サバイバル生活
ヒロシにいくつか持っていってほしいと頼まれたよくわからない物をいくつかリュックに入れて洞窟を出た。それらはおそらく今の世の中には価値がない物と言われた。結局、金目になりそうな物は手に入らないまま、機械少女リッカの無言の案内で入った時とは全く違うルートから洞窟を脱出した。出た場所も見覚えのない山の中だった。
「ここは?」
「見てわからぬか? 森じゃよ。あっちには小さな池もあるぞ」
独り言に近かったフェリックスの言葉にヒロシが返事をする。
「いや森なのは分かるけど、何でこんなところに?」
「おまえさんがガリガリで、頼りなすぎるからの。少し鍛えてやろうと思ってな。どうせただ戻っても何もすることなどないじゃろ?」
「、、、まぁ、そうだけど」
戻ったらダンたちに怒鳴られていつものようにこき使われる生活が待ってるだけだろう。
「安心せい。この森はそこまで強いモンスターはおらんし、果物や獣、魚と食べ物も豊富じゃし、暑さや寒さで死ぬような気温になることもない。リッカの試運転がてら色々とサポートもしてやる」
ヒロシがそう説明してくれる。リッカの方は無言のままだ。ほぼ裸のままの状態。
「鍛えてくれるにしても、この子の服をどうにかしてからが」
「ふむ。まぁ確かにの。リッカ、服を」
ヒロシがそう指示を出すとリッカの体が淡い光に包まれる。その光は一瞬で収まり、リッカは服を着ていた。
「え?魔法?」
フェリックスは鑑定こそできないが観察のスキル持ちで、目には自信がある。でも何が起きたのか全くわからなかった。
「魔法ではないが、まぁ似たような物じゃ。さ、これで問題なかろう」
こうして唐突にサバイバル生活が始まった。




