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*第一章* 「耶麻際解放戦線」 第二話


五人が住む耶麻際市。


その中で、悠生が住んでいる桂羽町の路地裏を、LAV-25は突き進んでいた。


操縦は勿論機械にも強い進次である。


「strangeの奴ら全然いねえなあ」


車内で、涼介が真子手作りのおにぎりを頬張りながら言う。


「そうだな、銃声も聞こえないし昼時だから警備が薄いんだろ」


「油断は禁物です、僕が機械に強いと言えども無免許なんですから」


気楽な悠生を進次が注意する。


「そん時は私が出来るだけ狙い撃つよ、任せといて!」


機銃手を担当する真子がハキハキした声を張り上げる。


「皆、いつの間にか野営地に着いたみたいですよ」




進次の言葉通り、LAV-25はP90部隊の3つの野営地の一つである第二野営地に後60mというところまで迫っていた。



「戦闘か…アタシに武器を」


悠生はルーに鞘に入った日本刀、そしてM9を手渡す。


「剣の道を貫くお前にはやっぱ本物の剣しかないだろ?」


「ああ、ナイスチョイスだ悠生」


ルーは幼稚園生の頃から剣道を続けており、個人戦関東ベスト8、全国ベスト16の記録を持つ。


美人すぎる女剣士として、某ファッション雑誌からインタビューの依頼が来たほどだ。


「悠生、俺にも」

涼介にはP90とC4爆弾を手渡す。


涼介はエンジニアの父を持つため、様々な兵器や武器の発明や修理を行うセンスを受け継いでいる。


兵器の操縦は、からっきしの様だが。


「よし行くか」


悠生もFAMAS、テニスラケットを手に取る。


テニスラケットを手に取ったと言っても、ルーの様な華々しい成績など無い。


中学生の時テニス部だったという理由だけである。


「皆さん、準備は良いみたいですね?

それじゃ加速して攻撃し、陽動します」


軽快なエンジン音を発しながら、一気にLAV-25は野営地に近づく。


機銃の銃口が立てられたテントや隊員の輸送車の方を向く。


ババハババババババ…


銃弾の雨霰。つんざくような発射音が野営地を襲う。


休憩中の部隊隊員たちは驚き、口を大きく開けたまま撃ち抜かれていく。


「真子さんはそのまま機銃掃射で敵兵を牽制、三人は出撃し、直ちに野営地を制圧して下さい」


進次の指令通り、悠生、涼介、ルーの三人は外に飛び出す。

悠生はFAMASを構え、LAV-25の物陰から敵兵の頭を撃ち抜いていく。


戦況は上々。


涼介が第二野営地の中で最もテントが集中している辺りに、C4爆弾を設置しようと駆け出し始めた、その時だった。



シャワーのような、機銃の銃撃が止んだ。


「私には、これ以上、無理…」


諦めの言葉と共に、泣き崩れる真子。




「…ツッ…」


銃撃が止んだ為に、隠れていたP90部隊の銃撃が涼介の肩を撃ち抜いた。


「真子ぉ、このままじゃ全員死んじまうぞ!」


悠生が吼える。


「涼介、とりあえずアタシの肩掴めっ」


ルーはとっさに涼介に駆け寄り、肩を貸してLAV-25の後ろに戻って来た。


「私、思ったの。

こんな風に驚いて逃げてる人達を撃ってたら、この人達がいつもやってる事と一緒だって。

残虐なのは私たちの方だって。」


感受性豊かな真子は悲鳴や断末魔に耐えられなかったのだろう。


「そんな事言っても、このまま一緒怯えながら暮らすの?

自分達が行動起こさなきゃ、未来は変わんないだろ。

真子。アンタに出来る限りで力を貸して。」


真子を諭すルー。


「俺からも頼む…この肩の一発はチャラにするからさ」


「ルー、涼介…」


少女は友の名を呟いて、気を失った。



止まないP90の銃撃。

悠生達は四人で挑まなければならない。


「真子の代わりに、俺が機銃手になろう」


「ちょっと待って下さい、RPGを持ってる奴がいます!」


急拵えの止血を肩に行った涼介が機銃手席につこうとすると、進次がそれを止めた。


その隊員を撃ち抜こうとする悠生も、焦りからか銃弾を全く当てることが出来ない。


「発射間近、危険、退避します!」


ダーン。


そんな時響いた一発の銃声。


RPGを持つ隊員の頭に一つ穴が開いた。

「心配すんな、お前らは俺が守る」


声のしたはるか後方を振り向くと、スナイパーライフル「SKS」を手にしながら立つ一人の男。


「二瓶先生…」


二瓶勝政。

高校教師。

指導教科は社会。


耶麻際第二高等学校最強の教師がそこにいた。


戦闘に臨場感が出ないなあ…

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