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隠し通路

「にしても。新しく発見されたっていうか、わざわざ田舎まできてこれじゃ、しょぼすぎだろ。そもそも本当にダンジョンなのか? Eランクどころじゃねえぞ。ただの洞窟にモンスターが住み着いただけじゃねぇのか?」


ダンがタバコを取り出しながら愚痴る。


「ちょっとダンジョン内でタバコはやめてよって言ってるでしょ」


ルシアがダンと距離をとりつつ、非難の声をあげた。タバコの臭いでモンスターを刺激することもあるから確かにタバコはやめた方がいいし、普段のダンならタバコを吸うなんてことはしない。ただこのダンジョンは今のところ、ゴブリンとワイルドドックといった雑魚モンスターだけ。罠らしいものもなく洞窟の入り口から、ここまで一本道。たんなる洞窟とも言えそうな状態だ。ダンジョンはダンジョンコアという、石が創成する魔境で洞窟、人工的な石作りの迷宮、塔に、大砂漠、大森林、果てには溶岩地帯といったものまで様々だ。その規模や攻略の難易度でSからEランクまでダンジョンは存在する。


ここはEランクと呼ばれるダンジョンと比較しても単純なつくりかつ、モンスターの質といい物足りなさがある。


確かにダンさんのいうとおり、ここは自然にできた洞窟なのかもしれないなとフェリックスは、タバコの煙をぼんやり見ながら考えていた。


ただその煙がスッーと壁に引き込まれるように流れたのを見てパッと身構える。



「ひょっとしたら、ここの壁に何か仕掛けがあるかも?」


フェリックスは、2m程度ある長い棒を構えて壁の方を確認した。この棒は戦闘には耐えれるような代物ではないが罠を確認したり、わざと発動するためには必須だったためみんなから邪魔だと非難されてもダンジョンに行く際は必ず持ってきていた。



壁をコツコツと叩いて確かめていくと、スッと壁に棒が入っていく。手応えは全くない。



「まぼろし?」


幻で見えないがおそらく穴が空いている。壁に突き刺したまま棒を左右、上下と動かして、どの程度の大きさの穴なのか確認する。直径1mはありそうだ。穴の高さも、ちょうどフェリックスの胸元あたりに位置するため入り込むのは問題ない。ただ幻の壁に塞がれているため、穴の先は全く見えていない。向こうから音は聞こえていないが、何が息を潜めて待ち構えてるかもしれない。



「おい、なんだぁ? なんで棒が壁に突き刺さってるんだ?」


「なぁこれって幻影でできた壁じゃないの? ひょっとして隠し通路?」


フェリックスが棒を壁に突き刺しているのを見てざわめき出すダンたち。



「壁があるようにしか見えねぇな」


ダンが棒を横取りして、動かしながらそう呟く。



「よし、お前、入って中を確かめてこい」


「え? いやもっと慎重に確認してからの方が」


「あぁ、うるさい、うるさい」


サナが無造作にフェリックスを抱き抱えてそのまま穴があるであろう場所に投げ飛ばす。



ドンっと尻餅をつき、呻き声をあげる。

ハッと投げられた方向に振り返るとそこには壁があった。天井も床も壁も陶器のような素材でできており、天井はほんのり明るく周囲を照らしている。


さっきまで洞窟と違う人工的な造り。そして、投げ飛ばされた場所の壁をいくら触っても叩いても、すり抜けることはなかった。






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