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愛はひとつではないから  作者: ぽーりー


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43 これからも私たちは



最終回です☺️






「次はどの国に行くんだ?」

「さあな。レブラントの支社は世界中にあるから、その時の気分次第だな」

「またアルドレアにも寄ってくださいね」

「あぁ。ミリアが劇場に連れて行ってくれると言うなら寄ってやってもいい」

「またそのようなことを!」

「ははっ!冗談だ」


私とスレイン様は、ミヒル様とサハルさんにお別れの挨拶をするためにホテルを訪れていた。


「それはそうと、本当にこんなものをもらっていいのか?」


ミヒル様が一通の封書を指に挟んで微笑んだ。


「あぁ。ミリアを助けてくれた礼だ」


スレイン様は陛下に掛け合い、タランタールが再興した際には貴国と同盟国になる、という証書をもらっていた。


「ははっ。礼が大きすぎる気はするが・・・お前にとってはミリアの価値と同等なんだろうな」


とミヒル様は呆れていた。

それから私はミヒル様に腕輪の契約魔法を解除してもらった。

タランタールの王族であるミヒル様は、赤い宝石に触れるだけで自然と魔法が解除されて着脱が可能らしい。

腕輪はお返ししますと言ったけれど、思い出に取っておいてくれと言われてしまった。


「あぁ。あと・・・これも助かった」


隣にいたスレイン様がはめていた指輪を外そうとすると、ミヒル様が手を降った。


「それはお前にやる。俺からの結婚祝いだ」

「いいのか?貴重な魔道具なんだろう?」

「そうでもない。俺もあと2つ持ってるしな」

「・・・そうか。ではありがたくもらっておく」


サハルさんからはアルドレアでは滅多に手に入らないハス茶の茶葉をいただいた。

私がお返しにアルドレア製のティーセットを差し上げると、サハルさんはとても喜んでくれた。


「じゃあ、俺に何か用があったらアルドレアの支社に連絡を入れてくれ」

「はい。お体にお気をつけて。またお会いいたしましょう」

「あぁ・・・お前も達者でな」


そう言ってミヒル様は私の頬に口付けをした。


「何を・・・」


スレイン様がミヒル様に詰め寄ろうとすると、サハルさんが間に入った。


「王子すみませんっ!タランタールではこれはただの挨拶ですから!お許しください!」

「挨拶だと!?既婚者にもそんなことをするのか??」

「は、はい!これが通常でございます!」

「ははっ!そういうことだ!諦めろ!」


ミヒル様はしてやったりという顔で笑って、私は恥ずかしくて顔を覆った。

このような感じでミヒル様とのお別れは、寂しさよりもスレイン様との気まずさが残るものとなった。

スレイン様は城に戻ると、本当にタランタールでは挨拶で頬に口付けをするのかを本で調べだした。

スレイン様?

余計に気まずいですからもうやめてください・・・。








「やっと落ち着いたな」


広間での夕食を終えて部屋に戻ると、スレイン様が私の腰に手を回した。

アルドレアに戻ってから今日まで、二人でゆっくりと過ごす時間がなかった。

エニフィール様のこともあって、私はスレイン様に心を閉ざしてしまっていたし・・・。


「スレイン様・・・ご心配をおかけしてすみませんでした。私はもう大丈夫ですから」

「本当に・・・もう大丈夫なんだな?」

「はい」

「では今日は、ミリアに甘えてもいいんだな?」

「え・・・?」


スレイン様は私を持ち上げると、そのまま後ろに下がってベッドに座った。


「ス、スレイン様??」

「ずっと我慢していたんだ・・・私たちは結婚したんだから、色々とやることがあるだろう?」


色々と?

ってまさか・・・初夜のことかしら??

そう気付いた瞬間、耳からプシューッと湯気が出た気がした。


「それはまだ・・・こちらにも準備がございますので・・・」

「準備?」

「エステに行ったりですとか・・・ダイエットもしなくてはいけませんし」

「はははっ。私は一体いつまで待てばいいんだ??」


スレイン様が綺麗なお顔で無邪気に笑った。


「いえ、そんなにはお待たせしませんから、でも今日のところは・・・」


私がお断りを入れようとすると、スレイン様が急に真剣な顔をなさって。


「ミリア・・・私としたくないのか?」

「え・・・いえ・・・私もスレイン様としたいです」


え??

私は今何を言ったの??

したいですって??


「いえ、あの、今のは何かの間違いです!」


私が恥ずかしくなってスレイン様の膝から降りようとすると、腕を引っ張られて、そのままベッドに押し倒されてしまった。

そして彼は青い瞳を細めて。


「私と何をしたいって?ちゃんと言ってくれ」

「・・・初夜を・・・お迎えしたいです」


なぜなの??

そんなこと私は思ってな・・・くはないけれど!

まさか!

スレイン様は何かの魔道具を使ってらっしゃるのね!?


「ははっ。素直なミリアは可愛いな」

「もう!からかうのはやめてください!」

「からかってなどいない。ミリアの本当の気持ちが知りたい」

「スレイン様・・・」

「今度は魔道具を使わないから、今の本当の気持ちを教えてくれ・・・」


そんな寂しそうな顔をされたら、もう断れないじゃないですか。


「ふふ・・・」

「ミリア?」

「ふふ・・・わかりました。私はスレイン様と今日、初夜をお迎えしたいです。きゃあっ」


スレイン様は急に私を抱き起こしたかと思うと、シャワールームに連れて行って。


「じゃあ、まずは一緒にシャワーを浴びようか」


と微笑んだ。

ちょっ、スレイン様!?

それはハードルが高すぎますわ!!

とりあえずその魔道具とやらを外してください!!


・・・とこんな感じで私たちは初夜を迎えたのでした。

これからも私たちは、こうやって本音を言い合って、想い合いながら暮らしていきましょうね・・・。


「スレイン様・・・愛しています」

「私もミリアを愛している。世界中の誰よりも・・・」







Fin








最後までお読みいただきましてありがとうございました。

終盤めちゃめちゃ切ない展開になりましたが、どうにかハッピーエンドになりました、よね??

私はどうやら切ないストーリーが好きなようです、ふふ。


このような長い物語に最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。


ぽーりー



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