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忍び寄る影
枝を持ち帰ったハイリンヒの手元を見て、ヒルデガルドが言う。
「へえ、素人目にもわかる、素晴らしい枝だね?」
金色に輝くそれを、しげしげと見るヒルデガルドの目は好奇に光っていた。
「はい、早速・・・・」
「テストだね?」
「ご名答です」
そんなふうに言い合い、笑いながら、二人は枝を握った。
そして、魔力を注ぎ込む。
眩いばかりの光が放たれた。
「すごい!」
「ああ!」
その光は、凄絶なまでにその場を埋め尽くした。
それを影で見ている者がいた。
その影は、小さく舌打ちをし、その場を去り、走り出した。