかな」

影『来てくれるさ』

翔「でも」

影『でもじゃない』

翔「……そうだな」

影『……うん』

翔「なぁ、俺」

影『ん?』

翔「この戦いに勝ったら、俺……皆に夢を語ろうと思う」

影『……うん、それが良いと思う』

翔「その時は、一緒にいてくれるか?」

影『バカ。俺はいつだって一緒さ』

翔「ありがとう」

影『さぁ目を開けて』


  ゆっくりと目を開ける翔。

  ぼやけた視界がゆっくりと明瞭になっていく。

  階段を飲み込む入道雲が見える。


翔「皆……ありがとう」


  目を開いた翔の両手を強く握りしめていたクラスメイト達が強く頷く。

  (数珠つなぎで長い列になっている)

  《途中で階段を昇ろうとする主人公と手を繋いだ生徒達を、

   他のクラスの生徒達が見ている俯瞰の視点に変える》

  視点が翔の正面に戻る。


翔「さぁ、行こう」


  翔、階段を一歩踏み出したところで、暗転。


○翔の夢の世界。(クラスメイトも様々な服装で参加している)


※生徒達は部活のユニフォームだったり、ファンタジーに出てくるような服だったり、バラバラで夢の中である事を演出する。


  生徒達の雄叫びが響く。

  剣戟の重なる音や光が溢れる。

  戦争しているように、様々な場所で戦闘が起きている所を俯瞰で映す。


帰宅部「行くぞ! 今こそ俺たち帰宅部の力を見せてやるんだ!」


  魔法使いのような服装の帰宅部数人、武器を持って敵に突っ込む。


女子C「こういうのちょっと憧れてたんだ!」


  箒に乗った女子達(魔法少女を想起させる服装)、魔法の光を仲間に注ぐ。


吹奏楽部「サポートは任せて!」


  吹奏楽部達が色々な楽器で一斉に音を奏でる。

  生徒たちの士気の高まりがオーラとなって現れる。


野球部「運動部の力を見せてやろうぜぇええ!」


  野球部の掛け声に応答する運動部達。


サッカー部「で、でも俺たち、ばらばら過ぎねぇ?」


  各々の部活道具を持った運動部達。

  しかし後ろからサッカー部の肩を掴んで出てきた男子Aが優しい笑みで答える。


男子A「違っていいんだよ」


  男子Aの言葉に、頷く運動部たち。

  部活道具を敵に向かって放つ。道具は光や武器に変化し敵を貫く。

  男子A、運動部の活躍を一歩後ろで見ながら、自分の手を見つめる。


回想:男子Aが昔、翔の悩みをちゃんと聞いてやらなかったシーン。


男子A(そうだ。皆違うんだ。好きな事だって、嫌いなことだって、悩みだって。

   俺達が入道雲に対して何も思わないからって、

   翔が苦手になっちゃいけない理由なんてないんだ)


回想:男子Aが上級生に苛められそうになっている時に、翔が助けにくるシーン。


男子A(それなのに、俺は翔を……、いつだって俺達の味方だった翔を……)


  男子A、涙を流す。


男子A「翔、もうお前を一人になんて――」


  男子A、派手にポーズをとる。学生服が賢者を想起させる服に変わる。


男子A「しない!!」


  男子A、赤い炎を纏って敵をなぎ倒す。

  運動部、男子Aを見ながらすげぇとかカッコいいとか口にする。


視点変更:翔が敵に囲まれている。


  翔、しばらく敵と戦う。


翔「くそ、このままじゃ間に合わない……」

影「大丈夫。本当に困った時、必ずあいつは現れる」


  影の言葉に合わせて、横向きに一閃の光が走り、敵が一気に消滅する。

  騎士の姿をした修二(兜は取っている)が、翔の背中に自分の背中を合わせる。


翔「……修二」

修二「遅くなった」

翔「えっ?」

修二「お前の背中を守れるようになるまで、少し時間がかかったみたいだ」

翔「………」


  翔、涙を流す。

  修二、ふっと笑う。


修二「相変わらず、泣き虫だな」

翔「うん、だって……もう来ないと思ってたから、嬉しくて」

修二「……ライバルは遅れてくるもんだ」

翔「えっ?」

修二「お前だけがヒーローになれるなんて、思うなよ?」


  修二、再び笑いかけ一歩前に出る。


修二「いけっ! ここは俺に任せろ!!」


  翔、少し間を空けて涙を拭い、振り返らずに走りだす。


修二「泣き虫ヒーロー……か」


  修二、再びふっと笑い、叫びながら敵に突っ込む。


修二「だったら俺は! 無口なヒーローだ!!」



視点変更:翔とラスボスを俯瞰で映す


  翔がラスボスと戦うシーン。

  派手な光と黒や紫の炎が舞い上がる。


翔「はぁはぁ、行ける……のか」

影『いや、何かが足りない。何か……とても大切な』


  翔、しばらく戦闘が続き、クラスメイトを守るためにラスボスの攻撃を受けとめようとする。

  振り下ろされる大きな腕。


翔「くっ!?」


  暗転。


○教室、凛の前に担任が現れる。


担任「あ、あれ? なんで誰もいないんだ!?」


  凛、担任の質問に答える。


凛「先生、一緒に来てほしいんです」

担任「………?」


  担任、首を傾げながらも、屋上へと向かう。


○屋上。


  生徒達が青空の下で円になるように寝転がっている。

  その手は硬く繋いでいる。


担任「お前ら……」


  担任、叱ろうと一歩踏み出す。

  凛、担任の前に移動し、両手を広げて制止する。


凛「先生、彼らは戦っています」

担任「……何と?」

凛「分かりません。でも、とても重要な、何かと」


  凛と担任が寝ている翔の表情を見る。

  苦しそうな表情を見て、担任の面差しが真剣となる。

  凛、担任を翔の元へと引っ張る。


凛「一緒に、信じてあげてください。彼の……いえ、彼らの勝利を」


  凛と担任、翔の手の上に自分たちの手を重ねる。

  画面が白くフラッシュすると同時に、影が叫ぶ。


影『来たっ!』


  翔が目を見開くと同時に、全身から虹色の光が溢れ出す。


影『……最後の、欠片』


  《髪が逆立ち、虹色のオーラを纏う翔》

  敵、翔を見て一斉に飛びかかる。

  生徒達の危ないという叫びに翔は小さく頷く。


翔「怖くない。お前が一体何だろうと、俺にはもう信じてくれる仲間がいる」


  翔、剣を構える。

  虹色のオーラが剣へと集中する。

  ヒーローものを想起させる熱い音楽が流れる。

  敵を次々と倒していく翔を見ながら、

  敵をと戦っている男子Bが笑いながら呟く。


男子B「あいつ、こんなのが好きだったのか」


  隣にいたもう一人の生徒が答える。


男子C「子供っぽいと言えば、ぽいが……でも」


  戦っている男子達が一斉に口を開く。


男子達「「悪くない!!」」


  男子達、近くの敵を切り裂く。煙が舞い上がる。

  煙から飛び出した女子達が叫ぶ。


女子「「頑張れぇぇぇ!! 負けるなぁああああ!!」」


  視点が修二に切り替わる。


修二「やれる。お前なら、絶対に」


視点変更:現実の凛と担任


  目を閉じた凛と担任から光が溢れ、翔に注ぎ込む。


二人「いっけぇえええええ!!」


視点変更:翔を正面に捉える。


  皆の声援を受けて、より一層、翔の光が強まる。

  (クラスメイトから発せられた光が翔に集まり、光の柱が空へと立ち上る)

  そして、大きなジャンプと共に、ラスボスを切り裂く。


影『やったな、俺』

翔「ああ、やったな、俺」


  翔、ゆっくりと落下していく。

  落下点では生徒達が両手を挙げて翔を待つ。


  暗転。


○屋上、翔の視点。


  翔、目を開けて自分の手を確認する。

  眩しい光に何度か目を閉じて、ゆっくりと空を見上げる。

  俯瞰の視点に移り、空を仰ぐ翔を映す。


翔「……久しぶりの…空だ」


  ゆっくりと俯瞰の視点が翔から離れていき、次々と起きていく生徒を映す。

  生徒達はお互いの健闘をたたえて手を叩いたり、

  抱き合ったり、笑い合ったりしている。

  再び翔の視点に戻る。

  翔、胸に手を当てる。

  翔、影が答えてくれない事を悟り、一筋の涙を流す。

  画面が黒くなり、翔の声がする。


翔「ありがとう、今までずっと」


翔「そしてこれからもよろしく。大好きな、自分」


 

  本編終了。


◆エピローグ

○学校の廊下


  翔、凛と肩を並べて歩いている。

  部活に行こうとする生徒や、帰ろうとする生徒、

  図書室へ行こうとする生徒など様々な生徒達が翔達の横を通り過ぎる。


凛「ねぇ翔君」

翔「ん?」


  凛、歩きながら指を折って数える。


凛「翔君が今回得たモノって、

  何物にも代えがたい友情、

  友情を得るために行った努力、

  そして大勝利……だよね?」

翔「あ、ああ……、そうかもね」


  翔、照れくさそうに苦笑いを浮かべる。

  凛、立ち止まる。

  翔、一歩前に出て立ち止まる。


凛「少年誌ってさ、他にもテーマがあるの、知ってる?」


  翔、振り向く。


翔「え、それって――」


  凛、翔の頬にキスをし、顔を真っ赤にしている翔の手をとる。

  画面が暗転し、凛が喋る。


凛「恋愛、……なんてね♪」


  最後に文字が浮かぶ。

 《君達の物語はまだ、始まったばかりだ。のような、未来を想起させる言葉》


  終了

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