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CTO~Crazy Teacher Ogiwara  作者: スーパーヤサイジン
第1章~自殺目撃!CTO登場!
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プロローグ-出会い-

 とあるバスターミナル付近を、結月千波ゆづきちなみ桜庭静奈さくらばしずなは歩いていた。


 日曜日のとある駅前は、多くの観光客や買い物客で賑わっていた。その中に、5人のチンピラの集団があった。チンピラ達はいかにも弱そうな男性を取り囲んでいるのを桜庭が発見した。

 「先生、あれ。」

 「うん。…行こっか。」

チンピラ達はずっと、男性から、何としてでも、というように蹴り続けながら、金を盗ろうとしていた。群衆が遠巻きに見て見ぬふりをしている中、嫌そうな表情をあらわにしながら、結月はチンピラに近づいき、震える声で話しかけた。

 「あ、あの、君たち。」

 「あぁぁぁぁぁん?誰だオメエ?おぉ?」

途端に相手を男性から結月に変更するチンピラに、結月は勇気を出して説得しようとする。

 「いや、あの、さぁ、そういうの、恐喝、って、言うじゃん?…あの、一応犯罪だから……」

という結月の‘一応’にかぶせる形でチンピラは、あぁん?、と脅した。結月が思わず後ずさろうとしたその時だった。

 急にバイクが爆音とともに音速で走ってきて縁石に乗り上げ、ついでにジャンプ。そのまま飛んでタイヤ部分がチンピラ達の顔に次々と直撃。チンピラは倒れこみ

 「うわっ!いってぇ~‼」

と言った。バイクに乗っていた男がバイクから降り、チンピラ達に話しかける。

 「子供の行いや言動は、親を映す鏡だと言われている。今の恐喝ぐぇんばをお前らの親が見たら、、、泣くぞ。」

 チンピラ達は、キチーッ(*)、と言いながら逃げて行った。そこへ、気絶しかけていた結月が来て、男にお礼を言うと、男が答えた。

 「いやぁ、それほどでも…」

といい、照れたような顔をするが、実際は結月の胸をみて、デレデレしているのに結月が気付き、

 「きゃあああああああああああああ‼キモ‼」

と叫ぶと、音速で今度は警官が来て、反抗されながらも男を連れて行った。


 この時、結月はいろいろなことに気付いていなかった。


  ①この騒動の間中、桜庭がずっとにやけていたこと。


  ②この男の名が、荻原悦郎おぎわらえつろうであること。


 そして何よりも、


  ③自分がこれから1年間、この男と同じ職場で働き、変わっていくこと。



**********

 夜。荻原と、幼馴染みの柳沢公康やなぎさわきみやす杉野友哉すぎのともやが、留置所からの脱出劇を語り合っている。語り手は荻原。場所は柳沢が経営するレストラン『キチの家』。

 「でよぉ、一旦留置所入れられたんだけど、ま、あんなとこ抜けんの簡単だったぜ。」

**********

(回想)

  荻原と檻を挟んで立っている見張りの警官に、荻原はこう話しかけた。

   「ねえ、警官さん。」

   「なんだ。」

   「ちょっと、耳貸して。」

   「あ、ああ。」

  と言い、荻原が警官に耳打ちをすると、一瞬にして警官の顔がニヤつき、鍵を開け、手錠を外した。

**********

 「ってわけだ‼」

と荻原が締めくくると、すぐに、

 「ダメだろ!それ!」

と杉野がツッコミを入れた。

 「ちゃんと警察の各所写真撮ってきたぞ!」

荻原はそう言って、ズボンの尻ポケットに手を入れた…が、そこにスマフォはなかった。荻原はつい先月にガラパゴスケータイからスマートフォンに買い換えたばかりだったので、失くすと大変なのである。

 「あれっ、スマフォ落としたかな…」

荻原が焦って探し出したその時、店のドアが開いた。すぐに柳沢が、いらっしゃい、と言って出迎える。それに構わず、店に入ってきた少女はぎこちなく荻原に話しかける。

 「あのぉ…、昼、バスターミナルで助けてもらった女性の友人なんですけど…」

 「おお!」

と話し始めたところに、早速杉野が首を突っ込む。

 「なんだよ、荻原。108人目の彼女か!?」

 「ちっげえよ!」

 「えっ、荻原っていうんですかぁ。あの、店の前にスマフォ落ちてたんですけど…。」

 「あっ、名乗るほどでもないと思ったのに…。」

 「ところで、Would you like to work in the Saishu high school?」

と、少女(桜庭)は急に話題を変えた。が、荻原は英語が全くできず、英検は1級だけ受けて1発で不合格という名誉な(本人が勝手に言っているだけだが…)経歴を持つほどだ。こんな難しい中学英語、40歳の荻原には到底わかりゃしないのだ。よって、こう答えるしかなかった。

 「はっ??」

 「だ~か~ら~、我が砕衆高校で働きませんか?って。」

 「えっ?なんで?いいけどよぉぅ。」

 「砕衆高校3年B組は、いじめなどの問題が多いクラスなんです。そこで、教員をしてもらえるとうれしいのですが…。」

 荻原は思わず席を立った。反動で椅子は見事に満点の後転をした。そして、

 「きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあぁあぁぁあああぁぁああぁぁあぁぁあぁぁあぁあぁぁあああああぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁっぁああああああああああああああああああああああああああああああぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁおっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああぁああああああああああああああああああああああぁああぁああああぁぁぁぁぁぁあ‼!!」

と、叫んだ。


※(*)キチ=キチガイですのでよろしく。

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