表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Genesis of Deicide  作者: キキ
第二章 神格継承戦争/Deicide-Game
34/60

Deicide_Prelude/神を名づけるという罪

「この座は、“語られた力”のためにあるのか。

それとも、“語られなかった痛み”のためにあるのか。

さあ――決着を、“語れ”」


構文戦域《神格構文座》起動。

最終候補三名が出揃う。

- ナオ=ミカド:語義未登録/構文遮断体

- エルヴィア=セリュー:語義再定義『崩れたくない』

- ダリオ=ヴァント:語義進化体『声を祈りへ』

それぞれが、構文空間の奥――《Chair_0》に向かって歩みを始める。


だが、その中央に出現する“第三の座標”があった。


【Null構文体:Iden=記録不能波形反応】

【語義分類:非発語属性/記録破砕素子】

【構文名:Deicide(神の記録を殺す者)】


神の椅子に立つ者を試す最後の試練。

それは、“語られなかった神性”そのもの――Iden=クロニアとの再遭遇だった。

構文制御省、全波形震動。

「彼はかつて“語らなかった”がゆえに、記録から消えた。

だがその沈黙は――“語義の起源”と一致している……」


Chair_0が告げる。

【最終接続演算:他者の語義を“命名”せずに受け止めるか】

【制約:言語による勝利宣言・語義名称登録・構文定義すべて封印】

【提示命題:沈黙で語り、語らずに選ばれよ】


ナオは立つ。

目の前には、語りえなかったイド。

自分と似た、けれど一度は消えてしまった“痛みそのものの存在”。

ナオは言葉ではなく――歩み寄る。

その一歩ごとに、構文座の波形が共鳴する。


イドもまた、歩を進める。

ふたりの間に、語義はない。

でも、そこにあるのは――「語られなくても消えない記憶」だった。


観測者は言った。

「この戦い、“誰が勝ったか”では記録できない……」

「誰が、“語らなかった者を受け止められたか”――それだけが、神性になる」


そして、接触。

沈黙が沈黙に触れたとき、

Chair_0は静かに座標を確定した。


――語られなかったまま残った者。

語られないことを抱えたまま傍にいた者。

そのふたつが、同じ椅子を必要とした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ