*第一章* 「耶麻際解放戦線」 第一話
書き方が安定しなくてすみません…
とあるアパートの一室で悠生は再び目覚めた。
時刻は午前11時。
8時前にどこぞの一般市民を助けて二度寝したことを考えると、三時間くらい寝ていたことになる。
「ふわぁーあ」
悠生は立ち上がり伸びをする。
その横では降り注ぐ太陽の光を受け、愛銃であるFAMASが鈍く光った。
武藤悠生。
15歳。
身長168、体重55kg。
趣味はカラオケ、めんどくさい事は大嫌い。
どこにでもいるような高校一年生だ。
ただ一つ一般人と違うことは、銃の扱いが秀でているということか。
「最近多いよなあ…strange」
悠生は先程の光景を思い出して呟く。
ここ、茨城県耶麻際市では近頃「strange」のP90部隊がデカい顔をしてうろついている。
P90部隊は非常に名が知れ渡る残虐な部隊で、茨城県の県西の大規模な都市である耶麻際市を制圧するために、東京都のstrange本部=以前の国会議事堂から派遣されてきた部隊だ。
以前はカービンライフルの「M4」を持つ部隊が多少派遣されていただけだった。
しかし東北地方で立ち上がった抵抗勢力を牽制するために、関東地区の北部の県に実力のある部隊が派遣されたという訳だった。
P90部隊の隊員の通った後には、抵抗しない女子供の首が転がっている事もザラである。
そのため人々は怯え、街は静けさに包まれている。
「こんなんじゃ遊びにも行けねーよなあ…」
そんな事を言いながら悠生は携帯電話のダイヤルを押し始めた。
プルルルル…
何者かに電話をかけたようだ。
「はい、もしもし、涼介ですが」
涼介という少年は、電話越しに爽やかだが、少し怯えたような声で応対する。
「あ、もしもし?悠生だけど」
悠生はそんな事お構いなしに話し始めた。
「悠生か…どした?」
「今日からさ、strangeに宣戦布告しねえ?」
「宣戦ふ…こく?お前それマジで言ってんの?」
「おー、マジマジ。宣戦布告って言っても、耶麻際市解放するのが当面の目標だけどなー」
「いやいやいやそうは言っても、お前武器とか兵器はどうすんだよ?」
「そんなら一応LAV-25奪っといた」
「やけに準備いいな、オイ」
「だって、もうずっとゲーセン行ってないじゃん。もう耐えられねーし」
LAV-25とは水陸両用の戦闘車両である。
「じゃあ武器は?」
「FAMASが一丁とP90が三丁、それとRPG、そして日本刀二本とその他色々」
「どんだけゲーセン行きたいんだよ」
「それと今から真子と進次、ルルシアも誘うつもり」
「やっぱ結構身勝手だなお前」
「いやいや、それほどでも~」
「誉めてないし、てかとりあえずお前んち行けばいいの?」
「まあそれで良いよ」
「了解、じゃあ切るぞ」
ブツリ。
電話は切られた。
悠生は溜め息を一つついて、同じ様に他の三人にも電話をしていったのだった…
一時間後。
悠生の部屋には四人の男女が集まっていた。
「とりあえず集まってもらったけど、なんか質問ある人ー?」
悠生が皆に問う。
とりあえず全員悠生の考えは理解したのか、それとも止めても無駄だと思ったのか、誰も手を挙げない。
「じゃあ、俺達の耶麻際を取り戻しにレッツゴー!」
「ちょっと待てや」
辺りに冷徹な声が響き渡る。
その声の主は、ルルシア・オルルッド、通称ルーだ。
日本人とウクライナ人のハーフで、金髪碧眼、そしてナイスボディを持つ、絵に書いたような美少女なのだが…
怒らせると危険。
「すみません、待ちます。何でしょうか?」
悠生は縮こまり、ルルシアの次のアクションに対して身構えている。
「てめえよぉ、アタシらの事何だと思ってんだ?道具か?」
「いやいや俺はただ皆でゲーセンに行きたくて…」
「もっともらしい理由つけてんじゃねえ、この腐れ野郎がぁ!」
大きな声と共に、ルーはテーブルを蹴り上げる。
「そうだぞ、俺達だって忙しいん…」
「黙れや」
「すみません」
今ルーに謝ったのはさっき悠生が電話していた、市ヶ谷涼介である。
甘いルックスの上に男らしい性格のナイスギャップかと思いきや、性格まで甘く頼りない、普通の少年である。
「んで、悠生。もしアタシらが死んだらどう責任とんの?」
「それは…」
「考えてないだろ?無鉄砲すぎるんだよ、お前は」
「…………」
場に訪れる沈黙。
その沈黙を破ったのは悠生の考えを肯定する言葉だった。
「確かに無鉄砲過ぎる。
しかし耶麻際市を取り戻したい気持ちは皆さん同じでしょう?
僕が遂行出来るような計画を立てます。
その為に僕はここにいる。」
横山進次。
全国模試四位の男。
冷めた言動と眼鏡の似合いすぎる風貌のため、ガリ勉の様に見えながら、情に厚く、仲間を大切にする少年だ。
「進次、お前…」
「決して君の考えを全て肯定している訳じゃない。けれど、怯えながら暮らすのはもう飽きたのさ。」
「ありがと、助かるよ」
再び場にはにこやかな雰囲気が戻っていた。
「ハァ…しょうがねえなぁ。そこまで言うならアタシもついて行く。」
「ルー…」
「ふん、お前が無鉄砲なのは変わんないかんな」
ルーもなんだかんだ言っても仲間を見捨てるような少女ではない。
「私も行く。皆行くなら力になりたいしね。」
優しげな声を発したのは大沼真子だ。
非常時にはきちんとリーダーシップを取れる少女で、皆をまとめることの出来る貴重な存在だ。
「そんじゃあ俺も乗るしかないみたいだな」
やはりこんな時に最後を締めてくれるのは涼介だった。
「皆…良いんだな?
それじゃあ、耶麻際を取り戻してやろう!」
五人の少年少女の戦いの日々が今幕を開けた。
実は悠生が内心、やっぱりゲーセン目的というは別として。
ギャグ要素多すぎたような…
これからもこんな緩い感じでやっていきます(笑)