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人類には早すぎた御使いが恋姫入り  作者: TAPEt
覇王と御使いで七日間の駆け落ち
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後日談&解説など


一刀SIDE


帰ってきた時、華琳は来た時同様気絶していた。

外の様子をチラッと見ると大分騒がしかった。

このタイムマシーンは移動時に出すエネルギーの一部が光に変わるせいで周りに必ずバレるのが弱点だ。

華琳は隠したかったようだが、誤魔化すにしても何もなかったかのように言うことは出来ないだろう。


「仕方ない」


劣勢な時でもいざとなったら厚かましくやっていくのが俺のスタイルだ。

俺は目を閉じている華琳を抱き上げてタイムマシーンを置いた天幕から出た。


「何の騒ぎだ」

「え?あ、あなたは…!」


右往左往している兵たちに向けて叫ぶと俺の顔を知っている兵が居たのが幽霊を見るような目で顔を真っ青にして驚く。


「陳留に帰ってきたとは言え、こんなに右往左往してるものじゃあ、訓練も最初から仕切り直しだな」

「き、貴様が何故ここに…」

「貴様…?」

「貴様、曹操さまに何をするつもりだ!」


貴様呼ばわりするか。

悪い気になったつもりはないが俺が華琳を連れてる様子を見てその槍先を向けるとはなかなかいい度胸しテルジャナイカ……。


「…俺が何かするつもりだとして…その槍は飾り物か?」

「何だと?」

「今自分たちがやるべきことが何かも判らず右往左往してる連中に貴様呼ばわりされるほど俺も落ちぶれてはいなくてだな。復帰する前にお前らの除隊を早まらせてやる。喜べ」

「何を言っている!」

「おい、他の奴らも集めろ。君主さまがさらわれた!」




「騒がしいのよ!!」


「じゅ、荀彧さま!」

「夜明けになってやっと一眠りしようと思いきや良くも眠りの邪魔してくれたわね……」


久しぶりに出会う荀彧はなかなかヒステリックな表情しながら兵士たちに言った。


「持ち場に戻りなさい!」

「し、しかし…」

「二度も言わせるつもり?というか私と同じ空気の中で喋らないで。いや、空気も吸うな。あんたらみたいな脳みそ空っぽな男たちが空気吸ってるだけで空気で病気が伝染しそうだから」

「……」

「判ったらさっさと持ち場に戻りなさい。他の連中も通常警戒にもどれと伝えなさい!」

「は、はっ!」


周りに居た兵士たちは荀彧の暴言を聴き終えた後去っていった。

なるほど、そっち系の連中だったのか。(※違います)


「余計な騒ぎ起こさずに済んだな、たすかr…」

「ふん!」


私が話を終える前に荀彧の往復ビンタが俺の顔に炸裂した。


「お、まえ…」

「華琳さまを抱いていなかったらこれだけ済まなかったわよ、感謝しなさい」

「……」


これはまだ終わってないみたいだな


「一ヶ月も置きなかったくせに、なになんともない顔で華琳さま抱き上げたまま現れてるのよ。マジで死にたいの?」


以前とくらべて俺に対しての態度があまりにも変わっていたので対応に困っていた所、荀彧は話を続けた。


「あんた、またあの得体のしれないカラクリを使ったわね。しかも今度は華琳さまを乗せて…」

「…そうだ」

「……!何あっさり答えてるわけ?今に見てなさい。後で華琳さまにアレを破壊するように進言するんだから」

「アレが動いたことを他に誰が知っている」

「夜にあれだけの光出しておいて何言ってるのよ。寝てた兵士たちも全部起きて騒いだのよ?しかも華琳さまとあんたの姿は見えないし。何が起きたか一目瞭然でしょう?!」

「…そうだな」


本当にアレは派手な部分がネックだ。改善の余地があるな。出来るかは別として。


「真相を知っているのは?」

「…多分、私だけでしょう。あのからくりが動くのを見た者も、なくなった所を見た者も居ないわ。単に光があって、アンタと華琳さまが夜一刻ぐらい居なかったということは深く眠っていた凪と流琉以外には知ってるわね。アンタについてはあの二人には口封じしておいたわ」

「……そうか。ならタイムマシーンについてはなんとか誤魔化せるな。こっそり陣の外に居たということにしてくれ」

「春蘭がそれで納得するとでも思ってるの?」

「アレは何を言っても納得しない。真実を言っても理解できない。適当に言って適当に流すのが上策だ」

「……」


荀彧は呆れた顔で俺を見た。


「あんた、お願いだから華琳さまにこれ以上無茶なことさせないで頂戴」

「……」

「洛陽での件でも華琳さまはあんたのせいで十分危険な目にあったし、あんたのせいで華琳さまはどれだけ心苦しんでいたかあなたに判る?いっそあんたがこの世から居なくなれば華琳さまにとってはその方がいいかもしれないわ」

「……だが俺を死なせてくれなかったのは寧ろ華琳の方だ」

「ええ、そして近くに居た方がまだ遠くに居る時より危険な少ない。それは連合軍の間しっかりと肌で味わったわよ」

「……」

「だから、ここに居るつもりならせいぜい華琳さまのために働きなさい。それがあんたが華琳さまから受けた恩を返す唯一な方法だから」

「…お前も言うようになったな」

「あんたの『せい』でね」

「…そうか」


やはりこの軍に居るとつまらなくことなんてそんな起きないだろうと思う。


「元譲はどこに居る。陣内にいればもう駆けつけてきてもおかしくないが」

「陣のどこにも居ないから捜索隊を組んで出かけたわ。夜明けまでにはかえってくるように言っておいたから大丈夫よ」

「……お前わざと陣からやつを遠ざけたな」

「中に居るうるさいから肩押してやっただけよ」


……


「ほら、早く動きなさい。いつまでも華琳さまをあんたの汚い両腕で抱き上げてるつもり?」

「…汚いかの問題は別として、そうだな。もう夜明けだが、陳留は手前だし出発は少し遅れても構わないだろう」

「あんたのせいで私は今日一睡も出来なかったのよ。どうしてくれるのよ」

「他の奴らも騒がないのを見るとお前がどれだけ騒ぎを最小限にしようと頑張ったか判るな。借りにしておこう」

「代わりに息止めてくれない?」

「断る」


もう夜が明けようとしていた。


<pf>


<<番外編で言い切れなかった話>>


ごっちゃになってうまく話できなかった所を解説していきます。


<レベッカ・北郷について>


最初一刀が元の世界に彼女が居たことにしようと思ったのは洛陽に到着していた頃でしたね。時間的にはすごく前みたいですけど話の流れとしては終盤でしたね。

一刀が熱で倒れた時つぶやいていたのは実は彼女の名前だったのですが、あまりにもわかりにくくてフラグとしては誰も気づけず。寧ろこれで華琳を呼んでいたのだと思う人もあったのだから完全に外れでした。


最初は華琳に似てる女性にして、実は近い未来に華琳が一人でタイムマシーンに乗って一刀の過去に会って結ばれたってことにしたかったけど没。


名前がレベッカなのは特に意味はありません。強いて言えばぱにぽにだっしゅのレベッカ宮本先生から来ました。でも作中に説明したように金髪ではありません。


作中の説明で華琳が誰かに似てると言ったけど誰なのか判らない人が居ましたので直接言わせてもらいますと、恋に似ています。髪は長いし刺青もないし身長も華琳と同じぐらいか少し高いですが恋に似ています。


▷結局嫁なのか妹なのかどっちか。


法律的には嫁。作中に説明しましたが市民権関連の問題で籍に入れただけで一刀にとって実際レベッカは妹みたいな存在でした。そこは今華琳を想ってるのとは確実に違う感情。

実はレベッカの墓の前で何も思わなかったのもこういう関連ですけどそこは説明を省きます。


▷六日目の設定について。


先ず全体設定から。


レベッカは親が死んだ後色々あって一刀の居る孤児院に送られますが、そこで性暴行を受けます。一刀はこの時のことに関して彼女が何の抵抗もしていなかったと言ったことがありますけど、レベッカは自分が何をされようとしたのか判らなかった模様。


脳の言語領に問題があるレベッカは考えていることを言語と化すことが難しい代わりに異能な力を持つのですがそれが予知夢に近いものを見ることです。

また絵に才がある彼女はいつも自分が夢で見たことを絵で描いていて、一刀はこれにたくさん影響を受けました。


孤児院であった華蝶仮面も実はこの人の仕業だったりします。披露する場面がなかったので埋められました。


<<チョイについて>>


何故か韓国人2世にしました。チョイは姓で(催)、名前はガン

昔の韓国のドラマで同姓同名の国家情報要員が出ますが無関係です。

ご両親に関しては不明。一人で産業スパイのフリーランサーをやっていた所一刀の目に付いて秘書として暗躍しました。彼が居なければ一刀がタイムマシーンを作ることも出来なかったかもしれません。


外見はショタ成分多めにしています。作者は黙々シリーズ以来ショタに目覚めてます(笑)。

でもプロなので体はしっかりしています。


▷カミングアウトについて


これ最後の日に一刀が嫌がらせとして言いましたが実際には没となった話のうち二回ぐらいチョイが本当にカミングアウトする場面が出てきてました。

結局没になりましたけど。

というよりチョイを連れて行く世界線もあったかもしれない。


そもそも嫌がらせの理由は、元々サンオイルを塗る計画を薦めたのがチョイだったので、うまくいかなかったことで腹いせしただけなんですが。

ちなみに話というのもそれ関係。


というわけで、今回はこれでおしまい。

二部でまた会いましょう。


読んでいるそこのあなた様、ご感想などあればコメントお願いします。待っています。


ノシノシ

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